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世界初「電子和太鼓」が進化し“完全ワイヤレス化”。ローランド×鼓童が開発

 ローランドと太鼓芸能集団・鼓童が共同で開発を進めている、世界初「電子和太鼓」試作機が進化。演奏を無線で送信し、バッテリ駆動も可能な“完全ワイヤレス化”を実現。ステージでのパフォーマンス性を大幅に高め、8月に新潟県佐渡市で開催される国際文化交流フェスティバル「アース・セレブレーション 2018」で、鼓童のメンバーによる演奏が披露される。

「電子和太鼓」試作機の最新版

 ローランドと鼓童は、電子楽器と和太鼓の可能性を探求し、太鼓文化をさらに発展させることを目的に、電子和太鼓の試作機を2017年に共同開発。同年に佐渡市で開催された「アース・セレブレーション2017」で演奏し、大きな反響があったという。

 最新バージョンでは、打面の小型化や構造の改良を実施。重量も昨年の試作機と比べ、約30%の軽量化に成功。演奏を無線で送信するワイヤレス・システムの搭載や、電池での駆動も可能となり、演奏者が舞台上で自由に動ける「完全ワイヤレス化」を実現した。

演奏イメージ

 伝統的な和太鼓のデザインや構造をベースにしながら、電子ドラムの開発で培ったローランドの技術や独自のノウハウを投入。和太鼓の音色だけでなく、様々なパーカッションや電子サウンドなど幅広い音色で演奏でき、和太鼓の表現を大きく広げている。

 打面を叩いた時の振動をセンサーが感知し、その信号を音源部に送って発音する仕組みで、センサーは打面の中央部に加えて、“フチ”と呼ばれる外周部にも搭載。伝統的な和太鼓と同じ打感や奏法で演奏できる。打面にはローランド独自のメッシュ素材を採用し、演奏時の消音性にも優れており、場所や時間を選ばず練習できるという。

 「アース・セレブレーション2018」での演奏は、初日となる8月17日に行なわれるプログラム「鼓童 Dance Night~CHAKKA FES~」で披露。大塚勇渡氏をはじめとする鼓童のメンバーが電子和太鼓を演奏。伝統的な和太鼓や電子ドラム、ストリート・ダンサーとの共演も楽しめる。

 会場は小木みなと公園 特設ステージ。チケットは大人5,000円、小中学生1,500円(以上は前売り料金。当日は+300円)、ハーバーマーケットライブ3日間通し券は13,500円(大人のみ)。定員は1,200人(全席自由)。詳細はイベントの公式サイトを参照のこと。

 ローランドと鼓童は、東京オリンピックが開催される2020年の完成・製品化を目標に、今後も電子和太鼓の共同研究開発を継続。さらなる表現力の向上と、和太鼓文化の発展を目指すとしている。