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B-CASカードの不正視聴で有料放送3社が民事訴訟提起

WOWOW、スカパーら不正カード販売者に損害賠償請求

 WOWOWとスター・チャンネル、スカパーJSATの有料放送事業者3社は、有料放送を無料で視聴できるように不正に改ざんされたB-CASカードを第3者に譲渡するなどした2名について、5月9日付けで損害賠償の支払を求める民事訴訟を東京地方裁判所に提起した。訴訟の内容は、不正競争防止法違反と不正行為による339万6,529円の損害賠償請求。

 被告の2名のうち、東京都内在住の37歳男性は、B-CASカードの不正改ざんプログラムをインターネット経由で不特定多数に提供したほか、自らもB-CASカードを改ざんして有料放送を不正に視聴。もう1名の東京都内在住の44歳男性は、BLACKCASカードと呼ばれる不正改ざんカードをインターネットオークションで6枚販売。自らも不正改ざんカードを利用いて有料放送を不正視聴した。いずれも、2012年10月に京都地裁において不正競争防止法違反などの罪で執行猶予付きの懲役2年の有罪判決を受け、判決が確定している。

 有料放送事業者3社は、「B-CASカードの改ざん、譲渡という行為は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に甚大な影響を与えるものであり、悪質かつ許されざる行為」として、東京地裁に提訴。37歳の男性には162万4,348円、44歳男性には177万2,181円の損害賠償の支払いを求めている。今後も有料放送サービスの不正視聴にまつわる行為については、厳正に対処していくとしている。

 なお、B-CASカードの所有者であるビーエス・コンディショナルアクセスシステムも、同2名に対し、同日付けで損害賠償の支払いを求める民事訴訟を東京地裁に提起している。

(臼田勤哉)