データで読み解く家電の今

「今よりよいもの」志向が牽引するヘッドフォン市場。iPhone 7ジャック削除の影響は?

販売実績を基にしたデータから、国内家電市場の実態を検証する(協力:GfK Japan)

 スマートフォンの普及や、ハイレゾブームなどもあり、ヘッドフォン市場では、数年前と比べると5万円を超える高価な製品やワイヤレスモデルなども増えている。近年、勢いのある製品カテゴリにみえる。GfK Japanのデータで見ると、市場はどう動き、どう変わってきているのだろうか?

ソニーのフラッグシップヘッドフォン「MDR-Z1R」は実売20万円
Shureの「SE215 Special Edition」

 販売数量を見てみると、2010年実績を100とした際の2015年は97。この数年ほぼ横ばいだ。しかし、金額ベースで見てみると、5年間で1.37倍に拡大している。つまり、数量はそのままに、製品単価がアップしているということ。

ステレオヘッドフォンの販売推移 / GfK Japan調べ

 平均単価の推移を見てみると、2010年の2,470円に対し、2015年には3,490円で、ほぼ1,000円アップしていることがわかる。'16年1-6月は3,670円で、単価上昇がいまなお続いている。

平均価格(税抜)の推移 / GfK Japan調べ

 GfK Japanによれば、販売金額の上昇は「マイク付やハイレゾ対応、海外ブランドのハイエンドモデル等の好調」によるものという。ハイレゾ対応モデルの'15年における数量構成比はわずか2%だが、金額構成比では13%を占めている。ただし、「『ハイレゾだから』購入するだけではなく、『今より少しよいものにステップアップ』して購入したらハイレゾ対応だったという影響も大きいとみられる」と分析している。

ステレオヘッドフォンにおけるハイレゾ対応機の数量構成比 / GfK Japan調べ

 また、スマートフォンの伸長にあわせ、国内市場においても「マイク付き」モデルが増えている。'10年には数量構成比で13%だったが、'15年には30%、そして、'16年1-6月には33%まで拡大した。

ステレオヘッドフォンにおけるマイク搭載機の数量構成比 / GfK Japan調べ

 もう一つ注目は、ワイヤレス化。近年Bluetoothイヤフォンが増えているが、数量構成比は'10年時点の2%から'15年には5%まで拡大した。GfKジャパンの合井隆人アナリストは、「ワイヤレスでは特にスポーツタイプの販売が好調です。また、最近ではEARINなどケーブルのない完全ワイヤレスタイプのラインナップが拡大しつつあり、今後も注目です」と分析している。

ステレオヘッドフォンにおけるBluetooth対応機の数量構成比 / GfK Japan調べ

 データからも堅調にみえる国内ヘッドフォン市場だが、これからの動きとしては、16日から発売される「iPhone 7」の影響は見逃せない。国内で最も売れるスマホから、イヤフォンジャックが削除されたのは大きなトピック。BluetoothモデルやLightning対応モデルの販売伸長が見込まれるが、アップルは、iPhone 7にあわせて、完全ワイヤレス型のイヤフォン「AirPods」も発表。こうした製品が市場に与える影響にも注目したい。

Appleの完全ワイヤレス型イヤフォン「AirPods」

出典:販売実績を基に推計した国内市場規模データ/GfK Japan調べ