会場は去年と同じく、Las Vegas Convention CenterとSands Expo Centerの2カ所に分かれている。今年はさらにLas Vegas Convention Centerに新しくSouth Hallが誕生したため、去年よりもトータルで1.5倍ほど展示規模が拡張していることになる。地図を見る限りでは、South Hallはなかなかの強者が揃っているようだ。詳しくは今後のレポートを楽しみにしていただきたい。
NABは基本的にNTSC機材のショーなのであるが、世界的に見るとNTSCというフォーマットは、実は少数派。地球レベルでは、圧倒的にPAL圏の国が多いのである。しかしそれでもこれだけ放送の分野で幅をきかせてきたのは、やはりメディア大国アメリカの存在が大きい。また同時に放送機器メーカーが日米に集中しているということも考慮に入れていいだろう。 しかし最近では、従来のNTSCだPALだといった放送フォーマットに関係のない技術も多く出現するようになった。例えばストリーミングやHDTVといった技術は、従来のNTSCやPALといったカテゴリーでは分けることができない。またコンピュータを使ったビデオ用機材は、NTSCにもPALにも転用しやすい。したがって出展企業も来場者も、ヨーロッパや中東、中東南アジアなどのPAL圏から幅広く集まるようになり、よりいっそうインターナショナル色が強くなっている。 本日こちらは日曜日で、例年ならば明日から始まるショーへ向けての準備があちこちで進められている風景が見られたものだ。しかし今年は日曜日の段階でほとんどの準備がすでに完了しており、そのせいかメイン会場となるLas Vegas Convention Centerも、いつもよりややテンションが低く思えた。
一般的にアメリカ人は土日は休むものだ、というイメージが我々にはある。日本でも外資系企業は、きちんと土日休みにしているところが多い。しかしアメリカ人にとっても、NAB期間中は例外中の例外だ。日曜日の今日も、日中のカンファレンスが終わったあとに、ホテルのミーティングルームでメーカーによるユーザーミーティングや、プライベートショーなどが精力的に開催された。サンドイッチとソフトドリンクで腹ごしらえをしながら、夜遅くまで新技術や新バージョンの発表などが繰り広げられている。 今回はホテル「シーザーズパレス」で行なわれた、Discreet社のユーザーミーティングに参加した。およそ1,000人ほどのホールはほぼ満席で、後ろの方には立ち見がでるほどの人気ぶり。ベータバージョンのデモンストレーションでソフトウェアがダウンするといったハプニングにも、参加者は笑いと拍手で歓迎するなど、アットホームな雰囲気ながらも熱心に新技術の発表に耳を傾ける姿が印象的であった。 ある意味アメリカも今、経済面と技術面でターニングポイントを迎えつつある。そこにはかつての「発明と特許の国」たる奢りはみじんもなく、恐るべきパワーで突破口を切り開こうとする姿なのかもしれない。 さて例年のことであるが、NABでは多くの出展企業が話題作りのために、今まで極秘で開発を進めてきたいわゆる「隠し球」を持って出展してくる。今回はいったいどんな目玉が飛び出すだろうか。今年もNABから目が離せない。
□NAB2002のホームページ (2002年4月8日)
[Reported by 小寺信良] |
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