気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第11回:まだまだ続くMP3CDプレーヤー
発売日にゲットは基本です「TDK MOJO(モジョ)」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

パーフェクトな製品を求めて

 MP3CDプレーヤー、あれはいいものだ。これまで3つも買ってきたけれども、何より大量の曲が1枚のディスクに入るのが良い。しかし、これまでに買ってきた製品には不満点も多く、使用感は「パーフェクト」とは言えない。まあ、時期尚早であるとは理解しているけれども、やっぱ今、いいものが欲しいんだよねぇ。

 そこに登場したのがTDKの「MOJO(モジョ)」。今度はWMAには対応せず、MP3のみに対応する製品であるが、まあ、自分が持ってるデータのほとんどはMP3だし、問題ないでしょ。似たような製品ばかり持つのもナニかとは思うけど、「ここまで来たらとことんまで行きまっせ~」と開き直り、発売日の4月28日ゲットに向かった。


外観は……、ちょっと格好悪いかも

 いつもの通り池袋の量販店で製品を物色。しかし、店頭には見あたらない。店員さんにプリントアウトした製品情報を見せて、「今日、発売のはずなんですが」と聞いてみる。しかし、「あ~、ウチでは扱ってないです」と、調べるそぶりも見せずにお答えいただいた。ううむ、休日で忙しいのはわかるが、その対応はどうかと思うぞよ。

 パソコン関係を扱う別館に行ってみると、こちらにも店頭に製品はなかった。でも, 製品情報を見せてみると、「少々お待ちください」と在庫を確認して、「こちらですね」と製品を持ってきてくれた。なんだ、あるじゃないですか。で、おいくらですかね?

 値札は19,800円。うん、事前に確認した20,000円とほぼ同じってところですな。まあ、標準的なMP3CDプレーヤーってところでしょう。というわけで、無事ゲットして参りました。

 パッケージは段ボールで、少々大きめな印象。同梱品は、本体、リモコン、ステレオイヤフォン、ACアダプタ、単3型アルカリ電池×2本、リネームソフト「TDK Navitorack」収録のCD-ROM、そしてマニュアル、という内容。ついでに「MOJO/CD-MP1201をご購入のお客様へ」と題された注意書きが1点。

 これは同梱ソフト「TDK Navitorack」のインストール後、PCが起動できなくなる場合がある不具合を知らせるもので、同社のウェブサイトからランタイムライブラリのアップデートを要求する告知。う~ん、出荷に間に合わなかったのね。しかし、インターネット接続環境がない人にはどう対応するのだろう? かなり致命的な不具合なのに。

 本体の大きさは、前2機種と大差ない感じ。本体ケースが付属しないので、試しに「RioVolt」のケースに入れてみたところ、上部が少しはみ出す程度。まあ、カバンの中に入れれば気にならないサイズではある。しかし、改めてみると、この形は電車の中で取り出すにはちょっとためらわれるかも……。

外箱。本体に比べると大きい 同梱品。CDプレーヤーの基本は押さえてある 注意書き。修正が間に合わなかったと思われる


なかなかナイスなリモコン

 前2機種でもっとも不満の大きかったのがリモコン。持ちにくい形状だったり、操作関連のボタンが少なかったりで、どうにも満足できるものではなかったからねぇ。当然、今回も購入後に真っ先に確認した。

 形状は、ケンウッド「DCP-MP727」、ソニックブルー「RioVolt」に比べて持ちやすく、ボタンの配置も使いやすい、という印象。

 操作ボタンは、再生/一時停止と停止ボタンが上部に、レビュー/フォワードが中段、ホールドスイッチが下部、右側面にはジョグダイヤルがあるというレイアウト。ジョグダイヤルは通常時はボリュームの調整に使用し、1秒以上押し込むことでメニューモードの操作が可能になる。

 リモコンでのメニュー操作は、リモコンに液晶がないためかなり使いづらい。使いこなすにはメニューモードの配列を覚える必要があり、慣れるまでに時間がかかるだろう。また、「リモコンでメニューモードを終了したい場合は、ダイヤルを1秒以上押す」とマニュアルにはあるけれども、あれ? 戻りませんよ? まあ、時間がたてば自動的に通常モードに移行するからそれほど気にすることでもないけれど。

 リモコン操作の感覚は、かなり好印象。少なくとも前2機種よりは使い勝手が良い。再生、停止、レビュー/フォワードの操作はストレスなく行なえて、ジョグダイヤルによるボリュームの操作も、結構素速く反応して満足できるレベル。ただ、メニューの操作にはまだ慣れることができない。う~ん、こういう機能をつけるのならリモコンにも液晶をつけてくれればいいのに。

  
リモコン前面。下部のスイッチはホールド 側面。ジョグダイヤルと、イコライザ選択ボタン 背面。クリップは洗濯バサミタイプ


本体の操作感は「RioVolt」ライク

 本体で目立つのは、ELバックライトを備えた液晶部。ELの発するブルーの光は今までのグリーンとは違った印象で、視認性も高い。また、液晶の解像度が高いため、情報もすぐに読みとることができる。液晶のデキは、前2機種に比べるとずば抜けて良いと感じた。

 再生中に液晶に表示される情報は、曲名、アーティスト、再生時間といった基本的なものの他には、ビットレート、サンプリング周波数、全曲中の再生番号、ファイルネーム(FIF)/ID3タグの表示モードといった情報が並ぶ。

 また、メニューモードの操作もわかりやすい。設定項目は「Song Select」、「Repeat Mode」、「Equalizer」、「Bass」、「ESP」、「System」の6種類。

 「Song Select」は、いわゆるプログラム機能。「Repeat Mode」は、リピートモードの切替。「Equalizer」は、4種類のプリセットイコライザの切替。「Bass」は低音強調機能のON/OFF。「ESP」はCDの音飛び防止機能のON/OFF(MP3は常にON)。「System」は、システム設定で、バックライトのON/OFFや曲名の表示方式(ファイルネーム/ID3)の切替などの設定、となっている。

 本体のボタンの配列も、ボリュームボタン、レビュー/フォワードボタンが十字状になっていて、メニュー選択時にはカーソルボタンとして機能する。操作感は「RioVolt」と似ていて、かなり良好。液晶の視認性も良いため、「RioVolt」よりも使いやすいと感じた。

本体。カーソルボタンの操作性は良好 「LOADING」中の液晶部。解像度は高い


プログラム機能はピカイチの使い勝手

 注目すべきは「Song Select」(プログラム機能)の操作性。とても使いやすく、しかも設定した情報をプレイリストとして保存してくれるのである。

 選曲メニューは、タイトル、アーティスト、ジャンル、ディレクトリの選択項目があり、それぞれの項目では、項目にあった曲情報がソートして表示されている(表示/ソート基準はファイルネーム)。

 好みの項目に移動し、選択したい曲上で「ENTER」ボタンを押すと選択終了。プレイリストに登録される。この調子でプレイリストに登録していけば、好みの曲順で「自分だけのアルバム」を編集することができる。この情報は電源を切っても保存され、3枚までの情報を保持してくれるのである。

 大量のMP3データを持ち歩けるMP3CDプレーヤーに、あるべき機能がようやくついた、という感じ。このプレイリスト機能はかなり使えますよ。

 
再生中の画面。タイトル/アーティストなどを表示 メニュー画面。「Song Select」がプログラム機能 「Song Select」ではこのような項目から選べる


ファイルネームのリネームは面倒かも

 「MOJO」のリリースを見たときに前面に押しだされていたのが、ファイルネームをリネームして検索性を高めるという「FIF」形式。パッケージにはそのリネームソフト「TDK Navitorack」が同梱されている。対応OSはWindows 98/Me/2000。

 しかし、ソフトは完全な英語版。まあ、プレーヤーも日本語表示には対応していないし、操作自体も簡単なので特に日本語表示の必要性は感じないけれども、「手抜き」な印象は拭えない。「多分、OEM元が作ったソフトをそのまま使ってるんだろうなぁ」などと想像してしまう。  ソフトの機能は、MP3ファイルのID3タグ情報をもとに、「アーティスト→タイトル→ジャンル」という順番に並べてリネームする、と非常に単純なもの。ただ、一括してリネームできるのは便利。

 プレーヤー本体ではID3タグも表示できるが、先にも触れたように「Song Select」画面ではファイルネームが基本なため、こちらに統一した方がよさそうだ。

 FIFはPCのHDDに大量のMP3データを保存していて、外で聞くために改めてCDに焼く、というユースであれば非常に有効だと思う。しかし、自分の場合、お気に入りの曲以外は、HDDの容量軽減目的ですでにCDに焼いてあるものがほとんど。MP3CDプレーヤーは、この「バックアップCDが気軽に使える」という部分にも魅力を感じているので、いちいちPCに戻してリネームして、再度焼く、などとという作業は面倒。っていうかやらねーッス、そんなこと。

 結局、この機能は「自分はそんなに使わない」ということで落ち着きそう。これまで焼いたCDは、ディレクトリ単位でアーティストやアルバムを保存。ファイルネームもタイトルで統一しているので、本体でのプレイリスト編集もさほどの面倒を感じないと思う。

同梱のCD-ROMからインストール 「TDK Navitorack」画面。操作は簡単に行なえる


音は心地よく聞けて、再生時間も及第点

 まあ、独自機能は使えるものがあったり、使えないものもあったりでナニですが、肝心なのは実際の使い勝手でしょう。というわけで、カバンに詰めていざ耐久プレイ。「MOJO」はTDKのリリースによると充電池には対応しないため、単3型アルカリ電池でトライした。ちなみに、ケンウッドのニッケル水素充電池「NB-160」で駆動する事は確認したが、連続再生テストはしていない。

 再生ボタンを押してから、音が出るまでの時間は74分のCD-Rメディアで15秒ほど。前2機種に比べるとかなり早く感じるが、それでもまだまだタイムラグが気になる。「MOJO」もディスクを止めてメモリから再生するタイプなので、曲間では読み込み時のタイムラグがあるのだけれども、こちらは3秒ほどで、前2機種と同等。早送り/巻き戻しは、スキップのみでサーチは不可能。う~ん、これはかなりマイナスだなぁ。

 音質は、ケンウッド「DCP-MP727」と同傾向で中音域がなめらかに聞ける、という印象。最大音量も「DCP-MP727」と同等で、室内でフルボリュームにすると耳が痛くなるほど。付属のステレオイヤフォンも結構いい音をならしてくれるし、最近お気に入りのヘッドフォン、KOSSの「PORTA PRO」ではMP3圧縮で「やせた」印象を多少受けるものの、解像度はかなり高い。

 3時間ほど歩きながらリスニングしたが、音飛びは1回のみ確認。メモリ容量が8分と大きく、大抵の楽曲はメモリ内で再生できるので、曲の頭で大きな衝撃を与えなければ音飛びは起きないと思われる。

 その後、オールリピートモードで連続再生テスト。歩きながらの3時間ではスキップを多用していたが、ここからは「放置プレイ」で試したところ……、約5時間30分後にバッテリ切れとなった。カタログスペックでは「連続再生時間約10時間」となっていたので、まあ、順当なレベル。通勤/通学でのユースならば、大体1週間は電池交換なしでいけるでしょう。

リスニングに使用したヘッドフォン「KOSS PORTA PRO」


メディアには要注意? 高い確率で認識しない場合

 MP3CDプレーヤーとしての使い勝手は、「RioVolt」ライクな操作感と、「DCP-MP727」に通じるなめらかな音質で、双方の良い点を取った、という印象。悔やまれるのはリモコンに液晶がないことと、プレイ中の早送り/巻き戻しができないことくらい。別売でもいいから液晶リモコン出して欲しいッス。5,000円くらいまでならマジ買います。

 しかし、問題点はこれ以前の段階にありました。重大なことをうち明けます。80分メディアとRWメディア、認識しません! いや、正確には「認識しないことの方が多い」ですな。ほかのプレーヤーで読めているメディアでも、認識する確率は1/5といった感じ。再生ボタンを押して、20秒ほど「LOADING」の画面が出た後、「NO DISC」の状態になってしまうことが多い。また、認識できるときも、「LODING」時間が74分メディアより長く、30秒近くかかってしまう。

 ただ、この症状は購入後、1日程度経過してから出てきたもの。購入時はちゃんと読めてました。う~ん、故障したのかなぁ? 確認するべく、ユーザーサポートへ電話してみる。

 ……しかし、ゴールデンウィーク期間中でお休みでした。というわけで、その後の経過は次週以降に「アイテム道」で触れたいと思います。来週の月曜になればサポートも開いてるでしょう。

□TDKのホームページ
http://www.tdk.co.jp/
□製品情報
http://www.tdk.co.jp/tjbbh01/bbh20000.htm

(2001年5月1日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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