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【レビュー】新ウォークマン「NW-F800」のFLAC再生を試す

24bit/48kHzも再生可


NW-F800シリーズ

 ソニーは、ウォークマン最上位モデル「NW-F800シリーズ」を10月20日に発売する。3.5型液晶やAndroid 4.0を搭載し、ウォークマンとして最高の音質を目指したという上位機だが、特に“音”に関していえば、目を引くのがロスレス(可逆圧縮)フォーマットの「FLAC」対応だ。

 '11年モデルの「NW-Z1000」なども、ロスレスコーデックとしてソニー独自の「ATRAC Advanced Lossless」には対応していた。しかし、最近の音楽配信やネットワークプレーヤーにおいて、ロスレスといえばFLACが事実上の標準フォーマットだ。そのFLACにNW-F800が対応。さらに、'11年モデルのNW-Z1000シリーズもファームウェアアップデートにより、年内にFLAC対応予定だ。CDのリッピングをFLAC形式で行なうなど、音楽ライブラリをFLACで管理している人にとって、ウォークマンの魅力がぐっと高まった、といえるだろう。

 ただし、発表時のニュースリリースには、ちょっと気になる記載が。それが、FLACについては、「サンプリング周波数:44.1kHz、量子化ビット数:16bitに対応」という箇所。つまり、FLACの対応は、CD相当の16bit/44.1kHzまでということのようだ。CDをリッピングして、ウォークマンに転送する分には問題ないが、最近は24bit/96kHzなどの“ハイレゾ”配信も増えている。これらの再生はできないのだろうか? この点について検証した。

■ 24bit/48kHzまでは再生可

形式 再生可否
16bit/44.1kHz
(CDリッピング)
24bit/48kHz
24bit/96kHz ×
24bit/192kHz ×

 結論から言うと、24bit/48kHzまでは再生できるが、それ以上の24bit/96kHz、24bit/192kHzは再生できなかった。

 今回、「e-onkyo music」で配信中の楽曲をウォークマンの[music]フォルダにドラッグ&ドロップで転送し、再生を試みたが、24bit/192kHzのBill Evans「We Will Meet Again」、24bit/96kHzのChicago「Saturday In The Park」などは再生不可。一方、24bit/48kHzのドナルド・フェイゲン「I.G.Y.」は問題なく再生できた。

 24bit/48kHzファイル再生時でも、イコライザやVPT(サラウンド)、DSEE(高音域補完)、Clear Phaseなどの高音質化技術もきちんと適用されているようだ。ソニーが公式に対応を謳うのは「16bit/44.1kHzまで」だが、今回編集部で試した限りでは24bit/48kHzまではしっかり使えそうだ。


トップメニュー。Wプレーヤーで再生中の曲を表示 24bit/48kHz FLACの「I.G.Y.」を再生 FLACファイルの詳細 24bit/48kHzではVPTなどの音質設定も可能
24bit/96kHz、192kHz楽曲は再生できず

 24bit/96kHz、192kHzの楽曲も、転送は問題なく行なわれ、アルバムアート付きで検索できるのだが、再生のために楽曲を選択すると、液晶上部に[再生できないファイルです]と表示されてしまう。

 当然ながら、CDからリッピングしたFLACファイルは問題なく再生できる。MacBook Proで、FLAC対応のアプリ「XLD」を使ってリッピングした楽曲を、ドラッグ&ドロップでウォークマンに転送したところ、問題なく再生でき、XLD上で設定したアルバムアートもしっかりと表示できた。

 FLACのギャップレス再生も試してみたが、ほぼ曲間が繋がっているMy Bloody Valentine「Loveless」でも、余計な空白時間は知覚できず。NW-F800は、FLACについてもギャップレス再生対応といえそうだ。

 当然だが、FLAC以外のMP3/AAC楽曲や、moraやiTunes Storeで購入した曲も再生可能だ。

CDリッピングした曲を転送し、再生。アルバムアートも表示される 「W.ボタン」でミニプレーヤーを立ちあげ

 なお、Windows用の楽曲管理ソフトウェアとして、「x-アプリ」が本体にプリインストールされているほか、「MediaGo」にも対応予定なのだが、x-アプリはNW-F800対応版のVer.4.00でもFLACのリッピングや楽曲管理に対応していない。また、MediaGoはFLACのリッピングに対応するが、今回はNW-F800との連携がうまくできなかった。

x-アプリ MediaGo

 x-アプリは、Windows 8対応のVer.5.0が、MediaGoもmora対応のバージョンアップを控えているので、今後の機能強化が予想される。FLACを中心にする場合、どちらのアプリを使ったほうがいいかは、現時点では判断ができないが、現時点でもリッピングさえ行なえれば、ドラッグ&ドロップ転送できるので、大きな問題はないだろう。

■ 実用的なFLAC再生

 もちろん、24bit/192kHzなどより高音質なファイルが再生できるに越したことはないが、多くの人にとっては、現時点ではFLACファイルもCDリッピング楽曲が中心で、24bit/48kHzまで対応できていれば十分だろう。圧縮しているとはいえ、24bit/192kHzともなれば、1枚のアルバムでGB単位でファイル容量が必要というのも、ウォークマンのようなポータブルプレーヤーでは、扱いにくい。

 昨年のウォークマンA「NW-A860」のレビュー記事でFLAC対応に期待と書いたが、Aシリーズは対応しないものの、昨年モデルのNW-Z1000シリーズでもFLAC対応というのは、ユーザーにとっては非常に嬉しいアップデートだ。ソニー製品をはじめ、多くのオーディオ機器でサポートするFLACに対応したことで、ウォークマンの魅力も一層高まったと感じる。

 なお、NW-F800シリーズの使い勝手や音質などについてのレポートは後日お届けする予定だ。


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(2012年 10月 5日)

[ Reported by 臼田勤哉 ]