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壁掛けでテレビまわりスッキリ大作戦! バッファロー極小SSDを録画に使う

テレビまわりを見直し、さらに録画用ストレージをSSDにしてスッキリと

家にいる時間が多くなったこともあり、部屋の掃除や模様替えに着手し、ゴチャゴチャしていたテレビまわりをスッキリさせたいと考えている人も多いだろう。以前はBlu-rayレコーダーなどを設置するTVラックが必須に近かったが、最近ではTVだけでNetflixなどの映像配信が楽しめるようになり、そもそもTVラックが不要という人も増加。テレビ用の“壁寄せ”スタンドや、テレビ自体の壁掛けにも注目が集まっている。

筆者も以前、自宅リビングで、分厚い板とボックスを組み合わせただけのドデカいAVラックっぽいものにテレビを載せていたが、一念発起し、55型テレビの壁掛けにチャレンジ。なかなかイイ感じにスッキリさせることができたな、と自己満足に浸っていた(詳細は過去の連載記事を参照のこと)。

以前のリビング。テレビを壁掛けする前は板を組み合わせただけの巨大なAVラックっぽい台を使っていた

壁掛けテレビへの道(前編)。便利な「つっぱりTVポール」と意外な課題……

ただ、以前のラックからは劇的に小さくなったが、オーディオアンプや録画用のUSB HDD、ゲーム機を設置するためラックは残っていた。そして、年月とともにこれも「やっぱ邪魔やん」と感じるようになってきていた。

テレビを壁掛けにし、AVラックはコンパクトになった。しかし今ではこれもちょっと邪魔

そこで“テレビまわりをさらにスッキリさせる”大作戦を開始。鍵となるのは、録画用にUSB HDDを使うのではなく、バッファローのスティック型USB SSD「SSD-PUTU3C」を使ってみる……というアイデアだ。

録画も見るがメインはネット動画へ。大きな周辺機器は不要に

“テレビまわりをさらにスッキリ”できそうだと考えた根底には、テレビとの付き合い方の変化がある。以前は録画したテレビ番組ばかり見ていたが、最近は子供たちがテレビを使う時間が増え、YouTubeやAmazon Prime Videoなどのネット動画の視聴に費やす時間が増加。

レンタルDVDなどで映画を見ることもほぼゼロになり、DVD/Blu-ray再生用のPlayStation 3はホコリを被った状態に。ゲーム機はNintendo Switchだけが活躍している。

筆者がリビングでテレビを見る機会が少なくなったこともあり、オーディオアンプや外部スピーカーなどの無駄にリッチなオーディオも不要と判断した。在宅勤務でこもりがちな筆者の仕事部屋に移動して有効活用させた方がいいはずだ。

録画番組も時々見るが、ネット動画がメインになった。風呂上がりにゲーム実況動画を見る子供たち

こうして冷静に考えると、AVラックに収めておくべき機材は、せいぜいNintendo Switchと録画用HDDくらいでOKだとわかった。筆者と同じように、改めて考えると“AVラックが不要なのでは?”、“もっと小さくできるのでは?”という読者も多いかもしれない。

模様替え後のテレビまわり

アンプなどを移動させ、模様替えした後のテレビまわりが上の写真だ。AVラックを撤去し、小さな引き出し収納に置き換えて、その上にNintendo Switchとデジタル時計、テレビリモコンを置くだけになっている。

ただ、この写真に1つ見えていないものがある。録画用HDDだ。実はこれまで長い間、録画用HDDはAVラックに設置していた。そして、この記事を書く数カ月前にUSBケーブルの長さ不足やACアダプターの電源コードの取り回しの都合から、テレビの背面に移動を試みていた。

といっても、普通の大きさのどっしり重い外付けHDDだし、それ専用の気の利いたテレビ背面収納なんてものは売っていない。なので、結束バンドで壁掛け金具にくくりつけるという、「ザ・苦肉の策」としか言いようがないDIYで無理矢理固定していた。もちろんメーカーが推奨する方法ではないので、完全に自己責任だ。

ラックを排除してテレビの前をスッキリさせたものの、背面側をこんな手作り感あふれる状態にしておいては中途半端、いつかHDDが落下する危険もあるし、ケーブルのごちゃつきも気になる。かといって、「いっそ録画を諦めるか」という選択肢もない。今はTVerのような見逃し配信があるとはいえ、すべての番組をカバーしているわけではないからだ。

そこで活用してみようと考えたのが、バッファローのスティック型USB SSD「SSD-PUT500U3BC/N」(8,395円)。収納式の端子部を除いて長さ68.2mm、幅23mm、厚み11mmの超コンパクトなUSB接続のストレージだ。見た目はいわゆるUSBメモリーだが、中身にはパソコンのメインストレージにも使われるSSDを採用している。USB 3.2 Gen.1で接続した場合に約430MB/sもの高速なデータ読込が可能なのが特徴だ。

バッファローのUSB接続SSD「SSD-PUT500U3BC/N」

このシリーズには、容量1TBの「SSD-PUT1.0U3BC/N」(15,325円)、500GBの「SSD-PUT500U3BC/N」、250GBの「SSD-PUT250U3BC/N」(4,930円)と3種類あるが、500GBを選んだのは1万円を切るコストパフォーマンスの高さと、500GBあれば地上デジタル放送を約62時間、BSデジタル放送でも約44時間、4K放送でも約32時間録画できるからだ。なお、容量は違っても、いずれも指先でつまめるサイズと軽さだ。

指先でつまめるサイズと軽さ

これを録画用HDDの代わりに使えば、圧倒的な省スペースで、驚異的なスッキリ感を実現できるに違いない。結束バンドを持ち出すような苦労をしなくても、USBポートに差し込むだけで使える。さらにUSBケーブルと電源ケーブルも省け、HDDのような駆動部品も無いので静音性の面でも優位なはずだ。

既存の録画用HDDと比べるとその小ささがよくわかる
側面の赤いツマミで端子の出し入れができる

実際に、テレビ背面のUSB端子に接続してみたが、赤いツマミで格納されたUSB端子を露出させ、差し込むだけと、超簡単。ゴチャゴチャしていたテレビの裏が、ものすごくスッキリした。出っ張りも少ないので、もちろん壁掛けにもまったく影響がない。

テレビ背面に録画用USB HDDを移動させようと、結束バンドで壁掛け金具に無理矢理くくりつけていた
「SSD-PUTU3C」に交換したところ。裏側のゴチャゴチャしたケーブルも無くなり、超スッキリ
SSD-PUTU3Cの接続部分をアップで。スッキリかつシンプルになった
テレビの設定画面で「録画用機器として登録」すれば使用準備完了

SSDにするとテレビの高速化も図れる!?

実のところ、「SSD-PUTU3C」はもともとテレビ録画用のストレージとして利用することも想定されており、筆者宅のテレビ(ソニー ブラビアKJ-55X8500E)でも問題なく動作した。

録画番組データの保護という側面でも利点がある。このSSDは、米国MIL規格「MIL-STD-810G 516.6 procedure IV」に準拠し、高さ1.2mからの過酷な落下テストにも耐える“衝撃に強いSSD”なのだ。

また、「SSD-PUTU3C」をテレビ録画に使うメリットは他にも考えられる。たとえば高速なデータアクセスが可能なSSDなので、録画番組の操作などに関わる部分での使用感の向上が期待できる、という点が挙げられる。

では実際に、HDDからSSDになることで本当に高速化できるものなのだろうか。これまで使用していたUSB HDDと「SSD-PUT500U3BC/N」とで、「1. テレビの電源オンから録画用ストレージを認識するまでの時間」と、「2. 録画番組一覧から再生を開始後、実際に映像が表示されるまでの時間」の2つを計測してみた。

前者についてはテレビ側の仕様によるところもあるが、HDDがスリープしている状態でテレビ電源をオンにすると、録画番組をすぐには閲覧できず、しばらく待たされてしまう。これは、HDD内部にある記録用のディスクを一定速度まで回転させ、それが安定したうえで、データ読み書きの準備が整うまでにどうしても時間がかかるためだろう。こうした回りくどいブートアップ処理が不要と思われるSSDでどれくらい認識時間を短縮できるだろうか。

テレビの電源を入れた後、HDDが起動しきるまでは録画済み一覧が表示されない

後者の再生開始時間は、約430MB/sというSSDの読込性能の高さがどこまで効果を発揮するかにかかっている。筆者が使用しているテレビの仕様では、録画した番組の容量は1時間分で約5.5GB。ビットレートにするとおよそ12Mbps相当で、これなら数秒分を最初にキャッシュするにしてもHDDの転送速度で十分高速に処理できるに違いない。しかし、それでもSSDの方がより高速に再生を始められるのかどうか。結果は以下の通りだ。

電源オン後の認識と再生開始までの時間比較

その差は一目瞭然だった。HDDでは48秒かかっていた起動時間が、SSDであるSSD-PUT500U3BC/Nでは35秒となり、3割近くスピードアップ。「待たされている」感覚は大幅に減り、ストレスを感じずに録画番組を探せるようになった。また、再生開始までの時間もHDDでは4.5秒かかっていたのが、SSDでは6割程度の2.5秒で済んでいる。明らかにサクサク感がアップしていて気持ちがいい。

テレビの機種によっては、これらの効果がよりはっきり現れることもあれば、反対に期待したほどの効果が得られないこともあるかもしれない。とはいえ、録画用HDDをSSDにすることで、少なからずテレビの「性能アップ」につながる可能性は高いと言えるだろう。

最近の使い方を振り返って、テレビの前も後ろもスッキリさせよう

すっきりしたテレビ周り

読者のみなさんのなかにも、ここ数年でテレビの視聴の仕方が変わった、という人はきっといるはず。定額動画配信サービスが台頭してきたことで、Blu-ray・HDDレコーダーが活躍する場面が少なくなり、番組を大量に録画するようなことも減っていたりはしないだろうか。

それによってテレビの前に置かざるを得なかった大きな機材が不要になれば、AVラックごと片付けて、テレビ周りやリビングをより広々と使えるようになるかもしれない。そして、テレビ録画用にもし外付けHDDを使っているのなら、SSD-PUTU3Cのような小型SSDに置き換えることで、テレビまわりをスッキリ整理でき、さらにサクサク動作の快適性アップも期待できる。

筐体サイズがぐっと小さくなることだけでなく、配線を減らせることもかなり重要だ。テレビを壁掛けにすると、一見それだけでスッキリするように思える。しかし実際には、配線などを背面に全部隠すような形になるため、その分目に見えないところがかえってごちゃつくことになる。USB HDDのUSBケーブルや電源ケーブルの1、2本がなくなるだけでも、意外と効果は大きかったりするのだ。

「まだAV機器があるから壁掛け・壁寄せにできない」「時間がない」と先延ばしにしていたアナタも、SSDを活用して、壁掛け・壁寄せを検討してもいいタイミングかもしれない。最近のテレビの使い方を振り返ってみて、本当に必要な機材に絞り、あるいは小型の機材に置き換えて、テレビ周りの模様替えをしてみることをおすすめしたい。