シャープ、第1四半期は純損失492億円。液晶TVは黒字

-地デジ駆け込みで台数4割増も、単価下落で金額減


シャープ本社

 シャープは、2011年度第1四半期(2011年4月~6月)の連結業績を発表した。

 連結売上高が13.7%減の6,403億円、営業利益は84.4%減の35億円、経常損失は赤字転落しマイナス6億円、当期純損失は前年同期の106億円の黒字からマイナス492億円の赤字となった。


第1四半期連結業績概要

 シャープ取締役兼執行役員経理本部長の野村勝明氏は、「第1四半期実績は、大型液晶パネル工場の投入停止の影響などから前年同期比大幅な減益となったものの、6月30日に発表した前回公表数値に対して、ほぼ計画通りの進捗。売上高では公表値に対して1.5%の未達となったが、営業利益は公表値に対して15億円上回り、経常損失では74億円、当期純損失では8億円、公表値に対して、それぞれ改善している。当社の強みが発揮できるモバイル液晶の事業拡大に取り組み、液晶事業構造改革の着実な推進で公表計画の達成を目指す」とした。

 なお、第1四半期の液晶テレビ事業は黒字としており、「約2%の営業利益率になっている」という。

 部門別業績では、エレクトロニクス機器の売上高が8.8%減の4,382億円、営業利益は10.1%減の200億円。そのうち、AV・通信機器の売上高が14.7%減の2,976億円、営業利益は39.2%減の75億円。

 液晶テレビの販売台数は前年同期比22.3%増の329万3,000台で、うち国内は210万2,000台。海外は119万1,000台で、うち北米が33万6,000台、欧州が26万6,000台、中国が33万9,000台、その他が25万台。液晶テレビ事業の売上高は前年同期比1.1%減の1,543億円となった。

 「第1四半期は液晶テレビの販売において、アナログ放送停波前の駆け込み需要から、国内では台数ベースでは前年同期比4割増という大幅な伸張したものの、2~3台目の中小型にシフトするなどの影響もあり、単価下落の影響から金額ベースでは前年実績を若干下回った」とした。海外については「中国、欧州は低迷したが、北米、新興国などでは伸張し、海外向けは台数、金額とも伸張した」と述べた。

 今後については「8月以降は需要が落ち込むという見方が多かったが、予想以上の需要があり、商品供給が間に合わない状況でまだ積み残しがある。さらに売り場がすいてから2台目、3台目のテレビを購入したいという動きもあり、需要は急落していない。だが、下期のテレビ需要は縮小するのは間違いないと見ている。国内需要の縮小に対しては、フリースタイルAQUOSや、スマートフォンとの連携、さらには海外シフトによってカバーする考えだ。海外では、60型以上の大型液晶テレビを展開し、新たな市場の創出とともに、“大型液晶テレビはシャープ”という認知度を高めたい」とした。

部門別の売上高部門別の営業利益

 携帯電話の売上高は30.8%減の925億円、販売台数は37.1%減の210万台。「新モデルの発売時期が第1四半期の後半以降になったことで、マイナスとなった。国内マーケットの成熟化、従来型携帯電話の落ち込み、海外メーカーの攻勢など環境が大きく変化している。AQUOS連携や3D液晶を手軽に使えるスマホを創出し、差別化を図っていく」と語った。

 また、健康・環境機器の売上高が14.8%増の743億円、営業利益が26.9%増の67億円。情報機器の売上高が0.6%減の661億円、営業利益は25.0%増の58億円。「省エネや節電家電のニーズの高まりによって、冷蔵庫やエアコン、LED照明機器などの販売が好調に推移した」という。

 電子部品の売上高は前年同期比27.4%減の2,848億円、営業損失はマイナス79億円の赤字。そのうち、液晶の売上高は前年同期比28.0%減の1,880億円、営業損失はマイナス46億円の赤字。太陽電池の売上高は10.1%減の513億円、営業損失はマイナス37億円の赤字。その他電子デバイスの売上高は38.1%減の455億円、営業利益は87.1%減の4億円となった。

 液晶の売上高は市場が大きく成長しているスマートフォン向けや車載向けなどのモバイル液晶が好調に推移したが、大型液晶パネルでは、震災の影響での部材調達の混乱、生産調整などから、4月から5月中旬にかけて操業を停止したことが影響した。

 太陽電池は省エネ意識への高まり、再生可能エネルギーへの関心の高まりから国内向けの販売が好調だったが、欧州における財政緊縮によるフィードインタリフの見直し、円高ユーロ安が影響しているという。電子デバイスでは、CCDおよびCMOSイメージャなどのデジタル製品向けデバイスが価格下落の影響を受けた。

 「液晶ビジネスは6月3日に発表した構造改革を推進していくほか、モジュールの共通化、部材の共同購買などの取り組みを加速することで改善を図る」と語った。

 なお、2011年度通期見通しには変更がないとした。「米国経済の下振れ懸念、欧州の為替の影響が懸念されるが、経費削減、地産地消の推進、液晶事業の構造改革で、計画達成を目指す」と意欲をみせた。

主要製品・デバイスの状況連結業績見通しに変更は無い


(2011年 7月 28日)

[Reported by 大河原克行]