BD/DVD発売迫る「TO」がプラネタリウムで特別上映

-18日発売。山本モナ「心が洗われるような爽快感」


左からmoumoonのMASAKIさん、YUKAさん。山本モナさん、曽利監督

12月18日発売

 

 「ピンポン」や「APPLESEED」、「ベクシル」などを手がけた曽利文彦の新作フル3DCGアニメ「TO」(トゥー)が、12月18日にBlu-ray/DVDで発売される。それに先立ち、16日に発売記念イベントが池袋サンシャインにあるコニカミノルタプラネタリウム「満天」で開催。曽利監督と、山本モナさん、主題歌を担当したmoumoonが出席した。

 BD/DVDの詳細は既報の通りで、「TO 楕円軌道」と「TO 共生惑星」の2作品で構成されている。BD/DVDのどちらにも、単品版とツインパックをラインナップしており、BD版のツインパックは9,980円、単品は各5,985円となっている。 

BD版のツインパックBD版の「TO 楕円軌道」BD版の「TO 共生惑星」

 星野之宣のコミック「2001夜物語」を原作とした3DCG作品で、彗星の軌道のように15年に一度しか会えない男と女、未知の細菌との共生や人類同士の衝突など、宇宙に新たな夢を求める人類を待ち受ける運命を、壮大なスケールで描いているのが特徴。

 今回のイベントはプラネタリウムで行なわれ、全天周映写機を使用し、ドームスクリーンに3D映像を投写。宇宙空間から巨大宇宙ステーションが飛び出すスペシャル映像が上映されたほか、moumoonによる主題歌「青い月とアンビバレンスな愛」のライヴや、山本モナ、曽利監督によるトークショーも実施された。なお、スペシャル映像は12月25日まで、「満天」で観ることができる。

 曽利監督は、今回の作品を作るキッカケについて「学生の頃原作を読んで、まるで映画だ! という気持ちになって、是非、将来に映画化したいと思っていました。原作のファンだったので、原作の雰囲気を壊さないように忠実に作りました」という。

 今回の上映については「この会場に合うように、ドームに投写するための映像を、特製で変換して作りました。テストで何回か見ましたが、かなり驚きました。肉眼で星や宇宙船がそこにあるように見えるので、満天に来る人は是非期待して欲しいです」とコメントした。

 「プラネタリウムでライヴするのは初めて」と語るのはmoumoonの2人。「幻想的で響きが素晴らしかった。“TO”を観た時は、こんな映像を観るのは初めて味わう感覚で、鳥肌が立つほどでした。ワイドなサウンドとマッチしてせつなさがこみ上げてきました。この素晴らしい作品と共に私たちの曲も心に残してもらえたらとてもうれしいです。ぜひ、大きなスクリーンで、TOとこの曲を楽しんでください」と語った。

 

山本モナさん
 ゲストとして登場したのは、芸能界屈指の宇宙好きで、幼少のころから宇宙物理学に興味を持ち、望遠鏡を覗いて天体観測をしていたという山本モナさん。「子供の頃から、宇宙は広がっていることに興味があって、“宇宙じゃないところは何だろう?”と思っていました。東大の先生に説明してもらったけど、あまりに難しくてわからなかったんですけどね」と笑う。

 作品については、「映像が綺麗で、ストーリーも本当に素敵で、終わった後に流れる主題歌で心が洗われるような爽快感のある作品でした。是非、クリスマスの夜に大切な人と見ていただきたいです」と感想を語った。



■ あらすじ

 「楕円軌道」の舞台は、地球軌道上に浮かぶ宇宙ステーション“ミッドナイトバズーカ”。そこはシャトル発着基地でもあり、月基地(ムーンベース)との連絡基地でもある。ある日、ミッドナイトバズーカへ、有力資源“液化プロトン”を積載した輸送船“フライング・ダッチマン”が、15年ぶりに訪れる。ステーションリーダー・ダンと輸送船船長・マリアは久しぶりの再会を果たし、空白の15年間を語り合う。

 そんな時、シャトルが一機、ステーションに近づいてくる。ゲートを開くと、武装したテロリスト達が一斉にステーションへ突入。彼らの目的は、液化プロトンを使った月基地爆破だった。破壊を阻止するべく、ダンとマリアは液化プロトン奪還に向かう……。

 

(C)2009 星野之宣・双葉社/「TO」製作委員会

 「共生惑星」で描かれるのは、地球の化石燃料が枯渇したため、“第5惑星”を東西に分けて資源発掘に乗り出す人類。東コロニー所属の男性研究員・イオンと西コロニー所属の女性研究員・アリーナ。東西に別れていながらも惹かれ合い、夢を語り合う二人。ある日、東西調停会議の場で、西コロニー側から惑星にはびこる菌類や有害生物の焼尽作戦を提案される。

 反目する両コロニーは、それぞれに思惑があるため、ずっと平行線をたどってしまう。そんな時、イオンは、菌類に感染されたコロニー内実験室を発見する。そして更に、自分自身も感染してしまう……。身を呈して拡大感染を阻止しようとするイオンとは裏腹に、両コロニーの策略が錯綜する。


(2009年 12月 17日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]