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第1回:ロケットは好きですか? 宇宙に憧れますか? |
怒涛のように発売されつづけるDVDタイトル。本当に購入する価値のあるDVDはどれなのか? 「買っとけ!DVD」では新旧かかわらず、厳正なる“独断と偏見”に基づいて、毎週金曜日に“買い”なDVDタイトルを紹介します。週末の購入プランの参考になれば幸いです。 |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント | ||||||||||
品番:SUD-31163、価格:3,800円 | ||||||||||
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しかし、米国での前評判がありながら、なぜか日本ではいわゆるミニシアター系、都内では単館ロードショーとなった。そのため、劇場で見た人はあまり多くはなかったが、見た人の評価は総じて高いものだった。
こういった、劇場公開時には恵まれなかった作品を、後でじっくり見ることができる。それも、高画質、高音質で。DVDのありがたさを感じる瞬間である。
'57年、ウエスト・バージニア州の炭坑町をソ連が打ち上げた「スプートニク」が横切る。その下には、スプートニックが描く軌跡を見上げる高校生、ホーマーがいた。
ホーマーは、その衝撃から、ロケット作りに心を奪われ、3人の仲間を集め「ロケット・ボーイズ」を結成する。しかし、そこは炭鉱の町。炭鉱の仕事に誇りを持つ父親と対立し、町の人達からも白い目で見られてしまう。
そんな彼らを理解し、サポートしてくれるライリー先生。そして、次第に町の人たちも協力してくれるようになり、多くの困難な問題を乗り越えて行く……。
ロケット・ボイーズの4人達にとっては、ロケットの打ち上げは、町を抜け出し炭鉱夫にならないための方法でもあった。つまり、映画の主題はロケットの打ち上げだが、そこには普遍的な親離れをして、自立していく過程が描かれている。
「遠い空の向こうに」のストーリーは単純だし、ありがちといえなくもない。よくある日常風景が繰り広げられる。しかし、なぜか、心を揺さぶられる。そんな作品だ。それは、やはり、実話に基づいていることや、監督が「ロケッティア」のジョー・ジョンストンで、絵作りが暖かく、派手ではないが雰囲気を盛り上げるサラウンド音声、約107分という絶妙な長さ。こういった、すべての面がこの映画を支えているからだろうか。
■ DVDとしてはどうか?
画質、音質ともに、現在のDVDの基準でいえば、飛びぬけて優れているとはいえない。標準は十分クリアしており、映像はスクイーズ収録、音声はオリジナル(英語)だけでなく、吹き替え(日本語)も5.1chで収録されており、仕様の面でも抜かりはない。サラウンド感も、音がぐるぐる回るような派手さはないが、ロケットの打ち上げシーンなどでは、しっかりその場の雰囲気を再現している。
DVDの楽しみの1つである特典は、メイキング・ドキュメンタリー(約10分)、オリジナル劇場予告編と、あまり多くはない。しかし、メイキングにはホーマー・ヒッカム・ジュニア本人が出演してその思いを語っており、必見である。
また、プロダクション・ノート、キャストとスタッフ紹介も収録されているが、こちらは英語のみなのが残念なところ。しかし、対訳ブックレットがパッケージに入っているので、内容を理解することには問題ない。
■ 邦題について
ちなみに、「遠い空の向こうに」の原題はOctober Skyである。これは、原作のタイトル「Rocket Boys」のアナグラムになっているという、心憎い演出がされている。邦題にも、こういった遊び心を活かして欲しかったところだ。
□ソニー・ピクチャーズエンタテインメントのホームページ
http://www.spe.co.jp/
□製品情報
http://www.spe.co.jp/Movie/dvd/200007/SUD-31163.html
(2001年2月23日)
[furukawa@impress.co.jp]
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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp