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「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」12月公開。30分新規シーン“もう一本の映画”
2018年7月26日 04:00
ロングラン上映を続けているアニメ映画「この世界の片隅に」に、約30分の新規シーンを追加した別バージョンが、今年の12月に公開される事が決定した。タイトルは「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」。片渕須直監督によるタイトル案を、原作者・こうの史代が快諾した新タイトルだという。
片渕監督は、原作にはまだまだ魅力的なエピソードがあり、それを描き足すことによって主人公のすずさんだけではない、「さらにいくつもの人生」を描き出したいと考え、制作に至ったという。
新規シーンの絵コンテは、企画当初から存在はしていた。12月公開バージョンでは、それらを見直しながら復活させ、更に新たなカットも追加。現行版とは一部主題も変わってくるため、別の題名をつけた「もう一本の映画」として制作することになった。
具体的には、主人公すずと、すずが嫁ぎ先の町で初めて出逢う同世代の女性リンとの交流を描いた、昭和19年秋と昭和20年冬から春にかけてのエピソード、さらに妹すみを案じて過ごす中で迎える20年9月の枕崎台風のシーンなどが追加される。
新しい登場人物や、これまでの登場人物の別の側面なども描かれ、「彼女たちの心の奥底で揺れ動く複雑な想いが描き出されることで、より大人な印象のすずさんになる」という。
特報映像やティザービジュアルも公開。片渕監督自らが制作した特報映像では、コトリンゴが歌う「悲しくてやりきれない」に乗せ、指につけた紅によってリンさんの横顔が描かれていく。さらに「リンさんをさがして。そう、うちの声が言うのが聞こえた……」というすずさんの声が新たに収録されており、より深い物語を予感させる作りになっている。
片渕須直監督コメント
戦争しおってもセミは鳴く。ちょうちょも飛ぶ。そして、人には人生がある。
それが戦争中であっても。明るくぼーっとした人のように見えるすずさんが自分以外の「世界の片隅」と巡り合うとき、すずさんの中にはどんな変化が生まれるのでしょうか。
すずさんの中にあったほんとうのものを見つけてください。