ルネサス、超小型のクラウドTV向け評価ボード

「IPネットワーク対応STB」リファレンスボード

　ルネサス エレクトロニクスは、クラウド対応テレビやマルチルーム(家庭内配信)向けのセットトップボックス(STB)ソリューションとして、超小型の「IPネットワーク対応STB」リファレンスボード(評価ボード)を開発した。10日より、ビジネスパートナー向けに提供を開始し、コンテンツ配信サービス事業者やセットメーカーに対してビジネスを提案していく。

　同ボードは、65×21×11mm(縦×横×高さ)という超小型のサイズで、テレビなどディスプレイ機器のMHL/HDMI端子に直接差し込むだけで、ネットワーク接続、コンテンツ視聴を可能にするもの。IPネットワーク対応STBシステムの小型化や、低消費電力化、低コスト化に加え、コンテンツ配信サービスの普及を狙う。

　　IPネットワーク対応STBのリファレンスボードは超小型ながら、1,920×1,080/30pまでのコンテンツに対応。映像/音声の出力端子は、MHL対応版と、HDMI対応版の2種類を用意しており、MHL対応版は、TVなどのMHL端子に直接差し込むだけで快適にコンテンツを楽しめるという。

　CPUコアにARM CortexTM-A9 NEONを2個搭載するほか、HDコンテンツデコード対応のAVエンジンも統合したSoCとなっており、MPEG-4/H.264、MPEG-4、VC-1など1080/30pビデオ再生が可能。また、ローパワー技術により低電力で高性能処理を実現するという。2D/3Dグラフィックスエンジンも内蔵しており、高機能ユーザインタフェースも実現できるという。

　これらにより、同ボードは、従来のリファレンスボードに比べ、約88%の小型化と1.7倍の高性能化、25%の低消費電力化を実現。さらに、無線LANに対応しており、タブレットなどとも容易に接続できるなど、「今後のクラウドやマルチルーム、マルチスクリーン、インターネット動画配信、およびWebサービス(EPG、コンテンツ検索・推奨、SNS連携等)に対応できるだけでなく、その利便性の向上とシステムコストの低減が可能なことから、サービスの推進、拡大に貢献できる」とする。

採用イメージ	特徴	応用事例

　ルネサスはこのボードをもとに、アイティアクセス、アドバンスト・コミュニケーションズ、グルーバ、三信電気、日本システムウエア、リコー、Silicon Imageをはじめとするパートナー各社と連携し、同ボードを応用したIPネットワーク対応STBの製品化とビジネス拡大を推進していくとしている。