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5万円を切るXLR/2.5mm 4極バランス対応アンプ。AKGのプロ向けヘッドフォンも

 200ブランド以上が参加し、イヤフォン、ヘッドフォン関連製品の試聴ができるイベント「ポタフェス 2015」が19日に秋葉原のベルサール秋葉原で開幕した。会期は19、20日の2日間。入場は無料。ここでは、ラトックシステム、Shure、ヒビノインターサウンドなどのブースをレポートする。

ラトックから小型のバランス対応USB DAC内蔵ヘッドフォンアンプ

 ラトックシステムのブースでは、USB DAC搭載ヘッドフォンアンプの新モデル「RAL-DSDHA5」を参考展示している。来春発売予定で、価格は未定だが「5万円を切りたいと考えている」という。

「RAL-DSDHA5」

 デスクトップで使いやすいコンパクト筐体を採用。USB DACとして、PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHz(DoP)までのネイティブ再生をサポート。DACにはESSの「ES9010K2M」を使っている。対応OSはWindows 7/8/8.1/10、Mac OS X 10.07以降。

 ヘッドフォン出力が豊富な点が特徴で、バランス駆動にも対応。XLR×2に加え、ラトックがポータブルアンプで採用している2.5mm端子×2も装備。この2.5mm端子のRチャンネル側だけを使い、2.5mm 4極でバランス駆動するAKシリーズ互換モードも利用できる。XLR端子はシングルエンドのステレオ標準ジャックとしても利用可能。さらに、2.5mm×2のバランス端子に、別売の変換プラグを組み合わせれば、ソニーのポータブルヘッドフォンアンプのフラッグシップ「PHA-3」などで採用されている3.5mm×2のバランス駆動にも対応できる。

 USB入力に加え、光デジタル入力も装備。USB DACとして利用する際は、USBバスパワーでも動作するという。

XLRでバランス駆動しているところ
背面

Shureのコンデンサ型イヤフォン「KSE1500」発売日決定

 10月に製品発表された、Shureによる“世界初の高遮音性コンデンサ型イヤフォン”こと「KSE1500」。その発売日が、2016年1月15日に決定した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は36万円前後。

Shure「KSE1500」

 コンデンサ型のシングルドライバを搭載したイヤフォンと、専用アンプで構成するシステム。イヤフォンには、シングルMicroDriverを搭載。「ほぼ無質量」というほど軽量な振動板を搭載。高速な過渡特性にこだわり、ダイナミックやバランスドアーマチュア型ドライバよりも幅広い周波数レンジ再生を可能にするという。再生周波数帯域は10Hz~50kHzで、最大音圧レベルは113dB。

 イヤフォンとアンプは、6ピンのLEMO端子で接続。アンプにはUSB DAC/ADCも搭載しており、96kHz/24bitのハイレゾ音声にも対応。DACチップはシーラス・ロジックの「CS4272」を使い、アナログのライン入力も備えている。

ヒビノインターサウンド

 10月の「オーディオ・ホームシアター展 2015」(音展)でも出展していた、iBasso Audioの新ポータブルオーディオプレーヤーの「DX80」を参考展示している。ファームウェアの更新が進んでおり、より安定度がアップ。来年の発売に向けて準備を進めているという。価格は未定だが、「iBasso Audioらしいリーズナブルな値段になる」という。

iBasso Audioの新ポータブルオーディオプレーヤーの「DX80」

 DACはシーラス・ロジックの「CS4398」を2基搭載。クロックにはSi TimeのMEMSオシレータを2基採用し、ジッタを抑えた高品位な再生が可能という。DSDは5.6MHzまでのネイティブ再生が可能。USB DAC機能も備えている。同軸デジタル、光デジタル出力や、ライン入力も装備。ディスプレイは3.2型で、解像度は480×800ドット。ストレージメモリは非搭載の予定で、microSDカードスロットを2基装備する。

 「D14」は、USB DAC機能を搭載したポータブルヘッドフォンアンプ。DACはESSの「ES9018K2M」で、PCMは384kHz/32bit、DSD 11.2MHzまでのネイティブ再生が可能。デジタル入力は、同軸/光デジタル両対応で、USB入力も装備。PC、iOS機器、Android端末との連携ができる。iOS機器接続時は、カメラコネクションキットか、Lightning-USBカメラアダプタが必要。Androidは4.1以降で、USB Audioに対応する端末を、OTGケーブルを介して接続する必要がある。

USB DAC搭載ポータブルヘッドフォンアンプ「D14」
左が「K181 DJ UE」、右が「K182」

 AKGブランドのプロフェッショナル向けヘッドフォンの新製品も参考展示された。ポータブルタイプでDJ向けの「K181 DJ UE」は、既存の「K181 DJ」を踏襲しながら、ハウジングのカラーやロゴを一部変更したモデル。

 「K182」はポータブルタイプのモニターヘッドフォン。どちらもケーブル着脱が可能。価格はK182が17,000円~18,000円程度の予定。K181 DJ UEは、K181 DJと同じ16,000円程度のみ込み。どちらも来年初頭の発売を予定している。

「K182」。ケーブル着脱やハウジングの折りたたみも可能

イタリアのカスタムイヤフォンLIVEZONE R41

 イタリアのカスタムイヤフォンメーカーLIVEZONE R41が、会場で同ブランドのフラッグシップモデルを発表した。ドライバ数などは好評されていないが、ハウジングにスイッチを備えており、ユーザーが気軽に音の調節ができるのが特徴。価格は未定。近日プレオーダー受付を開始するという。

LIVEZONE R41のカスタムイヤフォンフラッグシップモデル

 LIVEZONE R41は2005年から、カスタムイヤフォンの製作を開始。イタリア国内外のアーティストに愛用されているという。日本市場への展開は、2014年10月から本格的に開始している。

(山崎健太郎)