BD版「ヱヴァ新劇場版」に、ソニーのSBMV技術導入

-ソニーPCLのBD製作に採用。階調を滑らかに補完


5月12日発表

 

BDビデオ版「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11 YOU ARE (NOT) ALONE」
(c)カラー
 ソニーピーシーエル株式会社は、ソニーが開発した映像用階調補完技術“Super Bit Mapping for Video(SBMV)”を使ったBlu-ray Discビデオ用のエンコード環境を構築。同技術を使ったBD制作サービスを開始し、その第1弾が5月27日発売のBDビデオ版「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11 YOU ARE (NOT) ALONE」であることを発表した。

 BDビデオには映像信号が8bitで記録されるため、オリジナルが10bitで制作された場合には、エンコード時に8bitへ変換する処理が必要になる。その結果、グラデーション部分などに階調の変化点が等高線のようになって見えてしまう、「カラーバンディング」が発生することがある。

 SBMVはそれを防ぐ階調補完技術で、エンコード処理の前にSBMV処理を行なうことで、オリジナルコンテンツのグラデーション感を保ちながらカラーバンディングを軽減できるという。なお、同技術はソニーのBDレコーダなどに搭載されている高画質回路「CREAS(クリアス)」にも採用されている。

 従来方式とSBMVを使用した映像の比較は以下の通り。左が従来方式、右がSBMV処理した後でエンコードしたもの。

 【 従来方式 】【 SBMV使用 】
シーン1
シーン1
抜き出し
山肌の紫色のグラデーション部分に注目。
下段は水色の枠の部分を抜き出したもの
(C)カラー
シーン2
後頭部と背広の襟部分に出ている
カラーバンディングが綺麗に消えている
(C)カラー
シーン3
同じく山肌のグラデーションに注目
(C)カラー
シーン4
ズボンの部分に左の従来方式では
カラーバンディングが出ている
(C)カラー

 BDビデオ版「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11 YOU ARE (NOT) ALONE」(KIXA-9/6,090円 )は、5月27日にキングレコードから発売される。上映からDVD化にあたり、再調整が行なわれたバージョン「1.01」が2008年4月25日にDVDで発売されているが、新作カットも含めてさらに調整が進められたバージョン「1.11」が、5月27日にBDとDVDで発売される。内容だけでなく、映像面も「1.01」とは異なり、フィルムを介さず、デジタルデータをマスターとして使用しているのが特徴。


(2009年 5月 12日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]