場所を選ばずどこでもグッドサウンド。 好きな空間が音で包まれる快感を。 コンパクトでワイヤレス、これが新しい音楽の楽しみ方。 マクセルのオススメBluetoothスピーカー3機種、今ここに。
場所を選ばずどこでもグッドサウンド。 好きな空間が音で包まれる快感を。 コンパクトでワイヤレス、これが新しい音楽の楽しみ方。 マクセルのオススメBluetoothスピーカー3機種、今ここに。

これまでアクティブ・スピーカーというと、iPodやiPhone、あるいはウォークマンといった特定機器に対応したドック型のものがもてはやされたが、昨年ごろよりBluetooth接続によるワイヤレス・スピーカーが、がぜん注目されるようになった。その背景としては、Bluetooth規格のバージョンアップにより通信速度がアップし、高音質伝送にも対応したことで、音質が格段に向上したことが挙げられる。「Bluetoothのサウンド・デバイスは、音がイマイチ」という風評も、もはや過去のことといっていいだろう。

そうなってくるとBluetooth接続は、やっぱり便利である。なんせ音楽を再生する側のプレイヤーがBluetooth対応であれば、iPodやiPhone、iPadはもちろんのこと、ウォークマンもOKだし、Android搭載の各種スマートフォン、あるいはパソコンにだって接続可能なのだから、利便性の高さは申し分ない。

さらにBluetoothスピーカーがコンパクトで、充電池を内蔵するタイプであれば、室内を自由に移動できるし、防水/防滴仕様であれば、外にだって安心して持ち出せる。このように様々なシーンで使えるポータブル型のBluetoothスピーカーが今一番“旬”な商品となっており、各社で凌ぎを削っているわけだが、そうした中でマクセルも昨年末に新モデルを2機種リリースした。

今回は2013年12月25日に発売された「MXSP-BT04」と「MXSP-BTW100」とともに、同年6月25日発売の「MXSP-BT03J」の使用レポートをお届けしよう。

MXSP-BT03J

MXSP-BT04

MXSP-BTW100

ペアリング設定中は、青と赤のLEDが交互点滅

ペアリングが完了すると、青のLEDが点滅する

Bluetooth Ver.4.0準拠、高音質なaptXにも対応 MXSP-BT03J

「MXSP-BT03J」は、マクセルとしては初となる充電池を内蔵したポータブルBluetoothスピーカーである。ちなみに同社では、アーク状パネル構造を持つ「MXSP-BT3000」(2012年7月25日発売)と、スリムな円筒形ボディを持つ「MXSP-BT1300」(2012年12月10日発売)という2機種で、Bluetooth搭載のアクティブ・スピーカーを先行して発売していたが、いずれの機種も電源がACアダプターを使うタイプゆえに、据え置き型となっていた。これらに対して「MXSP-BT03J」は充電池を内蔵しているうえに、コンパクトなサイズを実現しているため、室内での持ち運びに便利な仕様になっているのが特徴だ。

その外形寸法だが、約156×約46×約58mm(幅×奥行き×高さ)で、質量は約275g(本体のみ)という小ぶりなサイズ。加えて筐体の周りはラバー製のプロテクターで覆われているため、万が一落下させても、このカバーリングがスピーカー本体へのショックを軽減してくれる。そんな配慮がなされているので、移動させる際に、特別に気を使う必要がないところも嬉しいところだ。

MXSP-BT03J正面。操作ボタンが中央に並ぶ

スピーカーは、直径35㎜のフルレンジを2基搭載し、本体背面には40mm径のパッシブ・ラジエーターが2個備わっており、低音の再生能力を高めている。出力は3W×2で、再生周波数特性は90Hz~20kHz。

MXSP-BT03J背面

Bluetoothはバージョン4.0に準拠し、コーデックはSBCの他、高音質かつ遅延の少ないaptXにも対応。プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HSPをサポートする。コンテンツ保護SCMS-Tに対応している。Bluetooth機器は最大8台まで登録可能だ。スピーカー本体にマイクを内蔵しているので、スマートフォンなどを手に持たずハンズフリー通話が可能となっている。

この他、アナログ音声入力(ステレオ・ミニ)を備えているので、Bluetooth非対応の機器も接続することができる。バッテリーはマイクロUSB経由で充電可能で、充電時間は約3時間。連続再生時間は約15時間で、連続通話時間は約12時間となっている。

本体のカラーは、ブラック(BK)、ホワイト(WH)、ピンク(PK)の3色。 価格はオープン・プライスだが、約7,000円とコスト・パフォーマンスも魅力的だ。

ボディ左側に端子類を備える

NFC対応で簡単ペアリング、豊かな低音も特長 MXSP-BT04

「MXSP-BT04」はマクセルの最新機種。先に紹介した「MXSP-BT03J」と同じく充電池を内蔵したポータブル型のBluetoothスピーカーだが、NFCにも対応しており、本体側面にあるNFCマーク部分に対応スマートフォンを近付けるだけで簡単にペアリングができるなど、新たなスペックが盛り込まれている。

MXSP-BT04正面上から。操作ボタンはボディ天面に

外形寸法は、約138×約70×約62mm(幅×奥行き×高さ)で、質量は約260g(本体のみ)と、「MXSP-BT03J」より幾分小さくなった。スピーカーは、直径40mm×2基を搭載し、最大出力は3W×2ch。パッシブラジエーターについては、「MXSP-BT03J」では本体背面に2個あったのに対し、「MXSP-BT04」では本体底面部に備えており、設置面とのすき間にホーン効果が生まれ、低音域を増大するという設計になっている。ボディ底面から低音域がボンボン出てくるので、薄い板などの上に設置すると共振してしまうため、置き場所に工夫しよう。

パッシブラジエーターは底面に

Bluetoothはバージョン2.1+EDRに準拠し、コーデックはSBCに対応。プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/HSPをサポートする。コンテンツ保護SCMS-Tに対応している。スピーカー本体にはマイクを内蔵しているので、スマートフォンなどを手に持たずハンズフリー通話が可能となっている。

この他、アナログ音声入力(ステレオ・ミニ)を備えているので、Bluetooth非対応の機器も接続することも可能だ。バッテリーはマイクロUSB経由で充電し、充電時間は約3.5時間。連続再生時間は約6時間となっている。

端子類は背面に装備

本体のカラーは、ブラック(BK)、ホワイト(WH)、レッド(RE)の3色。 価格はオープン・プライスで、店頭予想価格は約6,000円と、「MXSP-BT03J」より1,000円安くなっている。

防滴仕様でフック付き、NFCにも対応 MXSP-BT100

「MXSP-BT04」と同日発売された最新機種で、その特徴的なデザインに目を惹かれるが、「MXSP-BTW100」の最大の特徴は防滴機能を備えているところにある。JISで規定された防水保護等級「IPX4」の試験をクリアしているため、水の飛沫が掛かっても大丈夫で、濡れた手でも安心して操作することが可能だ。キャンプやハイキングなどのアウトドアでの持ち運び、あるいはキッチンなどの水回りで使用する際に適したモデルとなっている。ただし完全防水ではないので、シャワーなど勢いのある水流を直接かけたり、水中に入れたりするのはやめよう。

右側面には操作ボタンを装備

フック掛けが付いた筐体がユニークだが、キャンプやハイキングの際に、リュックやレジャーバッグに掛けて使うという提案のもとでデザインされたものだという。室内でも、このループに引っ掛けて、いろんなところに設置できるので、非常に便利である。外形寸法は、約106×約87×約35mm(縦×横×厚さ)で、質量は約125g(本体のみ)と、現在発売しているマクセルのアクティブ・スピーカーのラインアップ中、最小サイズとなっている。スピーカーは、直径40mmのユニットを1基搭載し、最大出力は3W。本機もNFCにも対応しており、背面に対応スマートフォンなどを近づけると、ワンタッチでペアリングができる。

バッグに付けて使えるように上部にループがある

Bluetoothはバージョン3.0+EDRに準拠し、コーデックはSBCに対応。プロファイルはA2DP/HFP/HSPをサポートする。コンテンツ保護SCMS-Tに対応している。スピーカー本体にはマイクを内蔵しているので、スマートフォンなどを手に持たずハンズフリー通話が可能となっている。さらにアナログ音声入力(ステレオ・ミニ)を備えているので、Bluetooth非対応の機器も接続することも可能だ。

バッテリーはマイクロUSB経由で充電し、充電時間は約2.5時間。連続再生時間は約8時間となっている。

左側面にはカバー付き端子類

本体のカラーは、ブラック(BK)、ホワイト(WH)、ピンク(PK)の3色で、スピーカー・グリル周辺のマウント・リングがホワイトとピンク・モデルがシルバーなのに対し、ブラック・モデルだけはメタリック・ブルーとなっており、クールなデザインに仕上がっている。価格はオープン・プライスで、店頭予想価格は約5,000円というお手頃価格が嬉しい。

音質チェックに際して

試聴にはiPhone 5c(16GB)を使用し、Bluetooth接続して、MP3フォーマットの音源を再生した。試聴した音楽は、【クラシック】、【ジャズ】、【ロック】の3ジャンルの中から選りすぐった15曲を3機種ともに再生してみて、その中で特に相性の良かった曲を以下で機種別に紹介してみたい。

「MXSP-BT03J」の試聴

今回試聴した3機種の中で、最も音の広がりを感じたモデルが「MXSP-BT03J」であった。音質的には、どこか特定の音域で主張してくるところがなく、すっきりとした印象で、低域~中域が適量に収まっている分、高域がしっかり聴き取れ、非常にバランスが良いセッティングに仕上げられている。

【クラシック】において選んだ曲は、ピアニストのアリス=紗良・オットがミュンヘン・フィルとの共演を果たした「チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 作品23 第1楽章」。というのも「MXSP-BT03J」の場合、各帯域をバランス良く出力してくれるため、多数の楽器によるアンサンブルにおいても、各楽器の音色をしっかりと聴き取ることができるだけの高解像度な出音をしているからである。クラシックにおいては、ソロや少数編成のものよりは、音数の多いフル・オーケストラで繰り出される楽曲において、相性が良いという印象を持った

続いて【ジャズ】でセレクトした曲は、パット・メセニーが1976年にリリースしたデビュー作『Bright Size Life』より「Omaha Celebration」。実はギターの音色だけを抜き取れば、より中域が強く出る「MXSP-BT04」で鳴らした方が筆者の好みではあったのだが、この曲の持ち味である軽快さやドラマーのボブ・モーゼスの細かいシンバル・ワークを聴くには「MXSP-BT03J」の方が合っていると感じた。

【ロック】は、ボストンが1976年に放った『Boston』より名曲「More Than A Feeling」。コーラスやディレイを過剰なほど駆使したアレンジは濃厚ではあるものの、軽快に鳴り響いてくれないと、この曲の持つ爽やかさが台無しである。もともとトム・ショルツのギター・サウンドは中域しか出ていないので、スピーカーなり再生するオーディオ側が中域特性が強いと、トゥマッチに聴こえてしまう。そういった点においても「MXSP-BT03J」は非常に良い相性を見せてくれた。また、これはボストンに限らず、70~80年代のロックを聴く場合、低音がブーミーになり過ぎてしまうと、この時代の空気感が損なわれるので、低域~中域が控えめな「MXSP-BT03J」は打ってつけのスピーカーということができる。

「MXSP-BT04」の試聴

このモデルは「MXSP-BT03J」と比べると、中低域~中域の厚みが増しているという印象で、筐体のサイズが小ぶりになっているのにも関わらず、スピーカー・ユニット自体の口径が大きくなっているのが、その理由と考えられる。よってクラシックやジャズにおいてはソロや少数編成のもの、ロックにおいてはヘヴィなサウンドにおいて、聴き応えのあるサウンドを出力してくれた。

まず【クラシック】で選んだのが、バイオリニストのヒラリー・ハーンが独演するバッハの「パルティータ第3番ホ長調 BWV1006 ガヴォットとロンド」。バイオリンの場合、高域が強すぎると耳が痛くなってしまうが、その点、「MXSP-BT04」は高域成分が適度なさじ加減で抑えられているのでモニタリングしやすい。しかも中域がたっぷり出ているので、全体的にサウンドに色気があって、聴いていて惚れ惚れしてしまった。

【ジャズ】はジャコ・パストリアスのソロ・アルバム『Jaco Pastorius』より「Portrait of Tracy」。この曲でジャコはベースの独演をしており、自身の代名詞となっているハーモニックス奏法を随所に決めまくっているのだが、「MXSP-BT04」で再生すると、パッシブ・ラジエーターの効力を発揮して低音はしっかりと響いてくれ、ハーモニックスの音もふくよかで、まさに絶品である。

【ロック】は、ボストンの最新作『Life Love & Hope』より、「Heaven On Earth」。前述した旧作に比べて、ベースやドラムのビートが強力になり、現代風なアレンジになっていることもあって、このアルバムに関しては「MXSP-BT04」の方が相性がいいと感じた。トム・ショルツのギターもいくぶんハイファイになったものの、相変わらず濃厚なサウンドを奏でているが、「MXSP-BT04」で再生すると、非常に抜けが良く、聴いていて気分が高揚してくる。

【ロック】でもう1曲エントリーしたいのが、ミクスチャー・ロックの金字塔となっているリンキン・パークの『Hybrid Theory』より「One Step Closer」。この手のラウド・ミュージックはドンシャリ系で聴くものだと捉えがちだが、実は中域をしっかり再生できないと、このバンドの魅力になっている迫力や臨場感を感じることができない。加えてギタリストのブラッド・デルソンは、1音半までチューニングを下げて、低音ギター・リフをズブズブと鳴り響かせているのだが、これをまともに再生できる小型スピーカーはそうはない。でも「MXSP-BT04」は、しっかりとタイトな音色で出力してくれるところは凄いとしかいいようがない。

「MXSP-BTW100」の試聴

このモデルは、「MXSP-BT03J」や「MXSP-BT04」と異なり、スピーカー・ユニットが1基のモノラル仕様。加えて筐体自体のサイズは小さく、ポップなデザインゆえに、音を鳴らすまでは正直舐めてかかっていた。しかしながら、実際に鳴らしてみて、味付けのまったくない素直な出音に驚いた。特に出色なのがギターの音色で、スティール弦、ナイロン弦のいずれのタイプのアコースティック・ギターにおいてのサウンドが抜群である。シングル・スピーカーゆえに、音の広がりという面においては不足感はあるため、オーケストラや大編成によるバンド・サウンドなどには向かない節があるが、例えばギターのソロ演奏やアコギによる弾き語りなどを聴くのには最適な音色を出力してくれる。

【クラシック】の音源で選んだのは、女性クラシック・ギター奏者のアナ・ヴィドヴィチによるバッハ作曲の「パルティータ第3番ホ長調 BWV1006 ガヴォットとロンド」。ちなみにこの曲は「MXSP-BT04」で述べたバイオリニストのヒラリー・ハーンと同曲なのだが、バイオリンに比べてギターは中域に寄っているため、「MXSP-BTW100」で再生するにはギターの方が合っている。クラシック・ギター特有のアタックが弱めで、優しくて柔らかい音色を見事に再生してくれた。

続いて選んだのが、ニール・ヤングがアコギ1本による弾き語りを全編に渡ってライブ演奏した『Live at Massey Hall 1971』より「Don't Let It Bring You Down」。この時代はエレアコというものが存在せず、アコギの前にマイクを立てて集音していた頃の音源である。そのため元音弦の時点でスティール弦アコギ特有のきらびやかな高域が完全に失われているのだが、そのローファイなギターの鳴りを「MXSP-BTW100」は上手く表現できている。高域がしっかり出るスピーカーだと、このイナたい感じは絶対に出ない。

最後に【ロック】で選んだのが、昨年リリースされたザ・ビートルズの『On Air, Live at the BBC Volume 2』より「I Feel Fine」。この曲を聴いて感心したのが、ジョン・レノンとジョージ・ハリソンのギター・サウンドがギター・アンプから直接出ているかのような音だったことである。特にこの曲で有名なオープニング時の5弦開放のフィードバック音が臨場感たるや、たまらないものがあった。

総評

オーディオをかじったことのある古い世代からすると、ポータブル型のBluetoothスピーカーと聞いただけで、どうしても懐疑的に見てしまいがちだが、いざ試聴してみて、今まで先入観だけで抱いていたイメージは完全に払拭された。いろんなジャンルの音楽を試聴してみた結果、3機種ともに出音は自然で、昨今流行りの重低音に偏ったセッティングではなく、あくまでフラットな音質を追求している姿勢に好感が持てたし、これなら筆者を含むオッサン層のリスナーでも納得のいく音質を実現していると太鼓判を押したい。しかも、この3製品ともにお手軽な値段で買えるというのだから、室内・外での用途やシーンにあった音楽によってBluetoothスピーカーを複数使い分けるのも大いにアリだ。

(text by ashtei)

 

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