気になるグッズを衝動買い |
第6回:学習リモコン、リベンジ! 今度はホンモノだ!「日本マランツ RC1200」 |
AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。 |
■リモコンはやはりホンモノで
前回の教訓。「PDAはやはりPDA」。「Work Pad+リモコンコン」はリモコンとしてもなかなか使えるヤツではあるのだが、PDAとして使ってるとリモコンにしたいときに必ずある、というわけではないんだよね。PCのとなりに置いたままで視聴位置の近くにないことの方が多いし。
というわけで、コレがなかなか活用できないのでありまして、リベンジが必要なワケであります。
今回のターゲットはズバリそのもの「学習リモコン」。様々な機器を操ることのみを目的にしたリモコンである。これならいつも定位置に置いておけばOK。
というわけで買い物に出撃。いつもの通り池袋の量販店に行ってみたところ、ない。店員さんに聞いてみても「前はいろいろ置いてたんですけどね~、今だとこれくらいです」などと言いながら、ソニーの「RM-AV2000U」なんぞを奥から出してきた。
デカイ……。タッチパネルの液晶画面が付いていて、使い勝手は前回の「リモコンコン」に似ていると思うのだけど、いかんせんデカすぎる。少なくとも片手でホールドできるモノではない。ラベルがなかったので価格を聞いてみると「17,000円になります」。
ダメじゃん。デカすぎる上にそんな値段じゃ買えません。
■選択肢はほとんどないけれど、これで決まり
場所を新宿の量販店に移して再度物色を開始。店頭で見たところ、どうも見あたらない。「すいませ~ん、学習リモコンってありませんか?」。
対応してくれた店員さんは「エアコンの電源用とかならあるんですけどね~」などと、さっきの店員さんと似たようなお答えを。「ちょっと高くなりますけど」と言いながら、ガラスケースの方に移動して、さっきと同じ「RM-AV2000U」を出してくれました。だから、それはいりません。もう少しバリエーションないですかね?
「そうですか。あとは、これですね」と出してきたのが、日本マランツの「RC1200」。
箱に入っている状態でしか確認できなかったが、通常のリモコンをひと回り大きくしたサイズという印象。操作はボタン式で、液晶部分で操作を確認できるようだ。うん、なかなかよろしいんでないですか? 箱は英語表記だけど、日本語マニュアルもついてるみたいだし。
問題はお値段ですな、とラベルを見る。9,800円。「まあ、これなら」というレベル。他にこれといったリモコンもないようだし、決めました。
外箱。一見すると輸入品のような英語表記だが日本製 | 外箱に貼られた日本語のシール。日本市場は需要がないのね |
■外観はちょっとボタンの多いリモコン
とりあえず、無事ゲットいたしました。箱を開けるとまず目に付いたのが東芝の単3型アルカリ乾電池2本。あら、電池は東芝なのね。電池はプラスチックケースの上部に安置してあって、ケースを引き出すとリモコン本体とマニュアルが出現。マニュアルは、当然のごとく日本語。箱のサイズに合わせてか異常に縦長だった。開いてみてもすぐに閉じてしまい、読むのに多少苦労する。
肝心のリモコン本体は、外箱から想像できたサイズとほとんど同じ。通常のリモコンをひと回り大きくしたようなサイズで、片手でのホールドも楽勝。なによりボタンを直接押せるのが良いかと。タッチパネル液晶もいいけれど、リモコンはこういう格好をしていたほうが自分としては好み。
普通のリモコンとの大きな違いは、液晶画面とジョグダイヤルを装備していることだろう。液晶は結構大きめで、バックライトを装備。操作ボタンを押すと点灯する。本体左側面には「LIGHT」ボタンもあって、これで操作ボタンを押すことなく点灯させることもできる。自分の部屋は照明が結構薄暗いのでこういう細かいところまで気遣ってあるのはうれしい。ただ、ボタンそのものは蓄光式なので多少の明かりは必要だ。プロジェクタルームなど、本当に暗いところでの使用には向かないかもしれない。ま、自分には関係のないことですが。
ジョグダイヤルは、各ソースの機能を割り振ったページを切り替えるためにある。例えばDVDでは「SETUP」や「ANGLE」など。つまり、こういった機能ごとにページを切り替えて操作するというわけだ。
操作ボタンは、ソースの切り替えを行なうファンクションボタンが11個。他には、テンキーとカーソルボタン、ボリュームにチャンネルボタンとその他が少々、といったところで、セットアップなどの細かい操作はジョグダイヤルでページを切り替えてから、という感じになる。
ちなみに、外箱は英語表記であったけれども、リモコン本体は「MADE IN JAPAN」。ううむ。日本マランツ、ワールドワイドに展開してるなぁ。
少々大きいが、片手でのホールドでも全く問題なし | 液晶の表示はソースとページのみ。文字は大きい | 「LIGHT」ボタン。バックライトが点灯する |
ジョグダイヤルはポータブル機のボリュームのような印象。回すだけで押し込めたりはしない | ボタンは中央にカーソル/ボリュームを配置。ソース切り替えはその下でテンキーは最下部 | マニュアル。異様に細長いのは外箱の形に合わせたため? |
■学習……、それは自分との戦い
まあ、とりあえず学習させてみますか、ということでマニュアルを見る。……なにが書いてあるのか、理解するのがちょっと大変なんですけど……。
マニュアルの記述はかなりわかりにくい。学習についての解説はあるのだが、使用するシーンの例がないのである。どういった学習させれば良いのかが想像しにくく、これはちょっと不親切だと感じた。っていうか、主要機器の例くらい書いて欲しい。「このボタンにはこの機能を」とかね。マニュアルは「LD」を基本に記述してあって、最初はかなり悩みました。
ともあれ、学習である。本体上部にある「MODE」ボタンを押し、「LEARN」モードに切り替えると学習が可能に。「MODE」ボタンはボールペンの先などで押し込むタイプのもので、使用時の誤操作防止のための措置かと思われる。 モードを「LEARN」に切り替えて、各ソース(例えばDVD)→カーソル/コントロール切り替え→プレイと順にボタンを押し、本物のリモコン(DVD)のプレイボタンを押して、「RC1200」の液晶に「OK」の表示が出れば学習が終了。
次にジョグダイヤルの学習。「LEARN」時にダイヤルを回し、学習させたいページ(例えばセットアップ)でエンターボタンを押すと学習待機状態に。この状態でこのページに記録させたい本物のリモコンの(セットアップ)ボタンを押せば学習が完了となるわけだ。
ま、学習はこれの繰り返しが基本。マニュアルの記述はちょっとわかりにくいが、学習自体はさほど難しいものではない。問題は、その量。このリモコン、プリセットで学習されているコマンドがマランツとフィリップスの機器だけなのである。
つまり、世に出回っている(と思われる)ソニー製品であろうが、松下製品であろうが、とにかく学習させなくてはならないのである。液晶画面のページ表示の文字も編集できるのだけれど、この作業もかなり大変。「MODE」ボタンも押しにくいので、1つのコマンドを学習させる時でもちょっとした作業である。
……メゲました。前回の「リモコンコン」はある程度のプリセットが用意されていても学習は大変だったのに、今回は全部。「どないせえっちゅうねん……」などと思わずエセ関西弁が頭に浮かぶほど、大変です。丸1日つぶすくらいの覚悟で臨みましょう。そう、これは自分との戦いなのです。
「MODE」ボタンはこのようにペンなどで押し込む | 「LEARN」状態。このときに学習するコマンドを入力 | 学習させたいリモコン向かい合わせて学習させる |
■なかなか良好な使い勝手。しかし落とし穴も
涙の出るような学習作業をこなし、いざ使用。片手でも持ちやすく、ボタンの感触もなかなか。うん、苦労して学習させて良かったよ。
ボリューム、チャンネル選局ボタンや、カーソルボタンが中心に配されていて、そこにプレイや早送り/巻き戻し、停止/一時停止と割り当てたのでビデオの操作は良好。DVDやLDの操作は、本物のリモコンではスキップと早送り/巻き戻しが別ボタンのため、早送り/巻き戻しを別ページに配して対応。少々面倒を感じるが、まあ、慣れれば問題ないでしょう。
操作ボタンが思いのほか少ないので、ダイヤルでページを切り替えることもあるのだが、ダイヤルはあまり盛り上がって配されおらず、少々回しにくい。まあ、普段は基本操作がほとんどなのだからさほど気にならない。
マクロ機能も搭載していて、ミニコンポの電源ON→TVの電源ON→DVDの電源ON→DVD再生といった操作ができる。割り当てた1ボタンを2秒以内に2回押すとマクロが起動。スパスパと電源が入り、これはなかなか気持ち良い。ただ、マクロの学習も面倒なのが難点だが。
気になったのはテンキーと電源ボタンの配置。テンキーは下に配されていて、片手で持っているときはちょっと押しにくい。電源ボタンに至っては液晶の上部にあり持ち直さないと親指が届かないので、結局両手を使うことになるのは少々不満。
おおむね使いやすいのだけれども、CDの選局をしようとして、はたと気づいた。テンキーは「10」までなのだ。ウチのミニコンポ「CR-185」はテンキーにプラスして「10+」というキーがあり、それで10の桁を指定するのだが、これだと10曲目までしか選択できない。ん~、どうしたものか。TVの選局では放送していないチャンネルに「12」のコマンドを学習することで対応したが、CDの方はどうしようかな~。っていうか、メゲてたので考えられませんでした。10曲から先はスキップしていけばいいでしょ。自分の持ってるCDは15曲程度が多いから問題ないです。
■基本操作の利便性よりも多機能を求める方へ
全体的に見てみると、ソースの切り替えボタンが11個もあるので、見た目の印象より操作キーが少ない。どのキーにどのコマンドを学習させるのか、なかなか悩むところだ。「基本操作が1台でできるリモコン」ではなくて、「ページを切り替えて様々な操作ができるリモコン」と考えるのが順当でしょう。 実際、ページは10もあるので、すべてのページが埋まってしまうという機器は存在しないだろう。おまけにソースの切り替えボタンは11個もあり、大抵のユーザーが納得できるレベルだと思う。
機器によっては基本操作を1ページで納められないことがあるのは少々気になるところだけれども、全ての操作を1台のリモコンに1元化できるメリットは大きい。なんといってもリモコンを探す手間が省けるのだ。たとえ基本操作が1ページに収まらなかったとしても、ダイヤルでページを切り替えればよいのだから。
ただ、あの学習作業には忍耐力が強く要求されることだけは、あらためて言っておきたい。……ホントに大変です。
□日本マランツのホームページ
http://www.marantz.co.jp/
□製品情報
http://www.marantz.co.jp/ja/prod_ce/marantz/accessory/remote.html
(2001年3月27日)
[fujiwa-y@impress.co.jp]
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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp