4Kビエラを選ぶ理由は「Netflixとネット動画」にあり

ネット配信と4Kがテレビを変える

パナソニックを含め、主要なテレビメーカーは、数年前から、テレビの高度化に取り組んできた。そうしたものを「スマートテレビ」と名付けていたのだが、結果的に、テレビにおいて相性の良いネットサービスとそうでないものがある、ということがわかってきた。

「実際に多くの人が使うネットサービスは、ビデオ・オン・デマンドだったのです」

9月に日本上陸を果たした世界最大のオンラインストリーミング「Netflix」

パナソニックでテレビの商品企画に関わる横山拓未氏はそう説明する。

考えてみれば当然かもしれない。テレビは快適に美しく、いい音質で映像を見るための機器だ。パソコンやスマートフォンで映像を見るのは日常になったが、それをよりリラックスしてみたいと感じるのは当然のこと。だとすれば、そこでテレビが使えれば、という発想になる。

とはいえ、特に日本では、それがなかなか訴求しきれずにいた。YouTubeがテレビで見られるのは確かに便利だが、「パソコンやスマホでできることがテレビでできても……」という印象が拭えず、いまひとつ普及していない。統計によっても異なるが、日本でテレビがネットに接続されている比率は、3割から4割程度しかない。

「でも、それが変わってきたのです」と横山氏は言う。

テレビにおけるネット接続率は、じわじわと上がり始めている。そして、店頭でテレビが売れる際にも、ネット接続機能についての見方が変わりつつある。

そこでキーワードになるのが、Netflixに代表される「定額制映像配信」と「4K」だ。

パナソニック コンシューマーマーケティングジャパン本部 AVC商品部 横山拓未氏(写真左)

Netflixで始まる「テレビをネットにつなぐ」生活

まず前提として、Netflixのことをご紹介しておこう。Netflixは、現在世界最大のオンラインストリーミングサービス。日本でも9月からサービスを開始した。

最大の特徴は、決まった月額料金を支払うと、登録されている映像作品が見放題になる、ということだ。テレビ向けの場合、毎月950円(税抜)支払うと、ハイビジョンクオリティの映像が楽しめる。レンタルビデオで映画やドラマを数本借りるのとかわらない価格で、よりたくさんの作品を見られるのでとにかくお得だ。Netflixのようなサービスを「SVOD(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)」と呼ぶ。日本でも、Netflixの積極的な戦略に対抗する形でいろいろなSVODがビジネスを加速しており、サービス内容が急速に改善されてきている。

一足先にSVODが普及したアメリカでは、こんなことが起きたと言う。

「NetflixのようなSVODが使えることに魅力を感じた人が、テレビをネットにつなぐようになりました。結果、現在のネット接続率は8割を超えます。日本でもそうなっていくのではないか、という期待があります」(横山氏)

NetflixなどのSVODが普及しているアメリカでは、テレビのネット接続率が8割を超えているという。日本もそうなってほしいと期待する横山氏

テレビをネットにつなぐとどんなメリットがあるのか、ということを理解してもらうには、魅力的なサービスの存在が不可欠だ。そこで、Netflixに代表されるような、コンテンツの中身とコストの両方が揃ったサービスは、非常に大きな力になる。

ビデオデッキが売れた時には、番組を録画したい、レンタルビデオ店で借りた映画を見たい、と、多くの人が感じたから売れた。ブルーレイだって、ハイビジョンテレビの能力を生かしたクオリティの高い映像を楽しみたい、と多くの人が感じるから売れる。

テレビのネット接続には、そうした「テレビならではの強い魅力」を持つ存在が必要だ。21世紀のレンタルビデオ、とも言えるSVODは、パソコンから始まったサービスではあるが、テレビにとって魅力的なパートナーであるのは間違いない。

SVODが海外で「テレビに必須の存在」になっていったのは、もう4年も前のことである。日本はゆっくりとした展開であるが、逆にその分、より強い魅力を持つ要素がある。

それが「4K」だ。

「Netflixは魅力的ですが、4Kがなにより魅力的、という方が多い」と横山さんは言う。

Netflixは、他のSVODに先駆けて、自社が制作に参加したオリジナルコンテンツを「4Kネイティブ」の解像度で配信している。その解像感は、まさに4Kでこそ体験できる魅力に溢れたものだ。

4Kテレビは「2Kコンテンツもより美しく見られる」ものではあるが、能力を最大限に発揮するには、やはり、4K以上で撮影され、4Kで配信されるコンテンツの存在が重要だ。

Netflixは、制作に参加したオリジナルコンテンツを「4Kネイティブ」の解像度で配信している

しかし、4Kコンテンツはまだ少ない。4K放送を受信できる環境も限られているし、ディスクメディアの登場までは、まだ少々時間がある。

そこで注目されるのがネット配信だ。Netflixに代表されるネット配信系サービスでは、ネット企業らしいスピード感を生かし、素早く4Kコンテンツの配信がスタートしている。

特にNetflixの場合、利点は「手軽さ」だ。光回線のように、高速なインターネット回線を契約していることが条件となるが、その回線をテレビにつなげば、あとは簡単。Netflix対応の4Kテレビ「ビエラ CX800シリーズ」のような製品があれば、4Kにも対応した月額1,450円(税抜)の「プレミアム」プランに加入するだけで、その日からすぐに4Kの魅力を堪能できる。

また、Netflixが優れているのは、データ容量の大きな4Kであっても、映像の再生がすぐに始まることだ。最初は解像度の低い映像をとにかくすぐに表示しておき、そこから徐々に回線の様子を見ながら解像度を上げ、最終的には4Kへとたどり着く。技術的なことを全く知らなくても、快適さだけを手にすることができるのが、最新のSVODの良さと言えるだろう。

4Kネット配信はNetflixだけのものではない。YouTubeなどにも、4Kの動画が増えてきている。4Kビエラでは、YouTubeにも「4K」のコーナーを用意し、自らの持つ「4Kの能力」をできるだけ手軽に楽しんでもらえるよう、配慮しているわけだ。

Firefox OS採用+Netflixボタンでより身近で使いやすく

しかも、最新の4Kビエラの場合、良いところは他にもある。

まず、Netflixを楽しむ場合、リモコンにある「Netflixボタン」が威力を発揮する。テレビで衛星放送を見る時、我々はリモコンの「BS」「CS」ボタンを押す。それだけですぐにチューナーが衛星放送向けのものに切り替わって映像が楽しめる。テレビという機器にとっては、それが当たり前だ。

ネット系のサービスでは、過去、そこに難点があった。テレビの中にネット配信を視聴する機能はあっても、それを呼び出すのが難しく、また、呼び出しにも時間がかかった。

だが、Netflixボタンがついたことで、そうしたことは大きく改善された。テレビの電源が入っていない状態でも、Netflixボタンを押すと、すぐにNetflixの再生機能が立ち上がり、前回見ていた作品の続きを見られるようになっている。

リモコンに追加されたNetflixボタン

これはなにも、ボタンがあればいい、ということではない。テレビの中の構造が変わり、ネット関連機能を呼びだすスピードが速く・簡単になってこそ、最大の効果を発揮するものだ。

今年、ビエラは中身を大幅に変えた。テレビを動かす根本となるOSが「Firefox OS」になり、ネット系機能をより快適に使えるようになった。動作がすばやくなっただけでなく、テレビのチャンネルを呼びだすのと同じように、お気に入りのネット機能を簡単に呼びだせるような操作体系が採用されたため、使い勝手もよくなっている。

コンテンツに魅力があれば、人々はネット機能を使ってくれる。しかし、使いやすければさらに使ってくれる人は増える。

「テレビの本質は画質・音質の良さです。しかし、Firefox OSによって操作がシンプルになったことは、テレビを選ぶ際の『最後のひと押し』のような効果をもたらしてくれています」(横山氏)

様々な高画質機能でネット映像もより美しく

ここで、忘れてはならない点が一つある。

同じネットの映像配信を見る機能でも、パナソニックの4Kビエラのようなものと、パソコンなどで見る場合とでは、画質が大きく異なるのだ。それは、使われている液晶パネルのクオリティが高い、ということだけに起因するものではない。

4Kビエラには、様々な高画質化機能が搭載されている。そうした機能は、放送やブルーレイを見るときだけでなく、ネットの映像を見る時にも価値が大きい。

ネット配信は気軽に使えるものの、ネットの回線速度の制約も大きい。4Kネイティブで配信されるNetflixのコンテンツといえども、そのビットレートは、放送や、年末からやってくる「Ultra HD Blu-ray」の物に比べると低い。またネットの回線速度が遅い場合は、低ビットレートの映像が送られてくる。

そういう部分では、映像を最適化して4Kパネルに表示するという、4Kビエラの備える高画質化機能が効果を発揮する。

ネット映像の高画質化機能は、Netflixのドラマや映画のようなもともと画質を重視し、配慮して撮影された映像や、このところ急増してきたYouTube内の高画質映像はもちろん、比較的条件の悪い状態で撮影されたYouTubeの映像を含む、すべてのネット映像に対して、最適化をして見やすくなるよう配慮されている。

今後来年にかけて、4Kネイティブの映像はもっと身近になっていくだろう。Ultra HD Blu-rayの登場によって、最高品質の映像を家庭に「所有する」時代もやってくる。

それと同時に、これまで放送が担っていた「日常的に見る映像」の一部をネット配信が担当するようになるし、特に4Kでは、家庭に入り込む「先陣」がネット配信になってきた。

そういう点を考えても、これからテレビを選ぶのであれば、「4K映像が美しい」のは当然として、「ネットの4K映像が美しい」「ネットの映像を見るのが簡単で使いやすい」テレビを選ぶのが重要になってくるのだ。

ネットの4K映像が美しいテレビを選びたい
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