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スカパー! プレミアム光でも'15年4月以降に4K商用放送開始

 スカパーJSATは30日、2014年度第2四半期(7~9月)決算説明会を開催。その中で、光ファイバー網(FTTH)を使ったスカパー! プレミアムサービス光で、'15年4月以降に4K商用放送を開始することを明らかにした。

4K放送開始などプレミアムサービス加入促進への取り組み
高田真治社長

 スカパーJSATホールディングスの高田真治社長は、「現在、次世代放送推進フォーラム(NexTV-F)が主体となりChannel 4Kを試験放送しているが、来年3月1日からCSのスカパー! プレミアムにおいて、初の4K商用チャンネルを2チャンネル同時に開局し、合計3チャンネル放送とする。(FTTHの)スカパー! プレミアムサービス光でも、4月以降、なるべく早く放送を開始する」と説明。視聴料金やチャンネル名称などについては現在検討中で、今後決定次第発表するとした。

 また、「6月に発売されたシャープの4Kチューナに加え、10月にはソニーから4Kマルチメディアプレーヤーが、東芝からは4Kチューナ内蔵テレビが発売された。これまで4K対応テレビはソフトが少なく、家電売り場では2K放送もきれいに見えますよなどと説明していたが、これからは来春から4Kの本放送が始まると案内できるため、年末にかけて4K対応機器の市場が盛り上がっていくと考える。4K本放送の視聴にはスカパー! への加入が必要となるため、4K対応機器の普及が加入の促進にも繋がる」と述べ、4K対応機器の拡大に伴う加入者数の増加に期待を見せた。

説明会の会場に展示された東芝の4Kチューナ内蔵テレビ「REGZA Z10X」
Z10Xのリモコンには「スカパー! プレミアム」の専用ボタン

 動画配信サービスの「スカパー! オンデマンド」については、「登録者数が順調に伸びており、9月末時点で累計365,630件となった。配信チャンネル数も60チャンネルを越え、各チャンネルの専用アプリも増加している。今後は、スカパー !オリジナルコンテンツの配信や、放送との連動サービスで差別化を図っていく」と述べた。

 10月25日~11月3日まで10日間の無料放送や、11月30日まで加入料0円キャンペーンを実施。また、既存の加入者向けに、年間の利用料金に応じたプレゼントや特典を用意する「スカパー !Myステージ」サービスを導入し、これらの施策により、新規加入者数の拡大を図るとしている。

スカパー !オンデマンドの進捗
'14年度下期のキャンペーンスケジュール
'14年度上期の加入件数実績

 第2四半期の新規加入件数は19万1,408件で、解約件数は51万7,439件。このうち、スカパー!プレミアムサービスのMPEG-2方式よる標準画質(SD)放送の終了に伴う解約が25万2,027件だった。純増減数はマイナス27万4,160件で、累計加入件数は344万2,444件。1契約あたりの平均売上を示すARPUは'13年上期比で12.7%上昇し、2,214円となった。ARPU増の要因について同社では、「3月から提供開始したセレクト5パックにより単チャンネル契約率が低下したことと、SD放送終了により基本料のみの加入者が解約したことによる」と分析している。

 第2四半期の決算(第1~2四半期累計)は、売上が823億8,100万円(前年同期比0.5%減)、営業利益128億3,000万円(同17.7%増)、当期純利益は100億5,600万円(同54.1%増)。このうち有料多チャンネルの売上は621億3,200万円で前年同期比1.7%増。営業利益は38億1,100万円で同141.2%増となった。有料チャンネル事業の利益が増加した理由については、「SD放送終了に伴う費用減や、ハイビジョンサービスへの移行による視聴料の増加による」としている。

(一條徹)