AKG、BAとダイナミックを両搭載したハイエンドカナル

-実売約13万円の「K3003」。フィルタ交換で音質変化


カナル型イヤフォンの最上位モデル「K3003」

 ハーマンインターナショナルは、AKGのカナル型(耳栓型)イヤフォンの最上位モデルとして、バランスド・アーマチュアユニットとダイナミック型ユニットを両方内蔵した「K3003」を9月中旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は138,000円前後。

 また、マイク付きリモコンを装備したiPod/iPhone/iPad向けモデル「K3003i」も9月中旬に発売する。アップルストアとセレクトショップのナノユニバース、リステアでの限定販売モデルとなっており、価格はオープンプライス。店頭予想価格は通常モデルと同じ138,000円前後。




■バランスド・アーマチュアとダイナミックのハイブリッド

 

K3003
 最大の特徴は、バランスド・アーマチュアユニット(以下BA)とダイナミック型ユニットを両方搭載している事。3ウェイシステムとなっており、高域用と中域用のBAをそれぞれ搭載。さらに、低域用にはダイナミック型ユニットを採用している。

 

 配置としては、音が放出されるノズルのすぐそばに、高域・中域用のBAを重ねあわせるように搭載。その背後にダイナミック型ユニットを搭載している AKGでは「異なる方式のドライバを各帯域で使い分ける事で、革新的な情報量とワイドレンジ化を実現する」としており、この技術を「3ウェイ・ハイブリッド・テクノロジー」と名付けている。

 周波数特性は10Hz~30kHz。感度は104dB/mW。インピーダンスは8Ω。


筐体にはステンレスを使用。「3ウェイ・ハイブリッド・テクノロジー」を採用する事で、マルチウェイのイヤフォンながらコンパクトになっているのも特徴


■ユーザーが音質を調整可能

 音質面のもう1つの特徴として「メカニカル・チューニング・フィルター」を採用。カナル型イヤフォンのノズル部分には、メッシュ状のフィルタが装着されているが、K3003ではこれがネジ止め式になっており、ユーザーが気軽に取り外しできる。

ノズル部分のフィルタを外したところ。ノズルから中のバランスド・アーマチュアユニットが見える

 さらに透過性の異なる2つのフィルタを同梱。通常のニュートラルなフィルタに加え、「バスブースト」、「ハイブースト」が選べ、好みや気分、楽曲に合わせてカスタマイズできるようになっている。

取り外したフィルタ部分標準のニュートラルなフィルタに加え、音質が変化するフィルタを2個同梱している


■筐体だけでなくアクセサリも高品質

 筐体にはステンレスを採用。高い質感と耐久性を持ち、不要な振動を抑制して音質劣化を防ぐ狙いもある。また、ケーブルの分岐部分に備えたYコネクタや、入力プラグ部にもステンレスを採用している。

 ケーブルはY型で、長さは1.2m。OFC(無酸素銅)で、摩擦によるノイズを抑えるラバー被覆を採用している。入力はステレオミニ。ケーブルを除いた重量は10g。

入力プラグの根元やケーブルの分岐、付属の航空機用プラグにもステンレスを使っている

 K3003iは、ケーブルの途中にマイク内蔵リモコンを装備。音量調整、再生/一時停止/スキップ/曲戻しなどの基本操作に加え、着信時の応答も可能。対応機種はiPhone 3G/3GS/4、第2世代以降のiPod touch、第4世代以降のiPod nano、iPod classic、第3世代以降のiPod shuffle、iPad。

 

K3003iリモコンもステンレス製

 

 K3003/K3003iのどちらも、イヤーチップはシリコンタイプで、サイズはS/M/Lが付属。レザー調素材を使ったキャリングケースと、ステンレスを使った航空機用プラグアダプタを同梱する。

 これらアクセサリを含め、製品を収納するケースにはシリアルナンバープレートがついている。これは、製品出荷時に品質検査を全数実施し、検査に合格したことを証明するものだという。

レザー調素材を使ったキャリングケース。側面にケーブルを巻き付けるタイプ
イヤーピースは3サイズ。スペアも付属する豪華なケースに入れて販売。シリアルナンバープレートも

(2011年 9月 6日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]