ニュース

Ankerが左右分離イヤフォンや、ハイレゾスピーカーなどオーディオ強化。秋にAI搭載も

 アンカー・ジャパン(Anker)は27日、オーディオ分野の強化を発表。左右分離型イヤフォンや、Bluetoothスピーカーなど9シリーズ12製品を披露した。税込価格は、左右分離型イヤフォン「Soundcore Liberty Lite」が6,599円、ノイズキャンセリング搭載ヘッドフォン「Soundcore Space NC」は14,300円、出力60WのBluetoothスピーカー「Soundcore Model Zero」は19,800円を予定。5月2日に小型スピーカー「Soundcore Mini 2」を発売し、それ以外のモデルは今夏にかけて順次発売する。

左右分離型のSoundcore Liberty Lite

 同社は1月に設立5周年を迎える。これまではモバイルバッテリなどのチャージング関連製品を軸に展開してきたが、今後の新たな成長に向けて強化するのがオーディオ分野。既存の「SoundCore」シリーズと「Zolo」の2つを「Soundcore」に一本化し、Ankerに次ぐ第2のブランドとして成長させるという。さらに、初のAI搭載モデルを秋に発表すると予告した。

SoundcoreをAnkerに次ぐブランドに

汗に強い「SweatGuard」搭載イヤフォン、NCヘッドフォンなど

 Bluetoothイヤフォンの主力モデルは、ネックバンド型の「Soundcore Spirit」。IPX防水対応で、汗に強い独自の「SweatGuard」機能を搭載。イヤーフック付きの「Soundcore SpiritX」も用意する。

Soundcore Spirit
Soundcore SpiritX

 SweatGuardは、潜水艦で使われる技術にインスパイアされたという技術と、特殊なナノコーティングで構成。Soundcore Spiritは構造設計の段階でIPX7基準を満たした上で、耐水層/非腐食性の遮断層/電気保護層/ICアンダーフィル材のコーティングを施した。

SweatGuard技術

 左右分離型Bluetoothイヤフォン「Soundcore Liberty Lite」は、6,599円と低価格ながら、約12時間動作(充電ケース併用)する。IPX5対応で、SweatGuardも採用。

左右分離型のSoundcore Liberty Lite

 ネックバンド型で通話の音声品質を高めた「Soundcore Life NC」も用意。内蔵マイクで周囲の騒音を集め、通話相手にノイズを削減した声を伝えられるという。aptXコーデックにも対応する。IPX5に対応するが、SweatGuardは搭載しない。

通話NC搭載の「Soundcore Life NC」

 アクティブノイズキャンセリング搭載ヘッドフォン「Soundcore Space NC」は、ワイヤレスで20時間動作し、タッチ操作に対応。ステレオミニの有線接続も可能。

NCヘッドフォン「Soundcore Space NC」

 Soundcore Vortexは、aptXにも対応するヘッドフォンで、20時間動作。人間工学に基づいたデザインや、耐衝撃性の高さも特徴とする。

ヘッドフォン「Soundcore Vortex」

【Soundcoreヘッドフォン/イヤフォンのラインナップと予定価格/税込】
・IPX7イヤフォン「Spirit/Sprit X」各2,999円
・左右分離型イヤフォン「Liberty Lite」6,599円
・通話ノイズキャンセリング(NC)/aptX対応イヤフォン「Life NC」14,300円
・aptX対応ヘッドフォン「Vortex」5,999円
・アクティブNC搭載ヘッドフォン「Space NC」14,300円

イヤフォン/ヘッドフォンのラインナップ

Bluetoothスピーカー

 360度サウンドのBluetoothスピーカー「Soundcore Flare」は、内蔵バッテリで12時間動作し、IPX7防水に対応。出力は6W×2ch。上位モデルとして、出力25WでスマホなどへのUSB充電も可能な20時間動作の「Soundcore Flare+」も用意する。

360度サウンドのBluetoothスピーカー「Soundcore Flare」

 Flare/Flare+は、同モデル2台を組み合わせてステレオ再生も可能。本体下部にイルミネーションを備え、スマホ用アプリを使って光り方のパターンを変更できる「ムードコントロール」に対応。

 Ankerのこれまでのノウハウを活用したという新機能「PowerBoost」は、音楽信号の強弱に合わせて、信号が大きい時のみ電圧を上げる動作により、消費電力を従来比30%削減できるというもの。内蔵のDSPで電圧を制御しており、音質劣化や遅延もないという。

360度サウンドで20時間動作する「Soundcore Flare+」
PowerBoost技術

 60W出力が可能な上位モデル「Soundcore Model Zero」は、有線接続時にはハイレゾにも対応し、バッテリで約10時間動作。IPX5防水に対応する。デンマークのSCANSPEAK製ドライバを搭載するのも特徴で、ユニットはフルレンジ×2、ツイータ×2。パッシブラジエータも2基内蔵。出力は総合60W。

ハイレゾ対応スピーカー「Soundcore Model Zero」
内部のユニット

 その他にも、小型で6W出力/約15時間動作の「Soundcore Mini 2」や、5W×2ch出力で約16時間動作の「Soundcore Motion B」、8W×2chで約10時間動作の「Soundcore Motion Q」を用意。いずれもIPX7防水に対応する。

Soundcore Mini 2
Soundcore Motion B
Soundcore Model Zero

【Soundcoreスピーカーのラインナップと予定価格/税込】
・「Mini 2」(8W)3,999円
・「Motion B」(5W×2ch)3,299円
・「Motion Q」(8W×2ch)4,999円
・「Flare」(6W×2ch)5,999円
・「Flare+」(25W)12,150円
・「Model Zero」(60W)19,800円

スピーカーのラインナップ

イヤフォンは「防汗」にこだわり。AI搭載モデルも予告

 アンカー・ジャパンの井戸義経代表取締役は、日本法人設立からの5年間を振り返り、KDDIのオフィシャル充電器販売や、スマホアプリの「Pokémon GO」人気などを受け、モバイルバッテリを中心に成長。2017年までの成長率は720%に達したという。

アンカー・ジャパンの井戸義経代表取締役
設立から2017年までの成長

 成長の要素として、「ファブレス」、「EC市場」(Amazonなど)、担当者がすべて正社員という「カスタマーサービス」の3つを挙げ、モバイルバッテリ中心から、スピーカーやイヤフォン、スマートデバイス(スマートスピーカーなど)、家電まで拡大してきたことを紹介。

オーディオ分野も拡大

 オーディオ分野は、これまでBluetoothスピーカーをSound Core、イヤフォンをSound Buds、左右分離イヤフォンをZoloの各ブランドで展開してきたが、これらを新たな「Soundcore」ブランドに一本化。井戸氏は「チャージングに続く領域を求め、Ankerに次ぐ第2のブランドにすることにコミットする」とした。なお、既存モデル「Eufy Genie」のような家電連携のスマートスピーカーは、Soundcoreとは別に展開するという。

 本国よりオーディオ部門の担当者も来日。Ankerのヘッドホングループ ゼネラル・マネージャーを務めるRock Gao氏スピーカーグループ ゼネラル・マネージャーのHerbert Fan氏が各分野の特徴や今後の展開などを紹介した。

ヘッドホングループRock Gaoゼネラル・マネージャー

 新イヤフォンでSweatGuardを採用した背景について、Gao氏は「1年半で世界各地のフィードバックを集計したところ、カナル型(耳栓型)では、シンプルな不具合を除いて故障の50%は原因が汗によるもの。防水構造を完璧にしても、落としたりぶつけたりする場合がある。変形した場合も、ナノコーティングによって防水に対応する」とした。

 また、イヤフォンの今後の計画として「中期的には、今までのリーズナブルな価格で高いユーザーエクスペリエンスの製品を続ける。長期的には、AI機能を実現したい。初のAI搭載製品は秋に発表する」とした。

 新スピーカーの注目ポイントとしては、「小型デバイスで大音量、重低音を確保し、音質を下げない」というBassUP技術や、SCANSPEAKを紹介。また、専用アプリでのイコライザ機能は、「エンジニア目線で、数字で設定するのではなく、“フラット”や“ポップ”など分かりやすくビジュアル化した、ユーザーの使い方に重点を置いた」とした。

スピーカーグループHerbert Fanゼネラル・マネージャー
スピーカーと連携するスマホアプリの画面

Amazonだけでなく直販サイト開設や、リアル店舗の強化も

 アンカー・ジャパン 執行役員 事業戦略本部 統括の猿渡歩氏は、今後の販売戦略について、現在のAmazonだけでなく、新チャネルとしてAnker公式ストアを5月31日に立ち上げることを予告。「ITに詳しくない人も簡単に買える」ことを目指す。SoundcoreやAnkerなどブランドを横断し、購入額に応じたポイント還元の会員ランクを設定し、上位の会員は限定製品の購入もできるという。

猿渡歩氏

 また、リアル店舗の戦略については、現在は家電量販店や携帯キャリアショップなどで展開しているが、今夏より、期間限定ブランドストアの出店を計画中。初夏に大阪で、冬に東京でオープンする予定で、そこで支持された場合は長期展開や、旗艦店の展開も検討するという。

 今回発表したSoundcore新モデル以外にも、海外で展開しているプロジェクタ「MEBURA」や、ドライブレコーダ「ROAV」の新機種など各分野の製品を投入予定で、「2018年は5周年というだけでなく重要な1年。新分野への挑戦により、日本単体で売上100億円を目指したい」とした。

直販サイトを5月31日に開設予定
期間限定ブランドストアを大阪と東京で計画
今後も新製品を発表予定