10月開幕の「CEATEC JAPAN 2010」開催概要が発表

-3Dシアター開設。NHKらの「デジタル・エコハウス」も


期間:10月5日~9日(5日はプレス/招待者向け)

会場:幕張メッセ

入場料:一般1,000円、学生500円
     (事前登録で無料/9日は完全入場無料)


CEATEC JAPAN 2010の開催概要

 CEATEC JAPAN実施協議会は22日、IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2010」の開催概要を発表した。

 開催期間は10月5日~9日。なお、開幕日の5日は「特別招待日」となっている。これは、従来開幕日の午前中に設けられていたプレス/招待者向けの「プレミアムタイム」が終日(10時~17時)に拡張されたもので、5日の入場にはプレス登録/特別招待登録が必要。入場料は1,000円で、事前登録者は無料。最終日の9日は、登録の有無に関わらず完全入場無料となる。

 7月22日現在の出展者数は417社/団体(うち海外:14の国/地域から、167社/団体)、2,189小間の出展が決定。海外出展者の内訳は、アジア地域(5つの国/地域)が135社、北米地域(2カ国:米国/カナダ)が18社、ヨーロッパ地域(7つの国/地域)が14社となっている。なお、'09年は22の国/地域から263社が出展した。



■ 近未来都市を3Dシアターで体感

開催テーマとコンセプト

 11年目を迎える2010年のCEATECの開催テーマは、「Digital Harmony -もっと快適に、もっとエコに」。主なトピックとしては、電力の需給関係をIT技術で効率的に調整するスマートグリッド技術(次世代電力網)に着目した展示「スマートグリッド・イノベーション2010」を開設。電気自動車(EV)やスマートハウス、省エネ技術などの日本型スマートグリッド技術を世界にアピールする。また、3Dシアターが開設され、スマートグリッドと一体となった近未来都市を3D映像で紹介。日産の協力により、自動車やその部品、システムなども立体映像で観られるという。

 また、「コンテンツエクスペリエンスゾーン」では、3D映像や音楽などのエンターテインメントソフトを中心に、IPTVやBlu-rayなど新メディアのユーザー体験の機会を提供。未来の楽しみ方を身近に感じられる展示になるという。そのほか、高速移動体通信技術であるWiMAXや第3.9世代携帯電話のLTEといった、ネットワーク技術の最前線も体感できるとしている。

 NHKとJEITAのブースでは、地上波テレビ放送の完全デジタル化に向けた最後のCEATECとして、地デジ対応の薄型テレビや3Dテレビなどの最新技術を紹介。地デジ導入方法の説明や、デジタル化による省エネの“見える化”などを行なう、戸建風のスペース「なっとく! デジタルエコハウス」を設ける。

7月22日現在の出展者数

 一方、“商談の場”としてのCEATECを明確化するため、B to B向けの特別ゾーン「CEATEC Suite」を新設。ビジネストレンドとなるテーマごとの「テーマプラザ」を開催し、オープンセミナーや関連展示により、最新の技術情報や企業情報を入手可能にするという。CEATEC Suiteの期間は10月6日~8日。

 そのほか、CEATECの5日間には電子情報通信学会も併催。来場者は無料で聴講でき、学会の最新動向についての話が聞けるほか、ディスカッションにも参加できるという。

 キーノートスピーチとしては、5日に三菱電機の下村節宏会長(13:00~13:45)と日立製作所の川村隆会長(14:00~14:45)が登壇予定。また、8日にはBlu-ray Disc Association(BDA/12:30~15:00)、Digital Living Network Association(DLNA/12:30~13:30)のスピーチも予定されている。

 

コンテンツやエネルギー技術関連のトピック通信技術やクラウドコンピューティング関連のトピック日本のものづくり関連のトピック


■ 国際的な次世代展示会へ変革

 主催者代表として登壇した情報通信ネットワーク産業協会 総務部長兼広報部長の資宗克行氏は、今回注力した点として「ICTの潮流をいち早く伝える」としてスマートグリッド関連の展示を紹介。「世界中に進展があるが、まだこれから大きなトレンドになる」とした。また、電子情報通信学会の無料聴講についても「産学官が連携した“オールジャパン”の一環として行なう新たな試み」とした。また、CEATEC Suiteについては「最新テレビが見られる“家電ショー”と受け止められるのは、露出度が高くありがたいが、商談の場としてのCEATECも追求し、あえて二兎を追う」と述べた。

 また、開催概要を説明したCEATEC JAPAN 2010実行委員会委員長の竹市英仁氏は、今後3カ年の強化ポイントとして「情報価値と発信力」、「ビジネス効果」、「国際化」の強化を提示。「従来の展示会という機能の枠を超え、国際会議や学会、視察団の誘致など、国際的なビジネス機会を複合的に集約する“MICE”(Meeting、Incentive、Convention、Exhibitionの頭文字をとったキーワード)を目指し、国際的な次世代展示会へ変革していく」とした。

情報通信ネットワーク産業協会 総務部長兼広報部長の資宗克行氏CEATEC JAPAN 2010実行委員会委員長の竹市英仁氏「次世代展示会」への変革を目指す
IFA統括本部長のJens Heithecker氏

 さらに、CEATEC JAPANのグローバルパートナーであるIFA(国際コンシューマエレクトロニクス展)から、統括本部長のJens Heithecker氏が来場。ドイツ・ベルリンで9月3日~8日に行なわれ、今年で50回目を迎えるIFAは、展示面積を約15%拡大するなど、「昨年を超える成功を見込んでいる」という。今年は新セクションとして、iPhone/iPadのアクセサリやコンテンツを展示する「IFA iZone」と、電子書籍やタブレットPCにフォーカスした「IFA eLibrary」を設ける。


IFAの展示面積、国際メディアの来場者数の推移Heithecker氏はコンシューマエレクトロニクス市場における欧州のシェアを紹介。テレビ販売台数の成長などを挙げ、「欧州は過小評価されるきらいがあるが、安定した市場」とアピールした


(2010年 7月 22日)

[AV Watch編集部 中林暁]