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D端子セレクタ + コンポーネント/RGBコンバータ
マイコンソフト 「XSELECT-D4」
発売日:7月中旬
標準価格:19,800円


■ マイコンソフトの新製品

 「XSELECT-D4」は、D端子やコンポーネント端子を持つ機器を最大5台まで接続でき、D4、D-Sub15ピン出力が可能なAVセレクタ。D端子のみならず、D-Sub15ピンアナログRGB入出力やD-Sub21ピン RGB入力も装備。D2以上の入力信号であれば、RGB信号としても出力できる。例えば、D端子セレクタとして利用しながら、PS2やXboxの480p対応ゲームの映像をPCディスプレイに表示することが出来る。

 特に複数のゲームプラット機を持っている人などは、テレビの入力端子が足りなくなりがち。また、普段はゲームはテレビでやるが、家族がテレビ見ているときはPCディスプレイでプレイする、といったさまざまな応用例も考えられる。地味だが、ほしい人にとっては待望の製品といえそう。価格も、多機能ながら19,800円と比較的低価格だ。


■ 無骨なデザインと数多くの入出力端子を装備

パッケージ

 本体は、292×130×49mm(幅×奥行き×高さ)という外形寸法の割にはやや軽く640g。質感はプラスチッキーだが、業務機的な無骨なデザインはなかなかシブイ。前面にINPUT 1-5までの切り替えボタンと、メニュー設定ボタン、D3までの入力に対応したINPUT4、21ピンRGBマルチ端子のINPUT5を備えている。

 また、背面にはD4/コンポーネント入力のINPUT1/2、D4/RGB入力のINPUT3、D4/RGB出力のOUTPUTを装備する。それぞれの入出力端子には、音声入力/出力を装備している。

 セレクタ機能に加え、映像変換機能も装備しているのが特徴。入力されたD2/D3/D4映像を、D-Sub15ピンのアナログRGB映像に変換できるほか、21ピンRGBマルチをD1に変換することも可能。リモコンのほか、コンポーネント/RGB変換ケーブルや、オーディオケーブル、D端子ケーブルも付属する。


本体前面。5つの入力切替ボタンやMENUボタン、INPUT4/INPUT5を装備 本体背面。INPUT1~3とOUTPUTを備えている 側面

同梱品 ACアダプタ リモコン



■ 優秀なD端子セレクタ。RGB変換は画質は良好も暗部の再現性にやや難

メニュー

 基本的にはとにかく機器をつないで、切り替えて出力するだけのデバイスなので、別段設定することもほとんど無い。ただ、メニュー出力画面がD1モード/D2モードと用意されているので、D2対応テレビのユーザーはあらかじめD2モードに設定しておく必要がある。

 メニューでは、Yゲインや、PBゲイン、PRゲインなどの詳細なゲイン設定や、アスペクト設定、INPUT3(D-Sub15ピン/D4)用の同期信号選択が行なえる。設定は付属のリモコンのほか、本体前面のボタンでも変更可能。リモコンはメニューボタンや入力選択ボタンなどからなるシンプルなものだ。

 入出力の組み合わせは以下の通り。

入力 入力の信号方式 出力側の端子での動作
D出力 RGB出力
INPUT 1
(D4/コンポーネント)
D入力/コンポーネント入力 出力可能

出力可能
(入力がD2、D3、D4時)

INPUT 2
(D4/コンポーネント)
INPUT 3
(D4/D-Sub15ピン)
D入力 出力可能
RGB入力
(VGA入力)
アナログRGB信号で
セパレート同期信号のRGB映像
保証外 スルー出力
INPUT 4
(D3)
D入力 出力可能 出力可能
(入力がD2、D3時)
INPUT 5
(21ピンアナログRGB
/コンポーネント)
RGB入力
複合同期信号(Csync)で
水平同期周波数が
15kHzのアナログRGB信号
D1で出力可能 未対応
コンポーネント 出力可能 出力可能
(入力が480p、1080i時)

・D端子、コンポーネントセレクタ

 まずは普通にD端子のセレクタとして、三菱の28型CRTテレビ「28W-WR1」を利用して、DIGA「DMR-E100H」でDVDの再生映像を比較視聴した。「XSELECT-D4」を通した映像を見ても、ほとんど劣化は感じられず、E100Hとテレビを直接接続した映像と判別がつかない。セレクタとしての基本性能の高さが確認できた。

・D端子/アナログRGB変換

 続いて、「DMR-100H」の480pの出力映像をX-SELECTを介して、三菱の17インチCRTディスプレイ「RDF171S」に出力。画質的には、テレビと比べるとやや色抜けの悪さが感じられ、暗部が黒くつぶれてしまう傾向があるが、まずまずのクオリティ。ディスプレイの明るさを最大値にしても、ディスプレイ側の問題もあるかと思うが、暗部の多いDVDでは黒つぶれが気になってしまう。

 なお、ロジテックのD端子-RBGコンバータ「LDC-RGB1」で現れていた、コピーガード信号と思しき白い線は、かなり目立たない。DVDプレーヤー側をアスペクト比16:9出力に設定して、4:3のディスプレイ側で縦方向に圧縮して表示させた場合でも、さほど気にならない。

 また、Xboxのコンポーネント出力を利用して480p対応のゲームソフト「デッド オア アライブ 3」を表示してみた。こちらも同一傾向で、大きな破綻はないが、やや暗部の黒つぶれが気になった。

・RBG(21ピン)-D1変換

コンポーネント-RGB変換ケーブル

 INPUT5を利用。21ピンRGBマルチ出力を持つ家庭用ゲーム機の映像をD1に変換して出力する機能。最近では、21ピンRGBマルチ出力を標準で持つゲーム機は、ほとんど無いが、多くのゲーム機を持つユーザーにはうれしい機能だろう。

・VGA(31kHz)-スルー出力

 INPUT3のRGB端子に入力された家庭用ゲーム機のVGA映像を、RGB出力端子からスルー出力し、PCディスプレイに表示する機能。VGA端子のついたゲーム機を使っている人が何人いるのかは疑問だが、あるとうれしい人もそれなりにはいるのだろう。マイコンソフトらしいマニアックな仕様だ。

 なお、PC画面のスルー出力には使えない。同社によれば「この機能は家庭用ゲーム機の15ピンアナログRGB信号のみに対応。正しく出力できるのは640×480ドットの信号」となっており、実際1,024×768ドット出力などは表示してくれない。



■ 仕様を見て欲しくなったら買い

 マニアックな機能の豊富な「XSELECT-D4」だが、セレクタとしての性能は満足のいくもの。D端子-RGBコンバータとしても利用可能で、しかも価格は19,800円とお手ごろ。単機能なD端子-RGBコンバータのロジテック「LDC-RGB1」は定価で3万円、実売でも2万円後半ということを考えれば、お買い得感はかなり高いといえそう。アナログRGB21ピン端子の装備など、マイコンソフトらしいマニアックな仕様も、特定の人にとってはかなり重宝するだろう。

 単なるD端子/コンポーネントセレクタは、最近のAVアンプのユーザーであれば代用可能だが、 ゲーム機やハイブリッドレコーダ、BSデジタルとD端子が増え続けている現在、D端子入力が足りないという人も多いだろう。さらにXSELECT-D4には、強力な付加価値があり価格もそれほど高くはない。機能が気に入った人には、即買いな製品といえるだろう。


■ 分解してみた

■■ 注意 ■■

  • 分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
  • この記事の情報は編集部が購入した個体のものであり、すべての製品に共通するものではありません。
  • この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害はAV Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
  • AV Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。


天板を外したところ XILINXの「XC9572XL」やソニーやFUJIIと刻印されたチップが基板中央にある 一番大きいソニー製チップ。「XSELECT-D4」の刻印が施されている

□マイコンソフトのホームページ
http://www.micomsoft.co.jp/
□製品情報
http://www.micomsoft.co.jp/xselect-d4_function.htm
□関連記事
【5月29日】マイコンソフト、5系統入力装備の変換機能付きAVセレクタ
-D端子入力をPC用モニタに表示可能
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030529/micom.htm
【2月21日】【デバ】DVDやBSデジタルをPC用CRTに高画質出力
色差信号をアナログRGB変換するコンバータ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030221/dev014.htm

(2003年8月1日)

[usuda@impress.co.jp]


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