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発売前のAV機器をいち早く紹介 |
BSデジタルハイビジョンをそのまま録れるHDDレコーダ |
Panasonic NV-HDR1000 |
発売日/3月20日発売 定価/225,000円 |
上面 |
正面 |
背面 |
側面 |
前面パネル | 背面パネル(外側) | 背面パネル(中央部) |
■ 主な特徴
放送形態 | 録画時間 |
HD放送 | 約2時間30分 |
SD放送 | 約5時間 |
BSデジタル放送(HD/SD)を録画できるHDDビデオレコーダ。愛称は「デジタンク」。i.LINKを搭載し、D-VHSへデジタルダビングが行なえる。ただし、コピーガードがかかっている部分やコピーワンスの番組はダビングできない。
HD容量は30GB。AV用に設計されたもので、BSデジタルハイビジョン放送を約2時間30分、アナログ放送なら最長で約25時間の記録が可能としている。テープメディアでは不可能な「追いかけ再生」やリストから選んで再生する「ビジュアルプログラムナビ」など、HDDビデオレコーダならではの機能が搭載されている。
アナログ録画モード | 録画時間 | ビットレート |
XP | 約5時間 | 12Mbps |
SP | 約10時間 | 6Mbps |
LP | 約15時間 | 4Mbps |
EP | 約25時間 | 2.4Mbps |
録画中に録画済みの番組を見ることも可能。見ている番組を直前から再生する「プレイバック再生」は約7秒前からとなっている(約1分前までさかのぼることが可能)。サーチは15秒、2分、10分の3段階と番組単位で行なえる。
録画番組数は120番組まで、予約録画は24番組まで。Gコード予約(地上波のみ)、日時・時刻指定予約、EPG予約(BSデジタルのみ)といった3種類の予約モードを搭載している。ビジュアルプログラムナビでは録画番組のダイレクト再生のほか、番組リストを録画日、曜日、チャンネル、開始時間で並び替えることができ、目的の番組を探しやすくなっている。
リモコンは前面上部がフリップになっており、2次的に使用するボタンがまとめられている。また、背面にもタイマー設定などのボタンが配置されている。
接続端子はi.LINKのほかにD1映像出力、コンポーネント音声出力、S映像入出力、コンポジット入出力、アナログ音声入出力を備えている。増設用HDDのためのi.LINK端子も搭載しており、オプションとして発売される予定。
BSデジタル放送のデジタル録画 | i.LINK経由で可 |
BSデジタル放送のアナログ録画 | 可能。データ放送/マルチビューの録画は不可 |
地上波放送の録画 | エンコード(デジタル)録画のみ |
CSデジタル放送の録画 | i.LINK、エンコード |
CSアナログ放送の録画 | エンコード(デジタル)録画のみ |
デジタル録画をD-VHSデッキでデジタルダビング | 可能。コピー制限のある番組は不可。DV機器は不可 |
デジタル録画をアナログVHSデッキでダビング | 可能 |
Gコード予約 | 地上波のみ |
日時・時刻指定予約 | 毎日予約、毎週予約可能 |
EPG予約 | 停止状態で設定。修整/取り消しはチューナで行なう |
青く光るイルミネーション | リモコン | 前面パネルが開く |
■ 編集スタッフのファーストインプレッション
直線を基調とし、斜めの線を取り入れたデザインは未来的で高級感がある。テープデッキには見られない薄型の筐体が、何かやってくれそうな期待感を抱かせる。デッキ然としたサイズなのにすっきりしたフロントパネルもインパクト大。これまでの機器にない不思議な雰囲気だ。部屋に来た人は「何これ?」と訊ねること必至である。また、作動音が予想以上に静か。実際に使っていれば、まったくといっていいほど気にならない。 使い勝手だが、まず操作にタイムラグがあるのが残念。HDDということで「テープより速いはず」という先入観があったせいもあるが、操作の際、リモコンを押してから反応するのに5秒くらい遅れるのがまだるっこしい。起動にも10秒くらいかかる。ちょっと裏切られた感じた。 周辺機器との接続性にも苦労させられた。いや、BSチューナとの接続自体は基本的にi.LINKのみなので簡単なのだが、EPG予約の修正、取り消しなど、BSチューナ側で操作しなければならない機能が結構ある。シャープとパイオニアからBSチューナーを内蔵したHDDビデオレコーダが発売しているので、BSチューナを持ってない人は、そちらを検討するもの一考だろう。本機との差額はシャープ、パイオニアとも105,000円だ。ただし、i.LINKがないため、HD放送のデジタルダビングができなくなるが。 また、アナログ放送をMPEG-2変換して録画できるのだが、LP以下だとブロックノイズが目立つ。しかし「録り棄て」が主目的ならそれほど気にならないだろう。XPモードは美しく感じた。5時間しか撮れないのが本当に残念である。 「録り棄て」が主体の人、仕事でゴールデンタイムにはまず帰宅できない人、面倒くさがりやの人、そして「BSデジタルチューナ内蔵テレビ、またはBSデジタルチューナをすでに持っている人」にとって、かなり気になる存在になるのでは。 |
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HDDレコーダーはテープメディアよりも使い勝手が良い、という印象があるのだが、どうも本製品は操作性が煩雑である。はっきり言ってフィーリングでは操作不可能なレベル。 BSデジタル放送の録画/再生は、i.LINK経由でBSデジタルチューナを介しての出力なのに、「プログラムナビ」等の操作画面はD1やS端子等の出力のみ。BSデジタル画面と操作画面とを行きつ戻りつしないといけないのはどうかと思う。HDDレコーダーの利点のひとつである「検索性」は、この時点で意味をなさなくなくなっている。まあ、地上波放送はこの利点を活かせるのであるけれども。 地上波放送の録画/再生の操作性も煩雑。画面は録画時に限らず常にエンコードされた状態で表示されるようだ。録画モードを切り替えれば画質も変わるので、録画状態を事前にモニターできるので便利だと思う。ただ、いつもまともに映っている(ように見える)NHKの放送でブロックノイズが確認できた。受信状態によるものだろうか? BSデジタルの再生画質はMPEG2-TSをそのまま記録するので再生も問題ない。地上波放送は、長時間モードのEP以外、十分きれいに見せてくれる。EPは動きのあるシーンではブロックノイズが目立ち使い物にならないという印象。逆に言えば、EP以外(受信状態さえよければ)ほぼ満足できるレベル。地上波放送の操作性は、検索性を除いてBSデジタルと大差なくやはり煩雑。使いこなしには時間を要しそうだ。 内蔵HDDの容量が30GBなのも物足りない。HD放送は2時間30分しか録画できず、長めの映画ならば1番組録画したところで満杯。残したい番組はD-VHSに落とすとしても、それならば最初からD-VHSで録画すればいい、という話になる。せめて2倍あれば映画2本をHDDに残し、残したい物だけをD-VHSに落とすという使い方もできるだろう。発売済みのシャープ、パイオニアのHDDレコーダは60GB。価格的にもBSデジタルチューナを内蔵して33万円なので、BSデジタルチューナの価格を見込みで10万円として、HDDレコーダー部分はほぼ等価といっていいだろう。しかも、i.LINK経由の煩雑さを緩和できるものと想像できる。ただ、こちらはi.LINKがついておらず、HDDの増設もD-VHSに番組を落とすこともできないのだが。 この製品は「HDDにHD放送をそのまま記録する」という、ある意味「近未来的」な製品。未来を先取りしてはいるのだが、まだまだ作り込みの必要を感じた。今後の製品に期待したい。 |
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ということで、AV Watch立ち上げてすぐに、貸し出しをお願いして、やっと借りることができました。ドキドキ、ワクワクしながら編集部のBSデジタルチューナ「東芝 TT-D2000」に接続。うむ。「どうやればBSデジタルを録画できるんだ?」。初歩的な段階で悩む。えーと、HDR1000を「i.LINK」に切り替えて、テレビの入力を「TT-D2000」にスイッチ。チャンネルを変更。HDR1000の録画ボタンを押す。これで、録画されているようだ。ちょっと不安。 録画を停止させて、再生を試みる。HDR1000にはHDでコーダを搭載していないので、チューナ経由の再生となる。テレビの入力をHDR1000にし、プログラムナビの画面を出す。先ほど録画した番組を選ぶ。もちろん、ここでは再生画面が表示されないので、テレビの入力をチューナに切り替え、さらにチューナをi.LINKモードに切り替える。で、再生画面を見る。「おー、非常に美しい!!」。でも、これはBSデジタルハイビジョンの実力であって、HDR-1000の性能とはあまり関係ない。ちなみに、プログラムナビ画面は、チューナ経由では出力できない。さらに、BSデジタル録画を再生した画面はチューナ経由でないと見られない。よって、テレビの入力をHDR-1000と、チューナの間で切り替えるまくることになる。言葉で書いても複雑だが、実際の操作も複雑。今回は、マニュアルと首っ引きで操作した。しかし、これだけ直感で操作できない機器に出会ったのは久しぶり。 付属のリモコンはHDR1000と、テレビのほか、チューナも操作できる。テレビの方は国内の主要メーカーがプリセットされているが、なぜかチューナは松下のみ。松下以外のチューナを使っている人は、少なくともHDR1000とチューナのリモコンをとっかえひっかえ使うことになる。 地上波で試してみると、ここでもしっくりこない。大きな理由は2つ。まず1つは反応速度が遅いこと。録画する。再生する。巻き戻す。プレイバックする。すべてに、個人的な生理的タイミングに合わないタイムラグがある。よって、2度押ししてしまったりして、わけがわからなくなる。まあ、このへんは使っているうちになれで解決できるだろう。 もう1点は、録画していなくても、常にエンコードした画面が出力されていること。つまり、録画モードを切り替えると、録画していない時でも画質が変化するのだ。なぜ、スルー出力になっていないのだろう。まあ、見たままの画質で録画できるという安心感もあるのだが。画質の方はビットレート4MbpsのLPでも十分に実用領域なのは立派。でも、2.4MbpsのEPモードは実用につらい画質だった。 HDDレコーダの最大の特徴は、その転送速度の速さを活かしたタイムシフト機能だろう。HDR1000で2本のストリームを同時に処理できる。具体的には再生しながら、録画。録画しながら、その番組を録画したところから再生でききる。また、録画操作していなくても、1ボタンで7秒単位で巻き戻せる「プレイバック」機能もある。 使用シーンとして「トイレに行く時に見ている番組を一時停止。戻ってきて再生」といことをやろうと思うと、「録画ボタンを押す。戻ってきて再生開始」で実現できる。ただ、「一時停止」の方がわかりやすいように思う。 と、キツイことばかり書いたが、HDR1000で一番評価したいには、拡張性だろう。増設用のi.LINK端子を搭載し、HDDを増設したり、D-VHSや、もう1台のHDR1000と接続してデジタルコピーができる。シャープやパイオニアが先行して発売したレコーダはチューナを内蔵している代わりに、i.LINK端子を搭載していない。この点は、大きなアドバンテージだ。 |
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【主な仕様】
□松下電器産業株式会社のホームページ
http://www.matsushita.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010118-5/jn010118-5.html
□関連情報
【1月18日】松下、世界初のハイビジョン対応HDDレコーダ(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010118/pana.htm
【3月6日】シャープ、世界初のBSデジタルチューナ内蔵HDDレコーダ
http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn010118-5/jn010118-5.html
【3月8日】パイオニアからもBSデジタルチューナ付きのHDDビデオレコーダ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010308/pionner.htm
(2001年3月19日)
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