藤本健のDigital Audio Laboratory

第849回

自宅から手軽に高品質ライブ配信! 話題の「ATEM Mini Pro」試してみた

ブラックマジックデザインのスイッチャー「ATEM Mini Pro」

外出がしにくい昨今、自宅からYouTube Liveやニコニコ生放送、ツイキャス、Facebook LIVE、インスタライブ……といった、ネットを使った生配信を始めている人が急速に増えてきているようだ。

筆者は「DTMステーションPlus!」という番組を作曲家の多田彰文氏と6年半前から行なっており、通常はスタジオから配信しているが、この事情により4月からは自宅からの配信に切り替え、多くの人たちと同様の環境で行なっている。

そうした中、前回行なった5月5日の配信では新たな試みとして、配信機材にブラックマジックデザインのスイッチャー「ATEM Mini Pro」(67,980円)を利用したシステムを導入してみた。先日発売されたばかりの、まさに今話題の機種なのだが、使ってみると非常に高性能で便利である一方、使用する上で注意すべき点などもあったので、その使い勝手などをレポートしてみよう。

緊急事態宣言→リモート接続で配信→問題発生→機材体制見直しへ

DTMステーションPlus! は、2013年9月に多田氏と始めた生配信のネット番組である。スタート当初の半年はUstreamで行ない、2014年3月からニコニコ生放送として再スタート。そのニコニコ生放送になってから、5月5日の番組でちょうど150回目を数えた企画だ。

途中AbemaTV FRESH!(後にFresh! LIVEなどいくつかの名称に改名)と、ニコニコ生放送のダブル配信に切り替えたり、その後YouTube Liveとニコニコ生放送のダブル配信にするなど、紆余曲折はあったが、現在も約2時間の番組として続けている。

スタジオで行なった際の番組。画面はDTM入門コーナーの「田村響華と今日からDTM♪」

配信システムも何度か切り替えてきたが、ここ数年使っているのはビデオミキサーにローランドのVR-4HDを、配信機材にセレボのLiveShell.Xを使うという組み合わせだ。もちろん、それ以外にカメラが3~4台、コンデンサマイクを3~4本、MacBookにWindows PC、オーディオミキサー、照明機材……と結構多くの機材を使っているのだが、普段はそれらをスタジオに持ち込んで配信しているのだ。

Roland「VR-4HD」
Cerevo「LiveShell.X」

LiveShell.Xの詳細についてはここでは割愛するが、ごく簡単に説明すると手のひらにのるサイズの機材ながら、LANケーブルを接続し、HDMIで映像・オーディオ信号を入力すると、最大3系統の生配信が可能という機材。つまりPCを用意することなく、単体でニコニコ生放送やYouTube Live、ツイキャスを同時配信できるという優秀な機材なのだ。

microSDを挿すと録画することもでき、この時も1系統とカウントされるため、DTMステーションPlus! ではニコニコ生放送、YouTube Live、そして録画を行なっている。失敗が許されない生配信において、PCだと、どうしても不安定になりがちなのを避けることができるとともに、3系統同時にエンコード・配信をすると、結構な処理能力を必要となるため、配信用にPCを買うより遥かに安上がりだったというのも導入した背景にある。

緊急事態宣言が出た4月7日が、まさにDTMステーションPlus! の配信日であり、東京・お茶の水にあるESPミュージックスクールのスタジオで行なう準備をしていたのだが、状況が大きく変わったため、その日の配信は中止にした。が、その後もスタジオが使えるようになるメドが立たないため、4月21日にそれぞれの自宅をネットで接続して配信することにした。

この際は、LiveShell.Xを含めた機材一式が多田氏の手元にあったので、多田氏が自宅から配信を行ない、そこにDiscordを使って筆者が参加する形をとった。そう、前回前々回の記事で声優の小岩井ことりさんと行った実験結果からDiscordの音がよさそうであったので、これを利用したのだ。またこの日はゲストとしてクラリネット奏者の若林愛さんにも参加してもらい、若林さんも同様にDiscordを使ってもらったのだ。その時の番組は下記の通りだ。

「おうちでDTM・プレトークスペシャル!」 第149回

このようなリモート接続での配信は今回が初ではない。これまでもスタジオに多田氏が、筆者は遠隔地にいてSkypeで接続して配信……ということは何度か行なっていたので、何とかなるだろうと思ってはいた。

21日の配信に向けてリハーサルは何度か行なっており、実際何とかはなったが、いくつかの問題が露呈した。最大の問題は、昨今のネットの混雑で多田氏の自宅の通信環境が悪化しており、当日も綱渡り状態であったという点。また、配信主体が多田氏側になるため、筆者が実演をするような場合、Discord越しだとなかなか見せ辛かった、という点だ。

そのため、配信後のオンラインミーティングにおいて筆者側が主体となって配信できる体制も整えようという話になった。とはいえ、そのたびに機材一式を受け渡しするというのも、機材が多いだけになかなか大変。

ビデオカメラやPC、オーディオインターフェイス、ミキサー、マイクなどは筆者の手元にあるので、VR-4HDとLiveShell.Xだけを宅配便などで送るという手も考えたが、何らかの事故で機材が壊れたりすると一大事。そこでバックアップ体制を整えて、もう1セットを……というようにも考えたのだが、この2台を揃えるとなると40万円近い出費となり、予算オーバー。

どうしようか……と考えているときに、偶然にもブラックマジックデザイン(Blackmagic Design)の広報担当者から「ATEM Mini Proを1週間ほど貸すので試してみませんか?」という連絡をメールでいただいたのだ。まるで我々の苦境をお見通し、というようなタイミングで驚いたのだが、まさにこの機種についても少し話し合いをしていたところだったので渡りに船という感じだった。

筆者の周りでも「ATEM Mini」や、「ATEM Mini Pro」を導入した、という話をSNSのタイムライン上でよく見かけていたので、どんなものなのだろうと気になっていた。改めて調べてみると、ATEM Mini Proはビデオミキサーと配信機を合体させたような小型機材で、我々のニーズにもピッタリマッチしそうなのだ。

ATEM Mini Pro
背面

HDMI入力4、USBメモリへの直接録画もできる小型スイッチャー「ATEM Mini Pro」

スペックを見るとHDMIの入力を4系統持ち、ビデオカメラやPCなどを接続して切り替えたり、ワイプしたりできるとともに、ピクチャーinピクチャーも実現可能とある。またLAN接続した上で、ここから1系統ではあるが直接配信もできる機材で、さらにUSBメモリーを挿せば、そこに録画もできると記載されている。

DTMステーションPlus! としては、ニコニコ生放送とYouTube Liveへの配信を同時に行ない、さらに録画もしたいので、ATEM Mini Proだと1つ足りないのだが、USB-Cの端子があってPCにもデータを送れるので、OBSなどを使えば実現できそうだ。というわけで、連絡をいただいた広報担当者にメールするとともに、少し無理を言って準備期間も含め2週間程度という形でお借りすることにした。

届いた機材を見ると、思っていた以上に小さい。VR-4HDが手元にないので並べることができないが同じ4入力ある切り替え機ではあるけれど、設置面積的にも1/4くらいだろうか。マニュアルはPDFでのみの提供なので、とりあえず何も見ずにセッティングを始めてみたが、使い方が直感的でとても簡単に使えそう。

届いた「ATEM Mini Pro」。想像以上にコンパクトな印象

最初に驚いたのは電源スイッチがなく、ACアダプタを接続するだけですぐに動き出し、電源オフもACアダプタを抜くだけ。デジタル機器なのにShut downとかしないで大丈夫なのかと心配になってしまったが、この辺が業務機器仕様というか、実際には家電感覚で使える機材ということのようだ。

HDMI入力にカメラやPC、iPadなどを接続。HDMI出力に手元にあって使っていなかった24インチのディスプレイを繋いでみると、すぐに表示され、1~4のボタンを押すことで切り替えができるし、ピクチャーinピクチャーも簡単。EFFECTというところのボタンを押してから入力画面を切り替えると左から右へワイプしたり、上から下へワイプするなど、滑らかに切り替わっていく。またVIDEO OUTをMIXにすると、ATEM Mini Proの各状況が一覧で表示されてすべてを把握できる。これは非常によさそう。

ディスプレイを繋ぐと即座に表示された
1~4のボタンで切り替え可能
EFFECTボタンを押してから入力画面を切り替えると、ワイプなどの操作が行なえる
状況の一覧表示も可能

マニュアルなしの手探り操作ではあるけれど、USB-C端子にWindows PCを接続すると、ドライバのインストールも不要であっさり認識。Windows側からATEM Mini ProはUSB接続のWebカメラと同じように見える。つまり、このままSkypeとでもZoomとでも接続できるし、OBSを起動すれば、ATEM Mini Proで操作した結果をそのまま配信できるわけだ。あっけないほど簡単に使えることには驚いた。

Windows側からATEM Mini ProはUSB接続のWebカメラと同じように見える

が、肝心のATEM Mini Pro本体での配信をどうするかとなると、さすがに手探り操作では限界。公式サイトに行くと、ATEM Software ControlなるソフトとPDFマニュアルがセットで配布されていたので、これを入手してインストール。するとソフトがATEM Mini Proを認識するとともに、より細かな設定ができるようになっていた。

ATEM Software Controlをインストール
ソフトウェアを使うことでより細かな設定が行なえる

画面の一つに「ライブ配信」という項目があるのを発見。ここでは配信サービスとしてYouTube、Facebook、Twitchを選択できるようになっており、配信キーを設定し、ビットレートを決める品質を設定すれば即配信できるようだ。

YouTubeを選んだ際、その品質は最低で4.5Mbps、最高では70Mbpsとなっており、LiveShell.Xと比較して断然高ビットレートで、画質・音質の向上も図れそうだ。それと同時に、前述の通りPCからはWebカメラのように見えるので、OBSでニコニコ生放送を設定すれば二元配信が可能であることもテストで確認することができた。

配信キーを設定し、ビットレートを設定すれば即配信できる
OBSでニコニコ生放送を設定すれば二元配信も可能

しかし、ここで引っかかったのが録画機能だ。

USBメモリを接続して、RECボタンを押せば、すぐに収録できるようなのだが、そもそもUSBメモリを接続するところが見つからない。マニュアルをよく調べてみると、PCと接続しているUSB-Cの端子にUSBメモリを接続しろ、とある。

いったんPCとの接続を切り離し、USBハブを介してUSBメモリを接続してみると、なるほど確かにこれで認識して、ここに録画していくことができる。が、ハブを変更するなど、いろいろ試してみたが、PCとUSBメモリの両方を同時に接続することはできなかった。さすがにUSB端子1つから配信と録画の両方を行うのは無理、ということなのだろう。もっとも、OBSには配信しながら録画する機能を備えているので、それを使えば目的を達成できる。

アナログ音声の出力端子がないため、やや工夫が必要

ところで、DTMステーションPlus! はDTMの活用法などを紹介していく番組であり、重要なのは音の部分。いかにいい音で配信できるかが肝となるのだが、ATEM Mini Proはその要望に応えてくれるだろうか?

LiveShell.Xは、HDMI入力とステレオミニ入力でオーディオを受けて配信することができる構造。我々の番組ではVR-4HDでオーディオ部分もしっかり作り込んだ上で映像とともにHDMIに送っていたのだが、ATEM Mini Proではどうするのか。ここが結構戸惑う部分ではあった。

まず入力端子を見てみると、アナログライン入力などが存在しない。あるのは映像を兼ねたHDMIの4つの入力と、プラグインパワー対応のステレオマイクの入力端子が2つあるのみ。

背面のインターフェイスは、HDMIが4入力と、プラグインパワー対応のステレオマイクの入力が2つ

これまでは+48Vのファンタム電源対応のコンデンサマイクを接続して使っていたが、今回はトーク用にちょっと古い機材だがEDIROL「CS-15」というプラグインパワー対応のマイクを使用した。すると、結構いい感度で音を入力できそうだ。しかも、ATEM Software Controlのオーディオ設定を見てみるとミキサー画面があり、このマイク入力や各HDMI入力に対してもEQやダイナミクスの設定が可能。ここではHDMIはそのままスルーで通したが、マイクには軽くコンプ・リミッターを掛けるなどして使ってみた。

追記:マイク入力だが、ATEM Software Controlで設定を変更することでライン入力にも切り替えられるようだ。

トーク用に、プラグインパワー対応のマイク「EDIROL CS-15」を使用
ATEM Software Controlのオーディオ設定内にあるミキサー画面
マイク入力や各HDMI入力に対して、EQやダイナミクスの設定が行なえる
マイクには軽くコンプ・リミッターなどを掛けてみた

一方で重要になるのが、リモート接続となる多田氏とのやりとりをどのように送るかだ。

5月5日は多田氏のほかに、シンガーの小寺可南子さんをゲストに招くことになったので、その二人を番組内に登場させ、映像とオーディオを出す必要があるのだが、実はこれが少し厄介だった。

本当はそんなに難しいものではなく、1台別のPCを用意してDiscordを動かし、そのビデオ出力、オーディオ出力をHDMIに設定するだけの話なのだが……。

本題とはズレるが、Mac版のDiscordが、オーディオインターフェイスとの相性が悪いケースがあるらしく、多田氏の環境がどうしてもうまく動かないため、本番直前にDiscordを使うのを諦めてZoomに変更。それで小寺さんも接続してうまくいったのだが、オーディオをHDMI出力にしてしまうと、Zoomの音をPCでモニターできないのだ。

本番直前にDiscordを使うのを諦めてZoomに変更した

ATEM Mini Proにヘッドホン出力などがあればいいのだが、それが無いのはちょっと扱いづらいところ。ATEM Mini Proの出力先のディスプレイがオーディオ機能を持っていればそこでモニターできるはずだが、あいにく今回使ったディスプレイにはオーディオ機能がないため音が出せない。

そこで思いついたのが、前回・前々回の実験において、小岩井ことりさんに教えてもらったソフト、VoiceMeeter Bananaを使う方法だった。このソフトは入出力を自在にルーティングでき、ミックスしたり、分岐したりもできるのでこれをうまく活用するのだ。

具体的にはZoomの出力先をVoiceMeeter Bananaに設定。その出力をHDMIと今回接続していたローランドのオーディオインターフェイス「Rubix 24」にそれぞれ送るというもの。こうすればRubix 24でZoomの音がモニターできると同時に、同じ音をATEM Mini Proに送ることができ、無事に使うことができた。

Zoomの出力先をVoiceMeeter Bananaに設定
ローランドのオーディオインターフェイス「Rubix 24」

一方で、事前に用意しておいたビデオを流したり、PCからの音を配信するために、Zoom用のPCを使うこともできたが、それだとそのビデオを再生中に、Zoomからの映像をピクチャーinピクチャーで表示させるといったことができないし、同じマシン内で複数ソフトを起動すると操作ミスやトラブルが発生しやすいので、さらにもう1台別のPCを用意した。

当初これにiPadを使うつもりだったのだが、どうもうまくビデオ出力ができなかったので、急遽最近使っていなかったノートPCを引っ張り出して、それを利用したわけだ。

さらに手元の機材を映し出すための小型カメラとして、ズーム「Q2n-4K」をHDMIに接続。どのHDMI入力に何を接続したかを間違えないようにするためにラベルを貼ったりしたのだが、Zoomとズームを混乱して、操作ミスをするなどがあったのは、ご愛嬌といったところか……。このようにいろいろつないだ状態を図にしてみたのが下記のようになる。

手元の機材を映すために用いた小型カメラ・ズーム「Q2n-4K」
どのHDMI入力に何を接続したのかをラベリング
接続図

PinPの使い勝手や音声出力は気になるが十分に実用的なスイッチャー

いっぱいの機材を繋いで、すべて一人で操作するので、ほかにも操作ミスがあって、音をミュートしたままになっていたり、違う画面を映してしまうなど、人為的なトラブルはいろいろだったが、大きな事故もなく2時間番組を配信することはできた。

ただ、使っていて気に入らなかった点もいくつかある。

それはピクチャーinピクチャーの融通性だ。どうしても普段使っているVR-4HDと比較してしまうのだが、ATEM Mini Proは小さいほうの映像がHDMI1固定となっているので、別の映像を小さく表示しようと思ってもできないのだ。

マニュアルで調べてみると、ATEM Software Controlを使うことで小さい映像を切り替えることはできるようだが、一人で操作している際、このボタン操作をするのが精いっぱいで、リアルタイムにソフトウェア画面を操作するのは現実的ではないので諦めた。

さらに気にかかったのが、ピクチャーinピクチャーのサイズが20%の小さなサイズに固定されてしまうところだ。これについてもATEM Software Controlで大きさを変えることができたが、ピクチャーinピクチャーの場所、つまり右上、左上、右下、左下の位置ボタンを押すと、リセットされて20%に戻ってしまう。そのため、今回は30%程度に設定し、位置も左下に固定した状態でピクチャーinピクチャーのON/OFFの設定をするだけにしたので、なんとかサイズをここに固定することができた。

XMLファイルを操作することで、ある程度のカスタイマイズはできるほか、操作手順を記録してボタンに割り当てるマクロ機能などもあるようなので、このピクチャーinピクチャーについても解決手段があるのかもしれないが、この点はまた改めて試してみようと思っている。

そして一番困ったのは、最終の出力音声を確認することができないという点だ。

前述の通り、出力用に接続したディスプレイがオーディオ出力機能を持っていればいいのだが、そうでないため、ここはレベルメーターだけを頼りに配信という形になってしまった。

もちろん、ニコニコ生放送やYouTube Liveで配信されてきたものを視聴することで、モニターすることは可能だが、それだとどうしてもタイムラグが出る。ニコニコ生放送は10~15秒程度だが、YouTube Liveでは1~2分近いタイムラグとなるので、この音を聴いていたのでは遅すぎる。

方法としては、OBSのモニター設定で配信用音声をオーディオインターフェイスから出力するという手もあったが、それでも微妙なディレイが発生してしまうのが気持ち悪いので、使わなかったのだが、本番の配信をスタートしてから、やはり設定しておくべきだったと後悔したのは後の祭り。

「おうちでDTM☆新しい試み編」第150回

なお、後から知ったのだが、ATEM Mini ProはMIDIコントロールという機能があり、Mackie Contorol互換の機材があれば、フェーダー操作などもできるとのこと。もっとも、ボタン操作でさえ精いっぱいなので、これを使えるようになるには、まだまだ先になりそうだ。

次回に向けては、やはり最終音を確認するためにHDMIの音声分離機を導入し、ここからイヤフォンでモニタできるようにしようと思っている。これをスピーカーから聴くと、ハウリングを起こしてしまうので、イヤフォンでいつでも確認できるようにしているのは、いつもVR-4HDで行なっているのと同じ手法。

そのほかカメラの設置場所や照明の設置場所など、いろいろ変更すべき反省点はいっぱいだったが、ATEM Mini Proが確実に機能し、無事に配信ができたのは紛れもない事実だ。

VR-4HD+LiveShell.Xのシステムと比較すると、メリット・デメリットいろいろあるが、これで十分配信はできるし、より高画質・高音質できることもわかったので、正式にATEM Mini Proを購入し、次回の5月19日の番組に向けて準備を進めようと思っている。

藤本健

 リクルートに15年勤務した後、2004年に有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンスソフトの開発やMIDIインターフェイス、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でも、システム周りの知識は深い。  著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン 」(インプレスジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)などがある。またブログ型ニュースサイトDTMステーションを運営するほか、All AboutではDTM・デジタルレコーディング担当ガイドも務めている。Twitterは@kenfujimoto