気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】

第76回:DVDプレーヤー/5.1chシステムのセットで激安
グリーンハウス「GH-DVT8000-S」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

この価格でスピーカーもDVDプレーヤーも?

 うーん、DTSですか。最近購入するDVDタイトルはいわゆる「大作ハリウッドモノ」は少なく、かなーりマイナー入ってる映画が多いので、現在のところ、DTSどころか5.1chドルビーデジタル音声が入っているものは少ないというのが我が家の状況であります。

 で、我が家のシアターシステム環境を見渡してみると、テレビでのDVD視聴時は2chのドルビーデジタルしか再生環境がありません。「大作ハリウッドモノ」を5.1chで視聴したいときは、PCに接続されている「Inspire 5.1 5300」を使って、PC上で鑑賞しております。

 が、やっぱりテレビの方にも5.1ch環境が欲しいなーとは考えておりました。しかし、一度は導入したものの、部屋のレイアウトなどの都合で撤去したことを考えると、かなりコンパクトなシステムでないと導入は難しい感じ。それに予算の問題も……。うーん、どうすっかなー、と思っていたところ、よさそうな製品が発売されました。それがグリーンハウスのDVDプレーヤー/5.1chスピーカーセット「GH-DVT8000-S」でございます。

 このシステム、驚きなのはその価格。DVDプレーヤー、アンプを含む5.1chスピーカーシステムをセットして、なんと24,800円。うーむ、これが5.1chスピーカーシステムだけならば納得できる価格ですが、なんとDVDプレーヤーまで付いているんですよ?

 しかも、同梱のDVDプレーヤーの方がなかなかの高機能。ドルビーデジタルに加え、なんとDTSデコーダまで内蔵。もちろん、5.1ch出力端子も搭載しております。ついでに、最近のトレンドになっているMP3再生機能も搭載。それでいて、外観はなかなかコンパクトそう。ま、ディスク挿入機構が手動オープンのドアだったりするあたりが安さの秘密らしいですが、これはこれでいいんじゃないでしょうかねー?

 しかも、仕様の再生メディア表には、「DVD-Audio」まで書いてあるではありませんか。この価格でアリ? かなーり眉唾モノではありますが、期待してみたいのも事実。

 発売日は8月10日。だったのですが、当日池袋と秋葉原の店舗を回ってみても販売は確認できず。リベンジとばかりに翌週の17日に回ってみたところ、おー、発見しましたよー。販売を確認できたのは1店舗だけですが、ちゃんと売ってました。販売価格は標準価格と同じ24,800円。うーん、このお店は値引き販売してるところなのに、標準価格での販売ってのは頑張って設定した標準価格なんでしょうなー。それでもこの価格は驚異的。もちろんゲットしましたとも。

 で、問題はお持ち帰り方法。梱包はドノーマルな茶色のダンボール箱でありますが、コンパクトと想像されるDVDプレーヤーと比較すると意外とデカイんですわ。大体70×60×60cmって所でしょうか。梱包重量は約11kg。

 うーん、ハンドキャリーできないサイズではないけど、配送にするとなー、とか思いながらレジに並んでると、店員さんが「じゃ、持てるように取手つけてきます」と声をかけてきたので、思わず「お願いします」と返してしまいました。ハンドキャリー決定。えー、まあ、無事に電車で持ち帰れましたよ。非常に目立ちはしましたが。


セットだけにかなり豪華な同梱物

 ということで、内容物の確認を。同梱品の内容は、総合セットだけあってなかなか豊富。まず、DVDプレーヤー×1、DVDプレーヤー用ACアダプタ×1、DVDプレーヤー用リモコン×1、単4型乾電池×2本。こちらがDVDプレーヤー用。

 スピーカーは、フロント、サラウンド、センター用のサテライトスピーカーが5個、サブウーファ×1となってます。これはまあ、当然ですな。で、アンプからは電源ケーブルが直接延びているので、ACアダプタはなし。それ以外はアンプ用のリモコン×1と、リモコン用単3型乾電池×2がアンプ用の梱包物。それにしても、電池は単4か単3かに統一できなかったものなのでしょうか?

 ケーブル類は、アンプとデコーダ内蔵のDVDプレーヤーを接続するため、フロント/サラウンド用のステレオミニプラグ→ステレオRCAケーブル×2本、センター、サブウーファ用のミニプラグ→RCAケーブル×2本とコンポジットケーブルが付属。同梱品は以上となっております。

 では、DVDプレーヤーの外観のチェックをば。外形寸法は245×174×70mm、重量1.1kgとかなりコンパクトで、ポータブルといっても差し支えないサイズ。電源もACアダプタですから、持運ぶ際にも問題ないでしょう。

 質感的には、なんというか、価格相応。プラスチック製で多少おもちゃ感が漂います。ここで背面に目を移してみると、出力端子群が配置されておりました。出力端子はS映像×1、コンポジット×1、同軸デジタル×1と、標準的なもののほかには、アナログ5.1ch出力端子を搭載。しかし、この5.1ch出力、端子はすべてミニプラグ形状。フロント、サラウンドと、センター、サブウーファの計4つとなっております。うーん、コンパクトなボディだから仕方ないけどさ、せめてフロントだけはRCAにしてほしかったかも。せっかく持運べるサイズなのに、これでは出先で接続しにくいッス。

 で、背面にはなかった電源入力端子はというと、なぜか左側面にACアダプタ入力端子とDC出力端子を配置。そういえば広報写真は右斜め上から撮ったものしかなかったな……。けれども本体がコンパクトなので、ケーブルの取り回しは問題ありませんでした。

 ちなみに、DC出力は、オプションのDCケーブルで別の機器へ電源供給するためのもの、との解説がありましたが、DC接続ケーブルの店頭販売は確認できませんでした。よって詳細は不明。ですが、ホームユースで使うことはないかと。

 アンプは格安系のスピーカーセットにしてはめずらしく、サブウーファのアンプまで内蔵。入力端子はDVDプレーヤーからの5.1ch出力に対応するRCA×6の入力端子を装備。デコーダはまったく搭載しておらず、完全なアナログアンプです。が、電源コードは直出しコンセントプラグだし、外形寸法116×240×245mm(幅×奥行き×高さ)、重量2.3kgと縦型形状で設置面積が少ないのもメリットですな。

 アンプを内蔵しないこともあって、サブウーファは外形寸法140×271×140mm(幅×奥行き×高さ)、重量2.4kgと結構コンパクト。まあ、鳴りの方はどうなのかわかりませんが。

 フロント/サラウンド/センターのサテライトスピーカーは、ケーブルは直出しで、接続端子はRCA形状となっとります。外形寸法が74×105×185mm(幅×奥行き×高さ)、重量0.5kgと結構背が高め。背面にはフック穴が設けられていますが、バランスを取るには壁掛け、据え置きとも設置面がしっかりしている必要があると思われます。うーん、カオスな我が家ではテレビ周りには設置場所を確保できそうにないかも……。うーん、とりあえずDVDプレーヤーの5.1ch出力に「Inspire」つないで聞いてみるかなー。セッティングがラクだし。

 
DVD関連の同梱品。プレーヤーのほかは、ACアダプタとリモコン アンプ用の同梱品。電源コードは直出しなので取り回しは良好 同梱のケーブル類。アンプとの接続ケーブル以外はコンポジットケーブルのみ

サテライトスピーカー。形状は5個とも同じだが、サラウンド用はケーブル長が長い サテライトスピーカー背面。壁掛け用のフック穴も装備 サブウーファ正面。バスレフポートはこちら側

アンプ部正面。各種ボリュームとインジケーターのみのシンプル構成 アンプ部背面。入出力端子はRCAが基本。ミニプラグからRCAへの変換は付属ケーブルの接続で

プレーヤードアオープン状態。ピックアップ部が丸見えのトップローディング方式 DVDプレーヤー背面端子部。5.1ch出力が色分けされているのはいいけど、フロントくらいはRCAにして欲しいかも 電源入力端子はなぜかプレーヤー左側面に。けれども小型なので取り回しに問題は感じません


高機能なDVDプレーヤー、価格なりのスピーカー

 DVDプレーヤーは、思っていた以上に高機能。リモコンの表記は日本語だし、OSDの表示もちゃんと日本語。少なくとも香港から来たZENIXの「Z-2000」よりは日本語環境にフレンドリーです。ただ、MP3再生時の表示は英語オンリーでしたが。うーん、DVDプレーヤーのMP3再生機能で漢字表示対応のものがあったら便利だと思うんだけどなー。

 リモコンの操作性もかなり高く、基本操作ボタンが他の製品に比べて小さめな代わりに、アングル、音声切り替えなどのボタンが大きめで、別トラックに切り替えたい時には重宝しました。かといって基本操作ボタンや10キーが押しにくいわけでなく、基本操作にも問題は感じません。ちなみに、受光範囲は左右30度で、7mまでとなっておりますが、3m程度の近距離ならば45度くらいまでは受信してくれる様子。操作性は問題ないと思います。

 MP3再生機能は、漢字表示ができないことを無視できればなかなか使える感じです。まず、画面表示が使いやすい。「SMART NAVI」と名づけられたファイル管理画面は、左にフォルダを、右にファイルを表示して、ファイルの選択はカーソルキーで移動して、決定ボタンを押すだけ。とはいえ、表示されるのは半角英数で10文字までとか、まだまだ改良の余地はある感じですが。

 そして、DVDプレーヤーのMP3再生機能では意外と忘れられがちなリピート、ランダムモードがかなり豊富。トラック、オール、ランダムなどのCDでもできるもののほかにも、フォルダリピート、フォルダ内のランダム再生が可能。ディスク内の曲の冒頭10秒だけを再生する「ディスクスキャン」モードも備えています。

 さらにマニアックなのが、オーディオ関連の設定。5.1chスピーカーとのセットですが、ダウンミックスの設定もできるので出先での使用も問題なし。さらに、センター、リア、サブウーファのON/OFF設定や、センター、リアのディレイも設定可能。設置に無理がある場合にはこれで調節できるかと。ちなみに、アンプはフロント、サラウンド、センター、サブウーファの出力の調節は可能ですが、機能としてはそれだけ。どうもDVDプレーヤーをコントロールセンターとするシステムと考えた方がよさそうです。

 そのほかにもダイナミックレンジ圧縮や、テスト信号の発信、ドルビープロロジックソースのON/OFF切り替えなど、通常はAVアンプが持っているような設定項目がアリ。うーん、DVDのリモコンで大抵のことは設定できるから、これはこれで使いやすいシステムになっていると思います。

 で、画質はというと、うん、いいんじゃないでしょうか。ウチの14型テレビ、ソニー「KV-14AF1」で、S映像入力を見る限りは輪郭のジャギー感も少なく、色の再現に問題を感じることもなし。映画ソース、ビデオソースともにノーマルDVDプレーヤーとしての特性はいたって普通。トリックプレイもスロー、3倍までの拡大表示など標準的な構成。スクリーンセーバーも付いてます。DVDビデオをのんびりと見るだけならば、必要十分なプレーヤーだと感じました。

 さて、眉唾モノながら再生可能となっていたDVDオーディオ。DVDオーディオソフト「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を再生してみたところ、他のDVDビデオプレーヤーと同じく、ドルビーデジタルトラックが再生されました。DVDオーディオはやはり再生できなかったとですよ。まあ、価格を考えれば当然ですな。「DVDオーディオ」というのはおそらくDVDビデオの音楽ソフトのことを指していたんでしょう。もしくはDVDオーディオのドルビーデジタルトラック。確かに再生可能でしたから。

 ただ、価格的には仕方のない選択だったとはいえ、トップローディング方式はちょっと危険です。実はロック機構などは特になく、再生中でも開閉可能。DVDの回転速度はCDよりも速いので、うかつにドアを開けたりするとものすごいスピードで回っているディスクと遭遇することに。回転を止めるブレーキも利きがイマイチな感じで、回転が止まるのを待つしかないのがなんとも。

 けれども、機能的には非常に満足のDVDプレーヤー。AVアンプ的な使い方もできるので、各チャンネルの設定が行なえず、マスターボリュームのワイヤードリモコンがあるだけの「Inspire」でもある程度満足のできる設定ができました。

 で、セットのスピーカー、アンプはというと、うーん、価格相応という感じ。テレビの音声よりはいい感じですが、「Inspire」と比べてもトントン。サブウーファの迫力が少々物足りないというレベルでしょうか。とは言いつつも、サブウーファによる低音の迫力は感じられるし、サラウンド感は今まで試した5.1chスピーカーとまったく同じ。ただ、「U-571」でDTSとドルビーデジタルトラック両方を聞き比べてみたところ、両者の音質の違いはあまり……というかほとんど感じられませんでしたねー。あくまで「DTSトラックも再生できるシステム」と考えた方がよろしいかと。

 アンプもフロント/サラウンド/センター/サブウーファの調節が独立して可能なのは良いのですが、機能としてはそれだけ。ただ、リモコンはワイヤレス。どうせならDVDプレーヤーのリモコンと一体化してほしいと思いますが、価格を考えると頑張っているかと。

OSD表示はすべて日本語。解像度も比較的高く、読みやすい MP3再生画面。左がフォルダ、右がファイル、下が再生モード オーディオ関連の設定画面。AVアンプのような設定が行える


格安ながら実力十分なシステム

 DVDプレーヤーは、本体の小型化のためか、音声出力がミニプラグ形状だったり、ACアダプタの入力端子が側面にあったりで、他のプレーヤーと比べると使いにくい面もありますが、センター/サブウーファの出力端子は独立していて、ステレオミニプラグケーブルでL/Rの逆位相に悩むことはないし、同梱のアンプにも色に合わせて接続するだけ。システムとしてのセッティングは簡単です。

 アンプの方も、各チャンネルのボリュームは独立して調節可能ですし、アンプ部は縦置きで、サブウーファのアンプまで内蔵している割には比較的小型。設置スペースの面でもなかなかよろしいかと。

 ただ、現状を見渡してみると、DVDプレーヤーもかなり普及していますし、5.1chスピーカーシステムも興味のある人はすでに導入を済ませている事が多いかと。このクラスの製品で身銭を切る場合、DVDプレーヤーの新機種が欲しいというニーズか、安い5.1chスピーカーシステムが欲しいというニーズか、どちらか一方であることが多いんじゃないですかねー?

 つまり、「総合シアターシステム」のニーズはそれほど多くないわけで。DVDプレーヤーはかなりコンパクトで、しかもDTSデコーダと5.1ch出力まで内蔵した高機能型。対してアンプ/スピーカーはかなりオーソドックスな構成。音質的にも「テレビのスピーカーよりはいい」、という感じ。サブウーファはコンパクトで、全アンプを1ユニットに内蔵しているというメリットはありますが、フロント/サラウンド/センタースピーカーは特別小型でもないわけで。

 アンプは付属以外のスピーカー、例えば昔使っていたミニコンポのあまりなどに付け替えられるよう、バネ式ターミナルにしてもらえるとより使いでがあったかと思います。ま、RCA接続のスピーカーも結構ありますが、アンプとのセットが多く、単体販売していることは少ないからなー、選択肢としてはあまり考えられないでしょう。

 個人的にはこのDVDプレーヤー単体での販売もやってもらえると良かったかなー、と思います。しかし、この価格ですべてのシステムが揃えられるのは魅力。少なくともDVDプレーヤーは有名メーカー製の製品と比べても機能は遜色はないレベル(耐久性はまだなんともいえませんが)。コストパフォーマンスは非常に高い製品と断言できます。

 読者の方はDVDプレーヤーも5.1chスピーカーも導入済みの方が多いと思いますが、低価格ですべてのシステムを、というニーズ以外にも、例えばリビング以外の部屋でも5.1chで映画を楽しみたいとか、5.1chサラウンドの素晴らしさを教えたい親しい人へのプレゼントなどというニーズもあるわけで。で、この価格でこの機能。使える製品だと思います。

□グリーンハウスのホームページ
http://www.green-house.co.jp/
□製品情報
http://www.green-house.co.jp/products/dvd/body_dvt8000s.html
□関連記事
【6月13日】グリーンハウス、24,800円のDVDホームシアターセット
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020613/green.htm

(2002年8月21日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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