プレイバック2014

ハイレゾ関連で大活躍の「iFI nano iDSD」 by 日沼諭史

 2013年の年末に発売された製品ではあるのだが、2014年も順調に拡大し続けたハイレゾ市場において数々の新製品が登場したにもかかわらず、同一価格帯ではいまだにこれを超えるスペックをもった製品が見当たらないという意味で、「iFI nano iDSD」は間違いなくハイレゾ界の先端をひた走るアイテムと言える。

iFI nano iDSD

 iFI nano iDSDは、バッテリーを内蔵し、iOS/Android端末やWindows/Mac OS搭載機とUSB接続して使えるUSB DAC兼ポータブルヘッドホンアンプ)。44.1~384kHz/32bitのPCM(WAV/FLAVなど)に加え、352/384kHzのDXD、2.8/3.1/5.6/6.2MHzのDSDをサポートし、2014年5月にはファームウェアアップデートにより11.2/12.4MHzにまで対応範囲を広げた。

本体底面に多数刻印された対応フォーマットなどのロゴマーク

 現状のUSB DACは、PCM系は192kHz/24bit対応が多いが、DSDについては非対応か、もしくは2.8MHz/5.6MHzに止まる。そんな中でnano iDSDは圧倒的なスペックをいち早く実現してながら、しかも実売価格が27,000円と安価。スペック重視のオーディオファンはもちろん、コストパフォーマンスを追求したいユーザーにとっても選びやすい製品だ。発売直後はその価格と性能から人気が集まり、しばらくバックオーダー状態が続いていたが、次第に解消され、現在では容易に入手できる。

 安価でありながら、ここまでの対応フォーマットの多さを実現したのは、プログラマブルなXMOSのプロセッサーを採用しているところが大きいのだろう。

 もっとも、当初は、一部のUSB 3.0搭載PCで動作しないことが明らかになり、数カ月後にファームウェアアップデートで暫定的にβ対応したものの、再度の正式アップデート時にβ版からの移行が不可能であることが判明して預かり修理になるなど、不便も強いられた。とはいえ、現時点では問題は解消されている。それらも含めて筆者としては、久しぶりにチャレンジングで、エキサイティングな製品に出会ったなあ、という思いだ。

MacBook Air(Mid 2013)で利用。当初はnano iDSDが対応していなかったが今は対応している

 本誌を含めWatch各誌で何度かハイレゾや音響関連の記事を執筆させていただいたが、nano iDSDの出番はかなり多く、この1年はプライベート以外でも存分に活躍してくれた。2015年以降もハイレゾ絡みでは引き続きnano iDSDにご登場願うことになるだろう。

 音楽配信サービスの「mora」が2015年1月からDSD配信に乗り出すというニュースもあり、DSD対応は今後のハイレゾ機器においてこれまで以上に重要なポイントとなってくるはずだ。2015年、AV/IT市場がハイレゾに対してどのように動いていくのだろう。筆者にとってのnano iDSDを脅かす存在が出てくるだろうか?

DSD配信が広がれば、nano iDSDの本領を発揮できる場面もさらに増えそうだ
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nano iDSD

日沼諭史

Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、現在は株式会社ライターズハイにて執筆・編集業を営む。PC、モバイルや、GoPro等のアクションカムをはじめとするAV分野を中心に、エンタープライズ向けサービス・ソリューション、さらには趣味が高じた二輪車関連まで、幅広いジャンルで活動中。著書に「GoProスタートガイド」(インプレスジャパン)、「今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ大事典」(技術評論社)など。