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シャープ、8Kマスターモニターを試作。超高精細IGZOなど披露

 シャープは2日、台湾 鴻海精密工業(鴻海)による出資についての共同会見を、大阪府堺市の堺ディスプレイプロダクトにおいて開催した。日本、台湾のメディア関係者やアナリストらが多数参加したが、その中でHDR対応の8KマスターモニターやIGZO液晶や有機ELなどの新技術の展示も行ない、シャープの技術力をアピールした。

堺ディスプレイプロダクト

 すでに8K放送の開始に向けて、85型の8K/7,680×4,320ドットの液晶ディスプレイ「LV-85001」を発売している同社だが、今回、8K放送の映像制作を想定したHDR対応の8Kマスターモニターを披露した。

27型のHDR対応8Kマスターモニターを試作

 HDR対応で、輝度は「3,000nit近く」とのことで、高開口率の「IGZO」の採用により、高輝度化が図れるという。今後本格化する8K放送やHDR制作環境に対応する予定。量産化の時期などは未定だが、8K放送の開始にあわせて、需要拡大をにらみ開発中とのこと。精細度は326ppi。実用化に向け、液晶パネル側の技術的な課題は少ないものの、8K映像の映像表示システムが大型になってしまうことや、インターフェイスなどが課題という。

IGZOを採用
映像表示システムの小型化などが課題に

 鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)会長が力を入れていくと宣言したIGZOについては、1,008ppiという精細度の2.57型超高精細IGZOを展示。2.7型の小型サイズながら、解像度は2,000×2,000ドットで、120Hz駆動に対応。高精細化が可能なIGZOのポテンシャルをアピールしていた。

2.7型で1,008ppiの超高精細IGZO
近づいても画素は見えない
ルーペで拡大しても滑らか
コーナーラウンドのIGZOディスプレイ
フリーフォームディスプレイもアピール

 鴻海による出資の一番の目的といえる有機EL(OLED)についてもアピール。折り曲げ可能な「フォルダブルOLED」や、タブレットやスマートフォンへの応用例などを紹介した。

OLEDにも力を入れる
フォルダブルOLED
折り曲げ可能
曲げられる(ベンダブル)タブレットなどのモックアップ
75型の8Kディスプレイ
会見をアストロデザインの8Kカメラで撮影し、8Kディスプレイに表示していた
120型ディスプレイ
白物家電もアピール

(臼田勤哉)