PSNとQriocityが米国や欧州で段階的に再開

-日本は近日中。PW変更用にPS3もアップデート


 ソニーとソニー・コンピューターエンタテインメント(SCE)は15日、米国時間の5月14日より、米国と欧州地域などでPlayStation Network(PSN)およびQriocityのサービスを段階的に再開すると発表した。日本やその他アジア地域でのサービス再開は「近日中に行なう」としている。サービスの全面再開は今月中が予定されている。

 米国と欧州で利用可能になるサービスは、PSNとQriocityサービスへのサインインと、パスワード変更。PlayStation 3とプレイステーション・ポータブルを使ったオンライン対戦機能、PSNのビデオ配信サービスでダウンロード済みのレンタル動画のPS3/PSP/Media Goでの再生(有効期限内に限る)。

 さらに、音楽配信サービス 「Music Unlimited powered by Qriocity」の、PS3およびPCでの再生(現行の会員限定)。Netflix、Hulu、VuduおよびMLB.tvなど、サービス事業者が提供するサービスへのアクセス。

 フレンドリスト、チャット機能、トロフィーなどの「フレンド」カテゴリー内の機能と、PlayStation Homeとなる。

 これに合わせて、15日にPS3のシステムソフトウェアがver.3.61にアップデートされる。PSNのパスワードをユーザーが変更するためのアップデートとなっているが、日本では15日現在、サービスが再開されていないため、アップデート後、すぐにパスワード変更する事はできず、PSNサービスが一部再開した際に変更が可能になるという。なお、再開後のPSNサービス利用には、このパスワード変更が必要になる。

 また、PSNとQriocityの登録ユーザー全てに対して、コンテンツやサービスの無料提供も実施予定で、詳細は近日中に各地域で案内するとしている。


 既報の通り、PSNとQriocityは米国カリフォルニア州サンディエゴ市内のデータセンターにあるシステムが米国時間の4月20日に不正アクセス攻撃を受け、ユーザーの個人情報が漏えいしたと見られ、サービスが停止されていた。

 Sony Network Entertainment International(SNEI)では情報セキュリティ専門会社とともに、より高度なセキュリティ技術の導入や、システムへの侵入および脆弱性をモニタリングするソフトウェアの追加、暗号化方式の強化、ファイアウォールの増設など、システムのセキュリティを強化。また、ソニーグローバルソリューションズの堺文亮社長をSNEIのチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)に任命するなど、組織面でのセキュリティ管理体制も強化されている。

 サービス再開について、SCEの平井一夫CEOは「速やかにサービスを復旧させたいと思ったが、ユーザーに安心してサービスを利用してもらう事が大切と考え、十分な安全管理措置を講じた上で再開する事にした。ユーザーの個人情報は、最善のセキュリティ技術によって保護されており、PSNとQriocityの様々なサービスを安心して楽しんでいただける」とコメントしている。


(2011年 5月 15日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]