■ マイコンソフトの新製品 「XSELECT-D4」は、D端子やコンポーネント端子を持つ機器を最大5台まで接続でき、D4、D-Sub15ピン出力が可能なAVセレクタ。D端子のみならず、D-Sub15ピンアナログRGB入出力やD-Sub21ピン RGB入力も装備。D2以上の入力信号であれば、RGB信号としても出力できる。例えば、D端子セレクタとして利用しながら、PS2やXboxの480p対応ゲームの映像をPCディスプレイに表示することが出来る。 特に複数のゲームプラット機を持っている人などは、テレビの入力端子が足りなくなりがち。また、普段はゲームはテレビでやるが、家族がテレビ見ているときはPCディスプレイでプレイする、といったさまざまな応用例も考えられる。地味だが、ほしい人にとっては待望の製品といえそう。価格も、多機能ながら19,800円と比較的低価格だ。 ■ 無骨なデザインと数多くの入出力端子を装備
本体は、292×130×49mm(幅×奥行き×高さ)という外形寸法の割にはやや軽く640g。質感はプラスチッキーだが、業務機的な無骨なデザインはなかなかシブイ。前面にINPUT 1-5までの切り替えボタンと、メニュー設定ボタン、D3までの入力に対応したINPUT4、21ピンRGBマルチ端子のINPUT5を備えている。 また、背面にはD4/コンポーネント入力のINPUT1/2、D4/RGB入力のINPUT3、D4/RGB出力のOUTPUTを装備する。それぞれの入出力端子には、音声入力/出力を装備している。 セレクタ機能に加え、映像変換機能も装備しているのが特徴。入力されたD2/D3/D4映像を、D-Sub15ピンのアナログRGB映像に変換できるほか、21ピンRGBマルチをD1に変換することも可能。リモコンのほか、コンポーネント/RGB変換ケーブルや、オーディオケーブル、D端子ケーブルも付属する。
■ 優秀なD端子セレクタ。RGB変換は画質は良好も暗部の再現性にやや難
基本的にはとにかく機器をつないで、切り替えて出力するだけのデバイスなので、別段設定することもほとんど無い。ただ、メニュー出力画面がD1モード/D2モードと用意されているので、D2対応テレビのユーザーはあらかじめD2モードに設定しておく必要がある。
メニューでは、Yゲインや、PBゲイン、PRゲインなどの詳細なゲイン設定や、アスペクト設定、INPUT3(D-Sub15ピン/D4)用の同期信号選択が行なえる。設定は付属のリモコンのほか、本体前面のボタンでも変更可能。リモコンはメニューボタンや入力選択ボタンなどからなるシンプルなものだ。 入出力の組み合わせは以下の通り。
・D端子、コンポーネントセレクタ まずは普通にD端子のセレクタとして、三菱の28型CRTテレビ「28W-WR1」を利用して、DIGA「DMR-E100H」でDVDの再生映像を比較視聴した。「XSELECT-D4」を通した映像を見ても、ほとんど劣化は感じられず、E100Hとテレビを直接接続した映像と判別がつかない。セレクタとしての基本性能の高さが確認できた。 ・D端子/アナログRGB変換 続いて、「DMR-100H」の480pの出力映像をX-SELECTを介して、三菱の17インチCRTディスプレイ「RDF171S」に出力。画質的には、テレビと比べるとやや色抜けの悪さが感じられ、暗部が黒くつぶれてしまう傾向があるが、まずまずのクオリティ。ディスプレイの明るさを最大値にしても、ディスプレイ側の問題もあるかと思うが、暗部の多いDVDでは黒つぶれが気になってしまう。 なお、ロジテックのD端子-RBGコンバータ「LDC-RGB1」で現れていた、コピーガード信号と思しき白い線は、かなり目立たない。DVDプレーヤー側をアスペクト比16:9出力に設定して、4:3のディスプレイ側で縦方向に圧縮して表示させた場合でも、さほど気にならない。 また、Xboxのコンポーネント出力を利用して480p対応のゲームソフト「デッド オア アライブ 3」を表示してみた。こちらも同一傾向で、大きな破綻はないが、やや暗部の黒つぶれが気になった。 ・RBG(21ピン)-D1変換
INPUT5を利用。21ピンRGBマルチ出力を持つ家庭用ゲーム機の映像をD1に変換して出力する機能。最近では、21ピンRGBマルチ出力を標準で持つゲーム機は、ほとんど無いが、多くのゲーム機を持つユーザーにはうれしい機能だろう。 ・VGA(31kHz)-スルー出力 INPUT3のRGB端子に入力された家庭用ゲーム機のVGA映像を、RGB出力端子からスルー出力し、PCディスプレイに表示する機能。VGA端子のついたゲーム機を使っている人が何人いるのかは疑問だが、あるとうれしい人もそれなりにはいるのだろう。マイコンソフトらしいマニアックな仕様だ。 なお、PC画面のスルー出力には使えない。同社によれば「この機能は家庭用ゲーム機の15ピンアナログRGB信号のみに対応。正しく出力できるのは640×480ドットの信号」となっており、実際1,024×768ドット出力などは表示してくれない。 ■ 仕様を見て欲しくなったら買い マニアックな機能の豊富な「XSELECT-D4」だが、セレクタとしての性能は満足のいくもの。D端子-RGBコンバータとしても利用可能で、しかも価格は19,800円とお手ごろ。単機能なD端子-RGBコンバータのロジテック「LDC-RGB1」は定価で3万円、実売でも2万円後半ということを考えれば、お買い得感はかなり高いといえそう。アナログRGB21ピン端子の装備など、マイコンソフトらしいマニアックな仕様も、特定の人にとってはかなり重宝するだろう。 単なるD端子/コンポーネントセレクタは、最近のAVアンプのユーザーであれば代用可能だが、 ゲーム機やハイブリッドレコーダ、BSデジタルとD端子が増え続けている現在、D端子入力が足りないという人も多いだろう。さらにXSELECT-D4には、強力な付加価値があり価格もそれほど高くはない。機能が気に入った人には、即買いな製品といえるだろう。 ■ 分解してみた
□マイコンソフトのホームページ (2003年8月1日)
[usuda@impress.co.jp]
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