オンキヨー、HQV新映像プロセッサ搭載の中級AVアンプ

-radikoなどネットワーク機能も備えた「TX-NA809」


TX-NA809(B)

 オンキヨーは、AVアンプのミドルクラスモデル「TX-NA809(B)」を6月9日に発売する。価格は168,000円。カラーはブラック。

 5月14日に発売された「TX-NA709」と同様に、「radiko.jp」対応をはじめとするネットワーク機能を強化した7.1ch対応のAVアンプ。NA709の上位モデルであるNA809は、新たにHQVのビデオプロセッサ「Vida VHD1900」を採用し、アップスケーリング時の画質を向上。また、USB端子は2系統に増えた。そのほか、シャーシ構造の改善で、振動の排除をさらに追求したことが特徴となっている。

 新たに採用したHQV「Vida VHD1900」は、ディテール/エッジの強調、モスキートノイズ除去などの映像処理による高品位なSD→HD映像変換を実現。また、入力機器ごとに画質調整が可能なISFビデオキャリブレーションも搭載する。

 アンプ出力は、定格145W×7ch、最大230W×7ch(いずれも6Ω時)。ディスクリート構成のトランジスタアンプを採用し、3段インバーテッドダーリントン回路により、音声電流の変換に対しても最終段の安定した動作を実現している。ワイドレンジアンプ技術「WRAT」や、デジタルノイズ抑制回路「VLSC」も搭載。DACはTI製で、24bit/192kHz対応。DSPは32bit処理に対応する。

 HDMI入力は8系統で、出力は2系統。3D映像伝送や、ARC(オーディオリターンチャンネル)、CECにも対応する。アナログ映像などを、アップスケーリングしてHDMIから出力する機能も搭載。Marvellの「Qdeo」技術を採用し、新たに最大4K(3,840×2,160ドット)への変換に対応。コンポジット/D4/コンポーネント/HDMIからの480i映像などを、1080pや4Kにアップスケーリングできる。なお、アップスケーリング出力は、HDMIのMAIN端子(HDMI 1)からの出力のみ対応する。

 ネットワーク機能では、ラジオのストリーミング配信サービス「radiko.jp」に対応し、関東/関西/中京などの対象地域で利用できる。そのほか、vTuner経由でのインターネットラジオが利用可能。DLNA 1.5をサポートし、対応PCやLAN HDDなどの音楽再生も行なえる。Windows 7のPC音源を高音質再生する「Play To」にも対応。WMA LosslessやFLACなどのファイルも再生でき、24bit/96kHz音源もサポートする。本体にEthernetを備えるほか、別売USBアダプタ「UWF-1」(実売3,000円前後)を利用して無線LAN接続することも可能。

前面USB端子は、iPhoneなどとのデジタル接続に対応

 USB端子を2系統備え、USBメモリなどに収めた高音質ファイルを再生可能。うち1系統(前面)はiPhone/iPodのデジタル入力にも対応する。そのほか、iPhone/iPod touchアプリ「Onkyo Remote」からの操作も可能。iPhoneなどからの基本操作のほか、ネットワーク上にあるPCやLAN HDDの楽曲やインターネットラジオの選局、再生楽曲のジャケット画像表示などが行なえる。

 小音量でもバランスの取れた再生が行なえるオプティマムゲイン・ボリュームを搭載。Audysseyの音響技術として、小音量時にサラウンド効果を高めるDynamic EQを搭載するほか、付属マイクを使った自動スピーカー設定機能の「Audyssey MultEQ XT」も利用できる。また、音量の自動調整機能としてDynamic Volumeとドルビーボリュームを搭載する。圧縮音源を高音質化するミュージックオプティマイザーも装備。そのほか、PLL方式のジッタークリーナーも搭載する。

 「THX Select2 Plus」に準拠。フロントスピーカーの上にフロントハイスピーカーを追加して、上下方向のサラウンドを強化する「ドルビープロロジックIIz」が利用可能なほか、「Audyssey DSX」にも対応する。

 本体前面はフラットな新デザインを採用。7ch分のドライバ部をチャンネルごとに独立基板としてセパレーションの向上を図り、デジタル/ビデオ部とパワーアンプ部をブロック化して、同一筐体内に2つのコンポーネントを格納する「ケース内コンポーネント」思想で設計している。筐体は、1.2mm厚の鋼板を用いて強度を確保し、振動の折り返しを低減するフラットシャーシを採用する。フロントパネルとボリュームノブの両方にアルミ素材を使用。さらに、パワートランス直下にスチール製ベースを配置するなど、振動による音色の変化を考慮している。

 HDMI以外の端子は、映像入力がD4×2、コンポーネント×2、S映像×4、コンポジット×5、アナログRGB(D-Sub 15ピン)×1。音声入力は光デジタル×3、同軸デジタル×3、アナログ音声(RCA 2ch)×8、アナログ7.1ch×1。MMカートリッジ対応のPHONO入力も備える。出力端子は、映像がD4×1、コンポーネント×1、S映像×2、コンポジット×2、音声がアナログ(RCA 2ch)×1、アナログ7ch×1、サブウーファプリ×2。

 操作画面は、半透過画面のオーバーレイOSDを採用する(HDMI 1のみ)。消費電力は640W(待機時0.1W)。外形寸法は435×435.5×198.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は18.3kg。プリプログラム対応リモコンが付属する。

内部構造背面端子底面


(2011年 6月 3日)

[AV Watch編集部 中林暁]