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DJI、10万円を切る初心者向けドローン「Phantom 3 Standard」。2.7K動画撮影対応

 DJIは、初心者操縦用に設計したという動画/静止画撮影対応ドローン「Phantom 3 Standard」を8月下旬に発売する。DJI.comでの価格は99,900円。5日より予約を受け付ける。保険も付帯し、上限は対人1億円、対物5,000万円。

Phantom 3 Standard

 空撮画像の撮影をこれまでより簡単にするための安定性や飛行/撮影機能に注力したというドローン(マルチコプター)。新設計の一体型カメラには、画角94度のレンズを使用し、歪みを抑えた最高2.7K(2,704×1,520ドット)/30fpsのHD動画撮影が可能。1,920×1,080ドットの30/25/24fpsなどのモードも用意する。動画形式はMPEG-4 AVC/H.264(MP4/MOV)。カメラを安定化させる3軸のジンバルを備え、動作可能範囲はピッチが-90~+30度、角度振動範囲は±0.02度。

 カメラのセンサーサイズは1/2.3型。レンズの焦点距離は35mm換算で20mm、F値は2.8。DNG RAWやJPEGの1,200万画素の静止画撮影も可能。3/5/7枚の連写を行なうバーストモードや、3/5枚のオートブラケット撮影も可能。記録メディアはSDカードで、8GBのカードを備える。

 Wi-Fi(無線LAN)も搭載。スマートフォン/タブレット用の新アプリ「DJI Go」を使って、操縦者は“ほぼリアルタイム”でカメラが捉える映像をHD画質で手元のスマートフォン画面で確認でき、写真撮影やビデオの録画開始/停止、カメラ設定の操作が行なえる。アプリに編集ツールも搭載。撮影した映像から自動で短編動画を作成するDJIディレクターもアップグレードされ、動画のタイムストレッチ機能や、テンプレート、BGMオプションも追加されている。編集した動画は、空撮映像コミュニティのSkyPixelに直接アップロード(最大50GB)可能。

 アプリの対応OSは、iOS 8.0以降と、Android 4.1.2以降。推奨端末は、iOS端末がiPhone 5s/6/6 Plus、iPad Air/Air 2、iPad mini/mini 2/mini 3。AndroidはGalaxy S5、Note 3、Xperia Z3、Nexus 9など。

 送信機は、既存モデル「Phantom 2 Vision+」に搭載しているもののアップデート版で、カメラアングル調整用のダイヤルも装備。そのほか、Phantom 3シリーズを元に開発した、GPS活用の安定化機能を備える。電源はPhantom 3シリーズと互換性のあるDJIインテリジェントバッテリを使用し、飛行時間は最大25分。リモコンの最大伝送距離は500m(機体高度120m)。

カメラの背面側

 インテリジェントフライト機能として、ユーザーを追跡する「フォローミー」に対応。また、「ウェイポイント・ナビゲーション(Waypoint Navigation)」は、自動で飛行する複数点の経路を設定し、カメラの制御(パンやチルト)が任意で行なえ、簡易的な送信機の操作で、出発点までその経路を引き返す機能。「ポイント・オブ・インタレスト(Point of Interest)」では、対象物を中心にして、旋回しながら撮影可能。手動では難しい映画のようなショットを撮影できるという。

 これらのインテリジェント機能は、当初DJIのプロ向け製品用だったが、「数週間のうちに他のDJI Phantom 3シリーズでもファームウェアのアップグレードにより利用できるようになる」としている。DJI以外の開発者によるSDKでも利用可能としている。

 最大飛行速度は16m/s(ATTIモード/無風)で、上昇は最大5m/s、下降は最大3m/s。重量は1,216g。対角寸法はプロペラ込みで689mm。

(中林暁)