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【レビュー】自腹で買って6週間。レグザサーバー購入記

−DBR-M190の全録の魅力と意外な“効果”?


2011年末に購入した「DBR-M190」

 2011年12月、とあるAV機器が東芝から発売された。レグザサーバーこと、「DBR-M190」だ。地上デジタル放送6チャンネル分を最長15日間に渡って自動録画してくれるという、VHSビデオデッキ世代にとって夢のようなマシンだ。

 問題は価格だ。5〜6万円台のレコーダが当たり前になる中、DBR-M190は5TB HDDと合計12系統のチューナーを内蔵するとはいえ、10万円台後半。年齢を重ねるにつれ、テレビを見る時間が少しずつ短くなっている筆者としては、発表当日に購入を即断! ……という訳にはいかなかった。

 しかしそれでも「面白そう!」「単純に使ってみたい!」という欲望には勝てず。発売直前ギリギリまで迷うも、まさに一大決心で購入した。それから約6週間、レグザサーバーのある生活を過ごしてみたが、テレビ視聴スタイルが着実に変わってきている。その経緯を本稿ではまとめてみた。なお、スペックや基本的な操作性などについては、小寺信良氏によるレビュー記事などをお読みいただきたい。



■ 録画マニアじゃないけど、買っちゃいました

 まずは筆者のAV機器環境をご説明しておきたい。両親の一戸建てに同居し、自室には東芝のテレビ「REGZA 37Z9000」とソニーのBlu-rayレコーダ「BDZ-A70」を設置。ブルーレイソフトはほとんど買わず、むしろ据置型ゲームを中心に楽しんでいる。

レグザサーバーは居間に設置。東芝「37Z2000」と繋いである。無線LAN対応なので、簡単にネット接続できた

 一方、家族が集まる居間には、37Z9000購入以前に私室で使っていた東芝製テレビ「37Z2000」を置いている。こちらには特にレコーダを繋いでいない。これも合わせると、宅内には3台のテレビがある。ちなみに、どのテレビでもBS視聴できるよう、地デジ移行期に工事した。

 VHSビデオデッキ全盛時代はそれなりの数のアニメや映画を録画していたが、HDD録画への移行はかなり遅く、37Z2000の外部HDD録画機能が初めてだった。録画専門機に至ってはBDZ-A70が初めてで、別メーカーの機器を併用したり買い増してもいない。

 と、いうわけでプロジェクターとか高級スピーカーなどには無縁の、ヌルいAVファンであるのが実態だ。国内著名メーカーの機器を優先して買う、ド安定志向で、20万円を超えるAV機器は生涯一度も買ったことがない。そんなヌルいAVファンなりのレグザサーバー使用記として読んでいただければと思う。

 本題に戻ろう。DBR-M190の製品発表は10月だったので、当初は予約も考えたのだが、受注価格が日ごとに安くなっていく事態が発生していた。予約開始の時点では19万8,000円だったが、数週間後には1万円安、さらに1カ月後には再び1万安……という具合だったかと思う。それで「発売ギリギリまで待てばもっと安くなるかも?」と考え、結局は予約せずに発売日を迎えた。

 しかし2011年12月26日、いざ購入しようと秋葉原へ出かけたら、ヨドバシカメラは店頭在庫なしでかなり焦った。在庫のあるネット通販での購入も考えたが、年末のせわしない時期だったので止め、その足でソフマップに向かい、店頭購入した。最終的な購入価格は16万7,200円で、11%ポイント還元(1万8,392円相当)。うち1%分は「ソフマップ プレミアムCLUB」登録(条件付き有料)に伴う増額分で、10%還元のヨドバシカメラで買うよりちょっとだけ得した。これは怪我の功名だった。

 なお、同時発売のモデルとして、録画容量が約半分のDBR-M180があるが、こちらとの比較は一切しなかった。手持ちのDBZ-A70の録画容量が320GBだったのに対し、DBR-M180は500GB(タイムシフト領域は別に2TBある)で、“パワーアップ感”がどうしても薄かったからだ。加えて、DBR-M190限定で無線LAN機能を内蔵している点も魅力的だった。


■ 24時間録画=1秒足りとて電源切れず。だからコンセントには注意を!

一番右がDBR-M190の付属リモコン。37Z2000(左)、37Z9000(中央)のリモコンと比較してみた。消音キーがないのが意外と不便。「タイムシフト」ボタンが増えたため、押し出されてしまったのだろう

 さて本体設置だが、難しい部分は特にない。HDMIケーブルやアンテナ線を別途用意する必要はあるが、テレビとの接続には何の問題もないだろう。5TB分ものHDDを内蔵するDBR-M190だが、筐体サイズは普通といっていい。前述のDBZ-A70より全高は低いし、東芝の最新モデル「DBR-Z150」との比較では奥行きが1〜2cm長いだけ。ファンも背面部に集約されている。

 むしろ気にしたのは「電源コードをどのコンセントに挿すか」ということだった。

 レグザサーバー最大の特徴である「タイムシフトマシン」を活かすには当然、24時間電源コードを挿しっぱなしにしなければならない。この“24時間”がクセモノで、例えば「テレビ周りを掃除したいから数分だけ電源コード抜こう」とか「iPadの充電したいけどACアダプターが大きくてコンセントに挿せないから、他の機器のコード抜くか」といったことが本当に一切できない(というか、したくない)。

 もちろん電源タップをあらかじめ用意しておけばいいのだが、それでも何かの拍子に不意に抜けると困ってしまう。アンテナのブースターの電源を抜いて、家のテレビが全部映らなくなった経験をお持ちの方なら、お分かりいただけるのではないだろうか。ちなみに、筆者がDBR-M190を使い始めて約6週間で、電源コードを抜いたのは2回。購入直後に動作が不安定になった時、電源タップを追加購入した時だけだが、それでも何か“負けた感”がある。これからお買いになる皆さんは、そのあたりを前もって検討しておいてほしい。

タイムシフトマシンの設定は初期セットアップ時に行う。こちらの画面を設定メニューから呼び出せば、後からでも変更できる

 タイムシフトマシン機能については、初期セットアップ時にオンにするかどうかを選べる。レグザサーバーを買ってこの機能を利用しない人は恐らくいないだろうが、やはり24時間電源オン必須となると、電源コンセントの件も含めて管理が難しくなる。それゆえに確認メッセージを出すのだろう。

 この際に、タイムシフトで保存する対象チャンネル、保存品質、どの時間帯に録画するかが選べる。一度決定した後、一部の項目については変更を行なうと、その時点で蓄積されているタイムシフト番組が基本的に全部消えるらしい(もったいないので一度も実際に試したことがない)。慎重に決めたい。

 一応筆者の設定をご紹介しておくが、まずチャンネルはNHK、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビの6局。関東在住であれば、自然とこのチョイスになるのではないだろうか。逆に諦めざるを得なかったのがNHK Eテレ、TOKYO MX、テレビ埼玉、千葉テレビ。アニメがそれなりに好きな身としては、これらのチャンネルを対象にできないのは少々残念だが、グッとこらえることにする。

 録画品質については4種類から選べるが、約6日間分保存の「AVC高画質」にしてある。これは「セットアップ時のデフォルト値だったから」という理由で決めた。カタログスペックの最長15日間を実現するには「AVC低画質」を選ぶことになるが、9日間分相当の「AVC中画質」もあるため、さすがに品位的に厳しいかも知れないと考えて、見送った。ただ、結果的に「AVC高画質」に設定して良かったと思う。この理由は後述する。

 そして録画時間帯については、迷わず24時間、全曜日での録画を選んだ。これもレグザサーバー購入者であれば必然の設定とも思うが、平日昼間や深夜をスキップしてもいいかもしれない。

タイムシフト対象チャンネルの設定。タイムシフト録画実行中は変更できないので、一度録画オフにしなければならない タイムシフト録画画質の設定。ちょっと迷ったが、デフォルト設定だった「AVC高画質」を選んだ 録画時間帯の設定。4TBものHDDを搭載するのだから、ここはやっぱり24時間・毎日録画を選びたい

■ 録画し忘れに絶大な効果!(当たり前か…)

レグザサーバー動作中の画面表示。右上の時計っぽいアイコンがタイムシフト実行中を意味する。筆者の設定だと、24時間常に表示されている。タイムシフト番組から通常録画番組へダビング中のため「ダビング」の表示も

 話が前後するが、実は「DBR-M190をどの部屋に置くか」はかなり考えた。第一候補は私室(兼仕事部屋)だったのだが、ますます引き籠もりになってしまいそうで、正直怖かった。そこで、家族が集まる居間にまずは設置し、その上で私室に置きなおすか後日判断することにした。結果、年末と正月を経た2月上旬になっても、居間設置はいまだ続いている。

 さてレグザサーバーのタイムシフトマシン、つまり全録機能だが、使い始めて見ると、やはり驚かされるし、気づくことも多い。もちろん、単なる録画のし忘れ問題を解決するにも有効だ。ここでちょっと余談となるが、筆者がここ6週間ほどで、「タイムシフトで録れててよかった!」と思う作品を、その理由付きで具体的に挙げてみたいと思う。


・12月31日 23時45分 NHK「ゆく年くる年」
 おなじみの年越し番組。今回は年またぎの直後、除夜の鐘を突こうとした僧侶の方が、撞木(鐘を付くための棒)に引っぱられてターザンのようにぶら下がってしまったことをTwitterで知った。某・動画サイトにはその映像があったようだが、筆者はタイムシフトのおかげで“合法的”に見られた。

・1月2日 7時00分 日本テレビ「第88回箱根駅伝 往路」
 好きでよく見るどころか、ここ数年は事前に録画予約までしていた。しかし、今年は見事に寝坊&録画し忘れ……。

・1月7日(土)21時00分 テレビ東京「出没!アド街ック天国」
 毎回ひとつの街をテーマに、気になるお店や現象を紹介する番組。特集される街の内容によって、たまに見る程度だったが、この回は「銀座 数寄屋橋」編だったので、後から見られてよかった。もともと両親はよく見ている番組だが、自分から録画予約しようと考えたことは一度もなかった。

・1月8日(日)13時50分 NHK「第48回 全国大学ラグビー選手権 決勝 帝京大対天理大」
 正月時期のNHKラグビー中継は、副音声によるルール解説が行われており、それが好きで例年よく見ていた。しかし、ラグビー自体に詳しくないため、開催日を知らなかった。タイムシフト番組表を見ていて、たまたま発見できた。

・1月15日(日) 12時30分〜 NHK「第30回 女子全国都道府県駅伝」
 陸上ロードレースは冬が最盛期。ほぼ毎週ペースでどこかの局がマラソンなり駅伝なり放送しているが、これについては完全に失念していた。13時30分ごろになって気づいたが、無事、冒頭から見られた。

・1月16日(月) 18時00分〜 テレビ東京 「銀魂´」
 BDZ-A70購入直後、かなりハマって毎回視聴&録画していたアニメ。シリーズがいったん終了した後、再開したことを忘れていた。タイムシフト番組表を眺めていた時、たまたま再発見。いざ見たら面白く、翌週以降も継続視聴中。

・1月16日(月) 深夜24時45分〜 フジテレビ「ナイトライダー ネクスト」
 同日から放送を開始した連続海外ドラマ。もともと前シリーズが好きで、今シリーズの放送開始をかなり喜んだのだが、やっぱり予約し忘れてしまった。第2回目以降については通常予約をしてある。

……と、こんな感じである。色々な理由で見逃した番組が多数あった。そういえば、朝早い番組だと、起きて新聞のテレビ欄を見たらもう終わっていたことも以前あった。それが6チャンネル分限定とはいえ解消されるだから心強い。

 スペシャル番組については、番組の存在を認知できるケース自体がそもそも少ない。例えばスポーツだと、事後のニュース番組を見て初めて存在を知り、見逃した悔しさ倍増なことがある。「結果が分かったスポーツを後から見てもつまらないのでは?」という声もあるかもしれないが、大逆転劇があった試合に限っては、そんなことはない。むしろ生放送では分からない機微を発見できることもある。

 これらの番組は、当然居間で見る。筆者は自営業(一応、フリーランスのライター)なので、昼時は仕事なり休養で私室にいるか、近所を散歩することが大半。70〜80%の確率で自宅で夕飯を食べるので、その際か、あるいは夕飯を終えて風呂に入るまでの都合2〜3時間に目を通すのが普通だ。レグザサーバー内には無数の番組が保存されているわけだが、なるべく多く見ようと気張ったりはしていない。というか無理だ。

 タイムシフト保存された番組は一定期間を過ぎると消えるが、本当にどうしても残しておきたい場合は、通常の録画用HDDにダビングできる。ただ、ダビングに時間がかかる(ほぼ実時間)こともあって、試したのは2回ほど。「ナイトライダー ネクスト」と、正月に深夜放送していたテレビ東京系「今年も生だよ! やりすぎ笑いっぱなし伝説」のみ。夜寝る時に作業を実行し、起きる頃には問題なく終わっていた。

 もちろんBD-Rに残したいと思うような番組、あるいはタイムシフト対象外のチャンネル(BSなど)は、通常録画をしておけばいい。ただ、買って6週間足らずということもあって、いまのところBD-Rダビングは一度も試していない。

ダビング実行中は、本体LEDの「再生」と「録画」が同時に点滅する

 そういえば、レグザサーバーは、従来の東芝製録画専用機と比べると、編集機能が弱いのだという。具体的には「編集ナビ」が未搭載であるため、フレーム単位でのカットなどができないようだ。

 筆者自身、編集機能への憧れはある。BDZ-A70購入当時は北京オリンピックが放送されており、それこそ開会式やロードレースを中心に録画しまくった。もっとも画質のいいDRモードで録画し、きちんとCMカットしてBD-Rに永久保存しようとか、いろいろ考えたのだが、早々に挫折した思い出がある。「もっと便利な編集機能があれば、あるいは……」とも思ったが、実際には根性がないだけだ。

 その後、編集に手間をかけるよりはと、画質レートを少し落とし、そのままBD-Rにコピーする体制に移行したが、それも長くは続かない。BD-R自体を保存しておくスペースに限りがあるからだ。そんな訳で、BDZ-A70には数年前のお気に入り番組が未だに保存されていたりする。

 こういった反省を踏まえ、レグザサーバーでは無理に保存や編集をせず、気ままに見るようにしている。タイムシフト保存されたにもかかわらず見なかったのだから、それはもう「縁がなかった」と思うようにしなければならないだろう。よって、筆者の意見を素直に申せば「編集ナビはレグザサーバーに不要」だ(あとで宗旨替えしたらスミマセン……)。

こちらは通常録画番組のリスト画面。BD-Rへのダビングなどはこちらから行なう。BS番組などもここから見ることになるだろう 通常録画番組については「チャプター一覧」が表示できる。サムネイル付きで、さらに「本編」「C(CMの意味だろう)」と区分してくれる。長時間番組の後半から見たい時などに便利。ただ、CMのないNHK BSの番組などでは上手く機能しないようだ

■ “録画予約がするほどじゃないけど見たい番組”は確実にある!

タイムシフト保存した番組を見る時に使う「過去番組表」。通常の番組表とはまったく別の扱いになっている

 タイムシフト保存された番組を見るには、リモコンの「タイムシフト」ボタンを押す。通常の番組表とはまったく別に用意された「過去番組表」が表示されるので、上下左右にスクロールさせながら、気になる番組を探せばいい。ページ単位スクロールもできる。

 しかし、それでも過去数日分の番組表を見るとなると、意外と手間がかかる。番組検索ももちろん可能だが、さらに手軽で便利なのが「タイムシフトマシン注目番組」だ。レグザーサーバーをネット接続している時にのみ使える。ここで、DBR-M190独自の「無線LAN内蔵」というメリットが際立つわけだ。

 有線LAN前提の家電で無線LAN接続をしようとすると、筆者宅ではどうしても専用の無線LANコンバータが必要になる。また、電源コンセントが追加で必要になることもあり、個人的にはどうしても導入に踏み切れないでいた。そんな筆者にとって、DBR-M190での無線LAN内蔵は朗報だった。

 簡単にネット接続できるようになったため、この「タイムシフトマシン注目番組」の閲覧も容易。実際には、東芝製レコーダ利用者の録画動向をネット経由で集計・表示する「おすすめサービス」機能の中に、さらに「タイムシフトマシン注目番組」のページが設けられている。

 そのページを実際に見れば分かるが、その時点でストックされている番組のうち、対象となっているものが古い順にリストアップされる。ただ、実際の視聴傾向を分析してレコメンドするという領域にはまだ達していないようだ。このあたりはドンドン改善していってほしい。


タイムシフト番組の検索機能。東芝製テレビの検索画面と、操作感はほぼ一緒 ネット接続時にのみ見られる「おすすめサービス」の中に、「タイムシフトマシン注目番組」が用意されている。あまり興味のないジャンルの作品を発見するときに役立つ

 このように、番組表、番組検索機能、タイムシフトマシン注目番組の3つの情報源を組み合わせてみると、意外な発見がある。“録画予約がするほどじゃないけど見たい番組”の存在に気づかされるのだ。例えば、筆者にとっては以下のようなものだった。

・毎週金曜深夜24時20分〜 テレビ朝日「タモリ倶楽部」
 もともと好きな番組ではあるが、メインパートのテーマによってはあまり興味がない時もある。金曜夜の番組なので場合によっては帰宅が遅くなって見逃しもする。ただ、それでも番組内コーナーである「空耳アワー」は欠かさず見たい。

・木曜22時00分〜 NHK「ブラタモリ」
 この時間帯は、帯ニュース番組「ワールドWaveトゥナイト」をほぼ毎回見ているので、とにかくよく忘れる。深夜に不定期で再放送しているようだが、それが逆に「前のシリーズのやつだっけ? 前見たかも知れないから、いっか」となってさらに見逃すというスパイラルに陥っていた。しかし、タイムシフトで録画されていれば、とにかく一度再生してみればいい。

・毎週日曜11時30分〜 テレビ東京「太一×ケンタロウ 男子ごはん」
 日曜午前の料理番組。寝過ごした時によく見る。これを見て料理するわけではないのだが、番組構成がなんとなく好き。

・毎週日曜深夜24時45分〜 テレビ朝日「Get Sports」
 この時間帯はほぼ100%家にいるし、番組内容も好き…なのだが、稀にテレビゲームをやっていて見忘れ、悔しい思いをする。

 この4番組は、頻度こそ違うが見たことのある番組。しかし、録画予約する……どころかしようとしたこともない(タモリ倶楽部で空耳アワードが放送する時くらい?)。

 近年のHDDレコーダの予約機能は、それはそれは便利だ。Gコードを新聞で確認せずとも、レコーダ上の番組表から好きな番組表を選ぶだけ。VHSテープのような2時間なり6時間なりの残量を気にする必要もない。予約の面倒さ、難しさは旧来に比べて大幅に緩和された。

 ただ、それでも録画予約は一手間かかる行為で、どこか忌避していた。全録によってもたらせるメリットは「見逃しの保険」というより、「予約の手間軽減」の方が、実は大きいのかも知れない。それがレグザサーバーを使っての実感だ。

 さて、本稿序盤で「タイムシフトマシンを6日間保存設定にして良かった」と書いた。当初は、7日単位で考えた場合に、かならず1日分保存できない日ができるため、どうしても番組網羅性が低くなるのではないかと考えたからだ。つまり、月曜日の番組を日曜日に見られないのではないか。

 しかし実際に運用してみると、7日+13時間分ほど保存できている。当初は何かの間違いかとも思ったが、6週間近く様子を見ても、ほぼ安定的に7日分は遡って見ることができる。カタログスペック的には多少余裕を持たせているのかもしれない。加えて、6日間過ぎた瞬間にシステム的な一括削除をする訳でないことも確かめられた。

2月5日(日)13時17分時点で見られる、もっとも古いタイムシフト番組表。1月28日土曜22時50分ごろの番組が保存されていた その時間帯の番組を再生したところ。画面右下には「PM10:54」と表示されている。これより前の部分については削除されていて、巻き戻しボタンを押しても見られない。どうやら、番組単位ではなく、分刻みで削除を行なっているようだ

 とはいえ、これは筆者の環境でたまたま再現された状況に過ぎない。録画するチャンネル設定や番組構成によっても変化するだろうから、決して鵜呑みはなさらぬように。


■ Twitterで話題になった番組をかなりの確率で見返せる

 もう1つ、ソーシャルメディアとの相性の良さも、レグザサーバーの魅力だ。皆さんの周りでは、テレビの感想をTwitterやFacebook、あるいはブログに書き込んでいる人がどれくらいだろうか? ゼロと答える人は恐らくいないだろう。それくらい、番組の感想、翌日以降放送される注目番組の話題はソーシャルメディア上で多いと思う。

 個人的には、PlayStation 3(PS3)用の録画機器「トルネ」をTwitterと連動させている人も良く見かける。同機では、録画予約したり再生開始したことをツイートできるようになっている。

 こういった書き込みを見ても、録画していなかったり、時間がずれていれば結局それまで。それ以上の発展はない。しかしレグザサーバーがあれば、かなりの確率で見返すことができる。

 筆者も何度かこういうケースを体験した。たしか正月間もないころ、NHKの「あさイチ」という番組に女優の原田知世がインタビューで出演していたのだそうだ。それに対する感想は「(仕事は遅れたものの)後悔はなし!」とまでおっしゃっている。正直、見たい。

 それについてのツイートを見たのが昼以降。当然、放送は終わっている。ましてや朝の情報番組を録画しているわけもない……のだが、この懐より取り出したるレグザサーバーがあれば、何の苦もなく見られる訳だ。

 まぁ、結局は時間がなくて見なかったのだが(笑)、それでも「見られないはずのものが見ようとさえ思えば見られる」という状況は、今までならあり得ない。そういう意味で、レグザサーバーは“優越感くすぐりマシン”かな、と思う。


■ 最大の導入効果? 「興味のない番組をまったく見なくなる」

「おすすめサービス」からは、雑誌と連動した番組紹介も見られるので活用したい

 長々とレグザサーバーの魅力を語ってきたが、さらに大きな変化があった。それが「興味のない番組をまったく見なくなる」ことだ。「見なくてすむ」「興味のある番組だけを延々見られる」と言い直してもよいかもしれない。

 私室にいる時であれば、すべての時間帯において、好きな番組を見ればよい。撮り貯めた番組を好きな順番で、それこそ平日の午前中からパチンコ番組を見たっていい。

 しかし居間で、家族と過ごす夕飯時限定となるとそうもいかない。いくら私が非常識とはいえ、家族でキムチ鍋をつつきながらパンチラ続出のお色気アニメは見るつもりはない。

 と、なると、その時リアルタイムで放送されているテレビ番組を見ることになる。それゆえに自然と、19時であればNHKニュースかクローズアップ現代、20時になるとBSの紀行番組を見てしまう。しかしニュースはともかく、紀行番組は見たいものと見たくないものがある。例えばタレントが賑やかすぎるとか、興味のない地域であるとか、絶対いけないであろう高級旅館の紹介番組だというような理由だ。

 わが家ではたまたまレコーダを繋いでいなかったが、仮に繋いであったとしても同じだろう。「家族で夕飯時に見る番組を、週7回(日)分かかさず予約録画する」というのは正直想像しにくい。

 だが“積極的予約行為”が不要なレグザサーバーがあれば、このハードルは途端に下がる。それこそ何でも見放題。最近我が家で良く見ているのはマラソン、駅伝あたり。前述の「出没!アド街ック天国」などは、親も喜んで見ている。この前など「Get Sports」の室伏広治インタビュー(深夜番組なので親が見る可能性はほぼない)を見ながら、いろいろとスポーツうんちくを語り合ってしまった。実にヘンな感覚だった。

 そんなわけで、見たくない番組を仕方なくみるということは本当に減った。ハッキリ言ってゼロだ。筆者の場合は「家族で」「夕飯時に見る」という条件がついたが、ワンルームマンションに1人で住んでいる人でも同じメリットを享受できるだろう。


■ まとめ「高かったけど買って良かった!」 オリンピックでも大活躍?

すでに3回のファームウェアアップデートが行なわれている。安定性向上だけでなく、機能の追加にも期待したい

 最近はHDDレコーダの大容量化が進んでいる。容量2TBクラスの製品であれば、キーワード自動録画・上書き録画のような機能を使えば、レグザサーバーよりはるかに安価に、数多くの番組を録画・視聴できる。筆者が求める「夕飯時に家族で見る用の番組7回分」の録画も苦ではない。

 ただ、それでもやはり同時に録画できる番組は2〜3番組程度。1台で6チャンネル同時録画できる機器はかなり少数だ。それに、予約をしようとする時点で興味がない番組まで予約するのは難しい。

 ここまで紹介してきたことのハイブリッドも、レグザサーバーならできる。昼間にTwitterで話題になった番組を家族で見たり、親が旅行中で1人しかいない時はタモリ倶楽部の下ネタを見てもいい。録画できる番組の種類と量を両立できる懐の広さが、魅力のように思う。

 個人として6週間使用してみて、いろいろ運用体制を模索したが、現時点では居間にレグザサーバー、私室に安価なレコーダを置くのが理想的ではないかと思うに至った。家族共用のレグザサーバーで色々な番組を見て、本当にお気に入りの番組(もしくは1人で見たい番組)は私室で録画するという両輪体制が良いのではないだろうか。1人暮らし派ならレグザサーバー1台でもいいだろう。

 もちろん、レグザサーバーへの要望は色々ある。まずはタイムシフトマシンの対象チャンネル拡大だ。地デジなら8〜9チャンネル分は欲しい。BSも全チャンネル録画できれば理想だが、それが無理なら1チャンネル分でいいから欲しい。スポーツやニュースが好きな人にとって、BS 1はぜひ24時間録画したいと思うはずだ。省電力化も今以上に進めてほしいし、タイムシフト番組にも「マジックチャプター」を付加してくれればより便利だろう。

 それに、タイムシフトマシン対応とはいえすべてのチャンネルを自動録画できないのだから、東芝製レコーダの常連機能である「おまかせ自動録画」への対応も必要だと思う。筆者としては「アニメ」ジャンルを指定して、地域U局のアニメをかたっぱしから録画したい(いや、これは私室のレコーダでやればいいことか?)。

 また、24時間体制で使ってみて分かったことなのだが、DBR-M190はそれなりに動作音がある。食事や談笑をしている時には99%気づかないレベルなのだが、テレビを消していざ寝ようとする深夜、シーンと静まりかえった室内ではさすがにHDDやファンの稼働音が耳に届く。昼夜問わず24時間録画しているのだから当然といえば当然だ。なので、寝室に置いた場合、気になってしまう人もいるかもしれない。

 この音の度合いを指標化するのは難しく、個人の感覚の差もあるだろう。わが家では開放型ラックに設置しているため、響きやすいのかもしれない。寝室において試していないが、このこともあって、居間はレグザサーバーの格好の設置場所のように思う。

 一方、ファームウェアのアップデートによる楽しみもある。発売からすでに3回実施され、改善された部分も多いようだ。機器の安定性についてはよく分からないが、アップデート完了を知らせるメッセージに日付が付いたり、番組表の日時指定チャートの表示が正常になったようだ。東芝が大々的に発表した製品だけに、長期的なスパンで機能改善を図ってほしいものだ。

 以上、要望・不満をいくつか書き連ねたが、それでもレグザサーバーを買って良かったと思っている。もちろん高価だったが、通常タイプのレコーダをどう使うべきかの示唆も得た気がする。最近では、私室のレコーダで気になる番組をとにかく予約しておき、容量がいっぱいになったら自動削除するような設定をして、“なんちゃってレグザサーバー”にしたいと考えている。

 今から楽しみなのが、7月のロンドンオリンピックだ。時差の都合上、主要競技の決勝は深夜に生放送されるはず。そのすべてを楽しもうとしたら、恐らく期間中1回くらいは、3チャンネル以上の同時録画する必要もあるのではないか。そんなときにレグザサーバーの威力が発揮されるだろう。

 今回は触れられなかったが、タブレットやネットワークとの連携機能もレグザサーバーには用意されている。これらで末永く遊べそうなことも、嬉しい。

 繰り返しになるが、レグザサーバーがあれば、見る番組は確実に変わる。「最近見るテレビがない」「どれも面白くない」という人は少なからずいると思うが、それは「自分がテレビを見たいその瞬間に、自分好みの番組が放送されていない」だけのはず。ましてや、そういう感慨をお持ちの方は、録画予約もイヤなものだろう。

 このストレスを15〜17万円程度の機器代(+電気代)で解消してくれるのがレグザサーバーだ。あとは、そのコストを高いと思うか安いと思うかだけ。普段テレビを見る時間が少ない人こそ、検討する価値は十分あるように思う。


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(2012年 2月 14日)

[ Reported by 森田秀一 ]