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“Zooma!:ズームレンズ、ズームすること、ズームする人、ズズーンの造語” |
第185回:2005 International CESレポート【Samsung編】
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■ ようやくケーブルカー開通
LVCCのほぼ正面にモノレールの駅ができた |
現地時間で1月6日の本日は、CES 2005の初日。レポートの前に、会場であるLas Vegas Convention Center(LVCC)周辺の情報を少しお伝えしよう。2年ほどずっと工事していたモノレールのリニューアルがようやく完了し、ラスベガス市内のメインストリートであるストリップ通りの東側のホテルからは、LVCCまで数分で行けるようになった。
従来は各ホテルから会場までを結ぶバスに乗って出かけていたものだが、モノレールならば5分おきに運行されるので、渋滞でなかなか来ないバスを待つ必要もないし、忘れ物をしても気軽に会場とホテルを行き来することができるのは大きい。
以前このモノレールはホテル間のみを結んでいたが、会場まで延長されたことで有料になった。どこまで行っても1回3ドルと、距離の割にはちょっと高いが、3日間乗り放題パスが25ドル、10回パスが20ドルと、感覚的にはサンフランシスコのケーブルカー並みの料金である。これからのラスベガス取材には、大きな武器となることだろう。
さてCES初日の今日は、大手家電メーカーがひしめくセントラルホールのほぼ中央にある、巨大なサムスンブースの模様をお送りする。なおディスプレイ系は「大画面マニア」の西川善司氏、レコーダ系は鈴木桂水氏のレポートをご覧いただきたい。
■ メモリカムをアピール
SPORTS CAMこと「SC-X105」。レンズ下部にはLEDライトもある |
DV以外のメディアを使うビデオカメラは、現在もっとも混沌とした状態にある。DVDカムコーダは既存ユーザーのリプレースをうまく引きつけて一歩リードしているが、それ以外ではHDD型とメモリ型がようやく本格的に立ち上がりつつあるという状況だ。
その中でSamsungは、同社内のリソースをうまく使って、メモリ記録型のビデオカメラを強力にプッシュしてきた。小型でスタイリッシュな「SPORTS CAM SC-X105」は会場内に多く実働モデルを配置され、自由に手にとって撮影できるようになっている。
光学部は、レンズが光学10倍ズーム、CCDは68万画素、電子式手ぶれ補正を搭載。フォーマットはMPEG-4で、720×480ドット/30fpsで撮影が可能、512MBの内蔵メモリに動画を記録する。さらに外部メモリとして、メモリースティックPROスロットを備え、USB 2.0端子も装備している。
また動画撮影以外にも多くの機能を持ち、静止画撮影では最大1,280×960ピクセルの撮影が可能なほか、MP3再生、ボイスレコーディングが可能。さらにはUSB 2.0端子を使ってPC用Webカメラにもなり、USBストレージとしても使えるという、1台6役というのがウリ。ブラックとシルバーの2モデルがあり、発売は今年3月頃で予価799.99ドル。
もう一つ、その上位モデルの「MEMORY CAM SC-M2100」は、210万画素のCCDを搭載し、内部メモリも1GBに拡張されたモデル。やはり機能的には6つを備え、静止画の解像度は1,600×1,200ピクセルとなっている。
またカードスロットがマルチフォーマット対応になっており、メモリースティック、メモリースティックPRO、SDカード、MMCの4種類が使えるのも強力だ。ソニーのメモリースティック系とパナソニックのSDカードが1台で使えるあたりが、同社ならではの仕様だろう。
メモリーカメラの上位モデル「SC-M2100」 | ズームとメニュー操作を一つの十字キーで兼用する |
■ あのDuoCamも健在
Samsungのビデオカメラといえば、動画用と静止画用に別の光学部を搭載するという強引なのか合理的なのか今ひとつ判断に悩む「DuoCam」だが、今年も順調に後継機が登場した。
「SC-D6550」は、従来機からサイズが35%小さくした、同社DuoCamの最小モデル。動画部は68万画素CCD、光学10倍ズームレンズ搭載。静止画部は520万画素CCD、光学3倍ズームレンズ搭載。
DuoCamの最新モデル「SC-D6550」 | プリンタにつないでダイレクトに印刷できる、PictBridgeボタンもある |
ビデオカメラを無料レンタルできる |
両方ともそれぞれのカメラとしてみればまったく普通のスペックだが、それが1台に入っているというのがミソだ。静止画記録のメモリは、やはりメモリースティック、メモリースティックPRO、SDカード、MMCの4種類が使える。ただし展示されていたのは、実働モデルではなかった。
Samsungブースでユニークなのは、同社製のビデオカメラを無料でレンタルしているところ。DuoCamは残念ながら旧モデルだが、実際に製品を自由に試せる機会であるとともに、同社製のカメラを持った一般来場者が会場内をウロウロすることで、一見とても普及しているように見えるという一石二鳥作戦だ。ほかのメーカーもこんなサービスをやってくれないだろうか。
■ ポータブルビデオプレーヤー
MP3プレーヤー兼MPEG4プレーヤーの「YH-J70」 |
MP3プレーヤーブランド「yepp」のコーナーでは、iPodとほぼ同サイズのMPEG-4プレーヤーが参考出品された。「MPEG4 Jukebox YH-J70」は、見た目はカラー液晶を備えたMP3プレーヤーだが、MPEG-4の動画が再生できるという。ただし展示機の完成度は低く、まだメニューが動作しないといった状態。
スペックとしては、20GBの1.8インチHDDを搭載し、動画はMPEG-4、音楽はOGG、MP3、WMAに対応するほか、音声の朗読ファイルフォーマットAudibleの再生も可能。さらにJPEGの表示機能もある。バッテリはリチウムイオンで、音楽では30時間の再生が可能。iPodで動画が再生できたら、と思う人にとっては、なかなか期待できそうな製品だ。
もう一つブースで見つけたポータブルビデオプレーヤーは、小型のDVDプレーヤー「DVD-L25」。形としては数世代前のCDプレーヤーに2.5インチの液晶モニタが付いたといったスタイルで、子供用を意識して簡単な操作が特徴。中を見ると、再生できるDVDは8cmのminiDVDだった。
子供用DVDプレーヤー「DVD-L25」。ジョイスティックと側面のボタンだけで操作可能 | 使用できるメディアは8cmDVDと同CD |
市販ソフトではminiDVDのものは見たことがないが、教育/子供用としては存在するようだ。製品には3タイトルのディスクが付属するという。そのほか8cmCD-Rに焼いたMP3やJPEGの再生も可能。単三のニッケル水素充電池4本が付属し、動作時間は2.5時間。
今回はSamsungブースのレポートだけで手いっぱいになってしまったが、明日はサウスホールほかの模様をお伝えする予定だ。
□2005 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
□関連記事
【2005 International CES レポートリンク集】
http://av.watch.impress.co.jp/docs/link/ces2005.htm
(2005年1月7日)
= 小寺信良 = | テレビ番組、CM、プロモーションビデオのテクニカルディレクターとして10数年のキャリアを持ち、「ややこしい話を簡単に、簡単な話をそのままに」をモットーに、ビデオ・オーディオとコンピュータのフィールドで幅広く執筆を行なう。性格は温厚かつ粘着質で、日常会話では主にボケ役。 |
[Reported by 小寺信良]
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