レビュー
“寝ながら動画”用にタブレットが欲しい、DTS:X Ultra対応「Nubia Pad Pro」使ってみた
2026年2月3日 08:00
寝ながら動画を楽しむのにタブレットが欲しい
最近、横になって動画を観る時間が増えている。理由は単純、寒さでなかなか布団から出られないのだ。スマートフォンは動画を観るには画面サイズが物足りないし、やたらと届く通知で落ち着かない。タブレットなら映像も音も……いやいや、正直満足していない。
そんなとき、ふと思い出したnubiaのタブレット「Nubia Pad Pro」(直販79,800円)。
4スピーカー搭載の10.9インチAndroidタブレットでDTS:X Ultra対応というスペックで、映画鑑賞にも使えそうだな、横になって見るのにちょうどよさそうだな、と感じていた。ごく短期間試用したことはあるものの、この際映画をガッツリ観てみよう、としばらくお借りすることにした。
内蔵スピーカーにも注目したい、タブレット事象
Nubia Pad Proについて触れる前に、現在のタブレット事情を「画と音の再生能力」目線でかんたんにまとめておきたい。Wi-FiモデルかSIMモデルか、カメラの画素数がいかほどか、といった評価軸はこの際横に置く。
Android系とiOS/iPadOS系のどちらも、ディスプレイの主流は11インチといっていいだろう。画面解像度はWUXGA(1,920×1,200ドット)以上、水平方向の画素数でいえば2.5K(2,500ドット)以上のモデルが増えている。OLED(有機EL)モデルも増えているが、値ごろ感のある液晶モデルも人気だ。
音の視点でいえば、スピーカー2基搭載のステレオ対応機種が多いところ、4基、8基といったメニースピーカー搭載かつ立体音響技術対応機種も存在感を発揮している。立体音響技術に対応しているかも注目点だ。
この目線で最近発売されたタブレットたちを眺めると、Nubia Pad Proの存在が気になる。
10.9インチTFT液晶で、解像度は2.8K(2,880×1,800ドット)、リフレッシュレートは最大144Hz。スピーカーは上下端に2基ずつの計4基、水平方向に持つときには左右両端となる位置に配置されている。立体音響技術は「DTS:X Ultra」をサポートするところが目新しい。
というところで、Nubia Pad Proを「画と音の再生能力」の視点から使用感を述べてみたい。
ゲーミングモデルではあるものの
Nubia Pad Proを手にすると、ややずっしりした印象。10.9インチディスプレイに縦横とも約8mmのベゼルがあり、ボディサイズは253.34×164.56×7.3mm(縦×横×厚み)、重量は523g。11インチIPS液晶搭載のiPad(A16/Wi-Fi)が477gだから、若干重めに感じてしまう。
Nubia Pad Proのボディは一体型のアルミニウム製。ディスプレイ下部には冷却合金や高導電性銅箔、高熱伝導ゲルなどを使用した6層冷却システムを備えており、冷却性能には期待できそう。Snapdragon 8 Gen 3というSoCの性能にくわえ、最大144Hzというリフレッシュレートと840Hzのタッチサンプリングレートからしても、AVというよりはゲーミングを強く意識したモデルといえる。
スピーカーは左右両端に各2基、画面の上下から2割ほど中心へずらした位置にメッシュが設けられている。メッシュを塞がないよう意識することになるが、523gという重量からすると1、2時間の連続視聴が当たり前のAV用途では手持ちは厳しく、スタンドに載せて使うことになりそうだから、この点が問題になることはないだろう。
なお、Nubia Pad Proが対応しているDTS:X Ultraは、ヘッドフォンよびスピーカーを対象とした空間音響処理技術で、ノートPCやタブレットを主要なターゲットデバイスとする。
ゲームやXRといったコンテンツの音響面での没入感を高めるようデザインされており、必ずしも多チャンネルソースは必要としないため、ステレオ音源であればOK。だからソースはストリーミングアプリでも、地上波を録画したものでも構わない。
画と音をチェック
まずは、映画を視聴する。
選んだタイトルは、敢えての「オブリビオン」と「ノーカントリー」。Nubia Pad Proをしばらく利用して気になった点を確認したかったからだ。
U-NEXTアプリでオブリビオンの再生を始めると、「UNIVERSAL」ロゴの回転にあわせて音が移動する。これはDTS:X Ultraの効果だろう、かなりわかりやすい。
捕らえられたトム・クルーズが暗闇で目を覚ますシーンでは、彼が出す衝撃音やモーガン・フリーマンの声が室内に響き、広々とした空間であることが音だけで確認できる。離して設置された照明が次々点灯するときには、それぞれの位置から音が出ているようで、DTS:X Ultraのメリットを実感した。この音響技術があるかないかで、映画の楽しさが大きく変わるはずだ。
一方で、映像面では気になるところもある。暗部の階調を見ようと、カメラがモーガン・フリーマンに移るシーンをチェックしてみると、サングラスと赤い丸(葉巻の火)しかわからない。10年ほど前、液晶テレビのコントラストと暗部階調再現性能を確認する目的で数え切れないほど見たシーンだが、やはりTFT液晶では厳しい印象だ。
劇中音への強いこだわりで知られる「ノーカントリー」も音が良い。ハビエル・バルデム演じるアントン・シガーが白昼堂々やりたい放題やっているシーン(たくさんあるが)は、音の方向が感じられるからかなりエキサイティング。
砂漠のシーンはピーク感があり、色域の広さも感じられる。しかし、闇夜の銃撃戦では飛び交う弾は感じられても暗部階調の不足で登場人物が判然としない。
続いて「どこでもディーガ」アプリで地上波のニュース番組を視聴したが、こちらは特に不満なし。肌色は自然で色飛びすることもなく、アナウンサーの声の位置も違和感がない。PCで作業しながらニュース番組を流すときも、TFTだから視野角は広く、斜め方向から見ても色ヌケするようなことはない。
「音が動く」ことの楽しさ
2.8K解像度にDTS:X Ultraの立体音響はAV向きかも? ということで試用してみたNubia Pad Pro。暗部階調表現はもうひと声といったところだが、DTS:X Ultraの効果が存外に大きかった。
リアルサラウンドのような包まれ感はないものの、オブリビオンでの閉鎖的で音が反響する室内の気配、ノーカントリーでの音の位置関係は、リアルサラウンドの美味しい部分をうまく抽出しているように感じられた。音圧はあと一歩、低域の量感も欲しいところだけれど、"ニアフィールドで楽しむハンディシアター"としてはイケているように思う。












