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RHA初のDAC搭載バランス対応ポタアンと、2つの新イヤフォンをさっそく聴いた

 英RHAは、DAC内蔵のポータブルヘッドフォンアンプ「Dacamp L1」と、イヤフォン2機種「CL1 Ceramic」、「CL750」を「IFA 2016」で初披露。同社ブースで行なわれた発表会において、発売前の製品の音を聴くことができた。

CL1 CeramicとDacamp L1の組み合わせ

 既報の通り、「Dacamp L1」は同社初のDAC内蔵のポータブルヘッドフォンアンプで、イヤフォン2機種とともにハイレゾ対応。創立5周年を記念するモデルで、イヤフォンの「CL1 Ceramic」は、セラミック採用のドライバや、バランス接続対応などの特徴を持つ。日本ではナイコムから3モデルを10月中旬に発売予定で、価格はアンプの「Dacamp L1」が52,800円、イヤフォンの「CL750」が15,800円、「CL1 Ceramic」が47,800円。

2つのイヤフォンは個性に大きな違い

 Dacamp L1は、DACはESS「ES9018K2M」を左右チャンネル個別に搭載。AB級アンプをデュアルで搭載する。384kHz/32bitまでのPCMや、11.2MHzまでのDSDをサポート。iOS/Android端末にも対応したUSBや光デジタル/アナログ兼用入力などを備え、ヘッドフォン出力はミニXLRのバランスと、ステレオミニのアンバランスを各1系統装備する。

Dacamp L1
USBや、光デジタル/アナログ兼用の入力などを装備
ヘッドフォン出力はバランス/アンバランス対応

 イヤフォン上位機種の「CL1 Ceramic」は、10.5mm径のCLダイナミック型ユニットが中低域、セラミックプレートを使ったドライバが高域と倍音を受け持つハイブリッド型イヤフォン。筐体は高密度のジルコニアセラミック製で、sMMCX端子によりケーブル着脱が可能な点も特徴。再生周波数帯域は16Hz~45kHz。

CL1 Ceramic

 Dacamp L1とCL1 CeramicをXLRでバランス接続し、iPhone 6sの「Onkyo HF Player」で再生するFLACのハイレゾ音源を聴いてみた。SHANTI「ジャスト・ア・ガール」や藤田恵美「The Rose(カバー)」を再生すると、イントロの瞬間から高域の精彩さが際立つのがわかる。8kHz以上を受け持つ高域用のセラミックプレートの個性が十分に活かされた音作りのようだ。単に「高域がキツく刺さる」といった悪い印象ではなく、広めの音場の中でボーカルやギターなどが低域に埋もれることなく明確に再現されている。

CL1 Ceramic(イヤーピースを外した状態)
ミニXLRでバランス接続

 なお、CL1はケーブル接続部の端子に一般的なMMCXではなく、「sMMCX」を採用している。この理由は「端子のロック機構が優れているため」だという。なお、RHAによれば、この端子はKlipschのイヤフォン「X20i」などと互換性は無いとしている。

CL1はsMMCXを採用

 もう一つのイヤフォン「CL750」は、CLダイナミック型ドライバを搭載し、ステンレススチール製ハウジングを採用。こちらはケーブル着脱はできないため、アナログのステレオミニでDacamp L1と接続して聴いた。

CL750も試聴

 先ほどと同じ曲を聴くと、こちらは中域の厚みが心地良く、ダイアナ・クラールなど女性ボーカル曲とも相性が抜群。楽器の中ではギターの鳴りも良く、全体のバランスという意味ではCL1よりフラットとも思える。

 なお、最初にCL750を聴いた時はアンプのゲインと音量、HF Playerのボリュームを最大にしても、うるさいと思うほどの音量にはならず、「アンプ出力がもう少しあってもいいのでは?」とも感じた。RHAに尋ねると、両モデルともインピーダンスが150Ωあるとのことで、コンシューマ用のイヤフォンとしては高い方だ。これは、CL750が「Dacamp L1との接続に最適化した」一つの点であり、これがRHAが示すベストな音質ということだろう。

CL750(イヤーピースを外した状態)

 今回はiPhoneとの接続のみ試したため、Android端末で再生した場合は異なる結果になるかもしれない(Android用OTGケーブルも付属する)が、基本的にはプレーヤー直挿しではなく外部アンプを使うことで本領を発揮できるイヤフォンと言えそうだ。特に、CL750はアンプの力が十分に寄与していることを加味しても、1万円台という価格以上の実力を感じた。

 デュアルドライバのCL1 Ceramicと、フルレンジのCL750は、価格は大きく異なるものの、単に上位/下位という分類だけではなく、普段使っているイヤフォンの種類によっては、CL750が好みに合う人も少なくないのではと思う。今後、日本国内でのイベントでも試聴できる機会があれば、仕様や価格だけであまり先入観を持たず、両方を聴き比べることをおすすめしたい。