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NHK、8Kスーパーハイビジョンの地上波長距離伝送に成功

8K受信の様子

 日本放送協会(NHK)は20日、地上波での放送を想定した8Kスーパーハイビジョン(SHV)の長距離伝送実験に成功したと発表した。

 NHKは、2012年5月に4.2km離れた距離での8K伝送実験に世界で初めて成功していたが、今回の実験では、現在の地上デジタル放送エリアと同程度の27km離れた距離を想定。熊本県人吉市のNHK人吉テレビ中継局に設置した実験試験局から、圧縮した8K信号をUHF帯(46ch)で送信し、27km離れた熊本県球磨郡湯前町・農村環境改善センターでの8K信号の受信を確認した。

 ハイビジョンの16倍の情報量を持つ8K信号伝送のため、超多値OFDMや、送信/受信の双方で水平用/垂直用偏波アンテナを使用し、両方の偏波で同時に無線伝送する偏波MIMOなどの伝送容量拡大技術を活用。今回の実験に使用された圧縮フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264で、伝送容量は91.8Mbps(4,096QAM、r=3/4)。

今回の実験試験局と現在の地上デジタル放送の比較

(一條徹)