オンキヨー、HDMI 2出力装備の7.1ch AVアンプ「TX-NA808」

-3D/ARC/iPodデジタル入力対応。「TX-NA708」も


TX-NA808

6月26日発売

標準価格:「TX-NA808」168,000円
       「TX-NA708」136,500円


 オンキヨーは、3D映像などのHDMI Ver.1.4a対応7.1ch AVアンプ2モデルを6月26日より順次発売する。価格は、「TX-NA808」が168,000円、「TX-NA708」が136,500円。ボディカラーはいずれもブラック(B)のみ。

TX-NA708

 いずれも、HDMI 1.4aに対応する7.1ch AVアンプ。定格出力は808が145W×7ch、708が140W×7ch、最大出力がそれぞれ230W×7ch、200W×7ch(いずれも6Ω時)。

 NA808の特徴は、HDMI出力を上位シリーズと同様に2系統装備したこと。出力の切り替えはリモコンまたは本体前面ボタンから可能で、2系統同時出力にも対応。解像度が異なるディスプレイに同時出力する場合は、メイン/サブディスプレイのどちらの解像度に合わせるかを選べる。

 両モデル共通の特徴として、DLNAに対応し、PC内の24bit/96kHz音楽ファイルなどの、ネットワークオーディオ再生機能を搭載。さらに、前面のUSB端子経由でiPod/iPhoneからのデジタル音声入力にも対応した。

 従来モデルのTX-NA807/707では本体設計に共通のプラットフォームを用いていたが、808は上位機種と同じ構造を採用。例えばパワーアンプ部の最終段のドライバ回路は、808はチャンネルごとに分かれた基板を使用しているが、708は1枚の基板に7ch分が搭載されている。なお、DSPやDAC、映像チップなどは808/708で共通のものを使用している。

TX-NA808(左)とTX-NA708(右)。808は前面の端子部がカバーで覆われている

 HDMI 1.4aに準拠。3D対応テレビ/BDプレーヤー間で伝送される3D映像のパススルーが可能なほか、オーディオリターンチャンネル(ARC)に対応し、アンプと対応テレビの接続がHDMIケーブル1本のみで行なえるようになった。

 独自のアナログ信号生成技術「VLSC」や、ローインピーダンス化が図れる「3段インバーテッドダーリントン回路」、グランド電位安定化技術などの音響技術や設計思想を投入。また、808はプリ/パワーアンプ部を完全にブロック化した「ケース内コンポーネント」構造としている。

 Blu-ray Discビデオに収録されたドルビーTrue HDやDTS-HD Master AudioなどHDオーディオのデコードに対応。水平方向だけでなく、垂直方向も含む三次元的な空間表現を行なうというドルビーのサラウンド技術「ドルビープロロジック IIz」や、フロントワイド/フロントハイスピーカーを加えて、より大きなサラウンド空間を実現できる「Audyssey DSX(Dynamic Surround Expansion)」にも対応する。そのほか、THX Select2 Plusにも準拠している。

808の内部構造。プリ/パワーアンプ部を完全にブロック化したケース内コンポーネントを採用。底面に2つのファンを備え、下からの吸気を中央のヒートシンクを通じて上に放熱するDSPなどのチップ部808はHDMIを2系統備え、本体の前面ボタンまたはリモコンで出力を切り替えられる

 

パソコンのHDD内の音楽再生時

 両機種ともDLNAに対応し、LAN接続したパソコンなどのからの音楽を再生可能。708は、700シリーズで初のDLNA搭載となる。対応ファイルはWAV/WMA(DRM対応)/WMA Lossless/MP3/AAC/FLAC/Ogg Vorbisなどで、24bit/96kHzのファイルもサポートする。また、Windows 7に対応し、PCの音声を高音質で再生する「Play To」機能を備えている。さらに、インターネットラジオの聴取にも対応する。

 USB端子も搭載し、iPod/iPhoneのDockコネクタとiPod/iPhone付属ケーブルで接続することにより、楽曲のデジタル伝送/再生にも対応。対応iPod/iPhoneは第5世代iPodと、iPod nano/classic/touch、iPhone 3G/3GS。また、USBメモリなどに収めた楽曲ファイルを再生できる。

 前述のネットワークオーディオ再生や、iPod/iPhone/USB再生では楽曲のジャケットや曲名/アーティスト名表示も可能。ただし、日本語の表示には対応しない。

iPod touch接続時曲名(英文のみ)やジャケット表示も可能

 UI面では、800/700シリーズで初めてオーバーレイ表示のOSDを採用。映像などを再生したまま再生モードの変更や、再生中の映像/音楽フォーマットの表示などが行なえる。リモコンには「ホームボタン」を採用し、メニューの呼び出しを分かりやすくした。

 DSPは、ネットワーク処理にも対応するTIの「DA830」と、シーラス・ロジックの「CS49834」を搭載。DACは、これまで上級機にはTIのバーブラウンの2ch DACを複数個、他のクラスではシーラス・ロジック製のものを搭載していたが、808/708ではバーブラウンの8chが1チップになったDACに変更。このDACはアースに対してフローティング動作するため、アースラインの設計が容易で高音質化が図れるとしている。

オーバーレイOSDの例。オーディオ/ビデオ設定の確認/変更などが画面を見て行なえる

 HDMI入力はいずれも7系統(うち前面1系統)で、出力は808が2系統、708が1系統。CEC機能で同社が連動を確認したテレビ/レコーダは、パナソニックのVIERA/DIGA、東芝のREGZA、シャープのAQUOS('08年4月以降の液晶テレビ)。

付属リモコン。中央にホームボタンを装備する

 新たにアナログRGB(D-Sub 15ピン)の映像入力も装備し、パソコンと接続可能。アナログ入力信号の1080pアップスケーリングにも対応し、「DCDi Cinema」回路により、コンポジット/S映像入力や、アナログRGBからのSD映像が1080pに変換できる。

 そのほかの入力端子は映像がD4×2、コンポーネント×2、S映像×4、コンポジット×5、音声は光デジタル×3(707は2系統)、同軸デジタル×3、アナログ音声(RCA 2ch)×8、アナログ7.1ch×1で、707はステレオミニ×1も装備。出力端子は、映像がD4×1、コンポーネント×1、S映像×2、コンポジット×2、音声がアナログ(RCA 2ch)×1、アナログ7.1ch×1、サブウーファプリ×2。

 外形寸法と重量は、808が435×435.5×198.5mm(幅×奥行き×高さ)、18.4kg。708が435×379×175mm(同)、12.5kg。マクロ対応リモコンが付属する。


808の前面カバー内部の端子808の背面端子708の背面端子


(2010年 6月 1日)

[AV Watch編集部 中林暁]