気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第7回:【リベンジ、第2弾!】今度はMP3CDプレーヤー!
発売日に買っちゃいました「ソニックブルー RioVolt」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

MP3CDプレーヤーに未練を残す日々

 やはりMP3対応CDプレーヤーが欲しいのですよ。大量の音楽を1枚のCD-Rにまとめられて、オーディオCDもプレイできるという便利なアイテムなのだから。

 第4回で取り上げたデンノーの「MPCD-455」は、安かったので思わず買ってしまったけれども、音飛びがちょくちょく発生するし、電池の持ちも悪いという、かなり使い勝手が悪いブツであった。要するにただ「再生できる」というだけで、ユーザビリティについては譲歩している、という製品といえるだろう。

 それでも、やっぱりMP3対応CDプレーヤーが欲しい。それも「使える」プレーヤーを。そんなことを思いつつ迎えた3月30日。本命の一角を占めるプレーヤー、「RioVolt」が発売されたワケであります。

 アルカリ電池での連続再生時間約15時間、WMAにも対応、リモコンも付属して、液晶ディスプレイでID3タグ情報も表示。それでお値段は、店頭予想価格21,000円(オープンプライス)。「MPCD-455」のざっと2倍ではあるけれども、「Rio」シリーズはそれなりにネームバリューもあるので、とてつもないハズレということもないでしょう。まずまず、納得できるお値段。

 対抗に実売価格20,000円のアイワ「XP-MP3」もあるのだけれども、あちらはリモコンは付いているものの、スレテオイヤフォンがリモコンから直出しなんだよね。拡張性がないのはいただけない。

 以上のことを勘案した結果、決めましたよ、「RioVolt」に。


ブリスターでポップな雰囲気を演出?

 発売日に向かったのは、新宿の量販店。CDプレーヤー売り場にて「RioVoltないですか?」と聞いたところ、「いえ、聞いたことありませんね……」というお返事。あれ? 今日発売のはずなんですけど。

 他の店も回った後、もしやと思い、PC周辺機器売り場に場所を移す。なんだ、あるじゃないですか。「すいませ~ん、これください」。

 パッケージはブリスターで、なかなかポップな印象。店頭にディスプレイされているとかなり目立つだろうと思われる。実物を見て確認できるのも高ポイント。リモコンのヘッドフォンジャックもステレオミニだと確認できたし。とはいえ、なんだか「おもちゃ」っぽい雰囲気なのは否めないところ。安くはないのにねぇ……。

 パッケージ前面は日本語の説明文はあるものの、英語の「RioVolt」ロゴが目立って、一見すると「並行輸入品か?」などと思ってしまう。けれども、裏面はきちんとした日本語の解説文があり、安心感が得られた。うん、やはり日本語で読めるのは良いね。

 このお店での購入価格は21,000円。店頭予想価格と全く同じ。贅沢言えば20,000円切って欲しかったけれど、まあ、予想内だからいいか。

【お詫びと訂正】掲載当初、パッケージ前面が英語表記のみという記述がありましたが、実際には日本語の説明文もありました。お詫びして、訂正させていただきます。

パッケージ前面は本体とリモコンのみを強調 パッケージ背面は特徴を日本語で解説


パッケージの内容物は意外と多彩

 さて、無事ゲットいたしました。ブリスターパックは一度開けてしまうと元には戻せないので、はやる気持ちを抑えつつ、とりあえず撮影。

 このブリスターパッケージ、店頭で確認する分には便利だけれども、一度開けてしまうとゴミになってしまうので機器の箱は取っておきたい貧乏性の自分としては好みに合わないかな。万が一「使えねぇ」という自体になったとき、収納するのがとても面倒なことになるんじゃなかろうか?

 一通りの撮影を終えて、いざ、開封。……バッチリ接着してあって、手で開けられるほどヤワな構造ではないのですね。いや、店頭に置く商品としては当然のことなのですが。

 パッケージに不満を感じつつも、結局はカッターで切断して開封。本体はデカデカと見えているので良いのだけれども、付属品を切り裂きはしないかと、結構緊張感を強いられる作業であった。だからブリスターは嫌いなんだよ……。

 外から見えていた本体、リモコン以外の内容物は、ステレオイヤフォン、クイックガイドの冊子、ACアダプタ、本体ケース、単3型アルカリ乾電池2本、CD-ROM2枚。電池がデュラセルだったのが海外製品らしい。ちなみに、本体は「MADE IN CHINA」でした。

 ん~、店頭で触ってみたときも思ったことだけど、やはりデカイねぇ。重量も電池抜きで235g。まあ、カバンの中に入れておけばそんなに気にならない大きさだけれども。

 本体ケースは、本体全部を包み込み、リモコンなど入力部分のみを開けているタイプ。キャリングする際のプロテクトと、使い勝手のバランスを考えての配置かと思われる。しかし、これだとリモコンをいちいち抜き差ししないと、ケースから出し入れできないんですが。ケースの液晶ディスプレイ部分を開けてくれれば、入れたまま確認できて便利だと思うので、これは少々残念。こういうひと手間が結構めんどくさいんですよ。

 CD-ROMは「RealJukebox 2」と「Adaptec Easy CD Creator Standard Version 4」がそれぞれ収録されており、「RealJukebox」にはマニュアルドキュメントがPDFファイルで収録されている。クイックガイドは基本事項のみを記したもので、「詳しくはPDFファイルを参照するように」ということらしい。これは少々不満だが、コストとパッケージの容積の関係なのだろう。

 CD-ROMに収録されている「RealJukebox 2」と「Adaptec Easy CD Creator Standard Version 4」は通常版で、特に機能制限はないようだ。「RealJukebox 2」は320Kbpsの録音まで対応しているし、「Adaptec Easy CD Creator Standard Version 4」もいたって普通にCDが焼ける。こういうソフトがバンドルされていることは知らなかったので、なかなかうれしいオマケであった。

 
同梱物。意外と点数は多い ケース収納時の露出部。リモコン/ヘッドフォン、ラインアウト、電源が収納時でも接続できる マニュアルPDFファイル
「RealJukebox 2」 「Easy CD Creator 4」


CD焼き焼き、いざ、再生

 せっかくだから、オマケの「Easy CD Creator 4」でCDを焼いてみるぜ! これまではドライブにバンドルされていた「B's Recorder GOLD 1.62」を使っていたのだが、「Easy CD Creator 4」のインターフェイスもエクスプローラー風でなかなかわかりやすい。まあ、「B's Recorder GOLD 1.62」と大差ないのだけれども。

 使用ドライブはTEACの「CD-W512EB」。エラー回避機能「Burn-Proof」対応で、最大書き込み12倍速、というドライブ。とりあえずPC内にあるMP3ファイル、WMAファイルをアーティストで分類したフォルダごとぶち込み、太陽誘電(That's)の80分メディアに12倍速で書き込んだ。「Easy CD Creator 4」は、インストールしたままで、特に設定を変えることもなかったが、「CD-W512EB」を認識してくれたようだ。書き込み中、IEでブラウズなどしても特に問題なく焼き上がった。ま、これは「B's Recorder GOLD 1.62」も同じことが言えるのだけれども。ともあれ、ライティングソフトが増えたのはうれしいことだ。

 で、焼き上がったCDを早速「RioVolt」へ。ウォームアップは大体30秒、といったところ。液晶ディスプレイ下部では、なんだかよくわからない人影がアニメーションしていたのだが、これは、もしかしてダンスしている、ということなのだろうか? 謎だ。

 30秒ほど待った後に、音楽がスタート。いたって普通に再生してくれている。再生順序は、ルートのフォルダのアルファベット順→そのフォルダのアルファベット順→ファイルのアルファベット順、となる。WMAとMP3を混在させたCDを入れても、双方のフォーマットともいたって普通に再生してくれる。

 ちなみに、プレイリストのM3Uファイルを試しに同一フォルダに書き込んでおいたが、全く関係がなかった。まあ、「どうしてもアルバムと同じ曲順で聞きたい!」という場合は「本体のプログラム機能で対応してくれ」ということなのでしょう。

 付属のステレオイヤフォンで、ざっと聞いたところでの第一印象は、「まあ、悪くない」。普段PCで聞いている音質以上でも、以下でもない、というところだろう。少々高音の伸びが足らない気もするが、CDの音を「まろやか」とするなら、MP3/WMAの音は「シャープ」に聞こえる。

 音質は本体/リモコンの「EQ」ボタンで「NORMAL」、「CLASSIC」、「JAZZ」、「ROCK」、「ULTRA BASS」の5モードから選択可能。「NORMAL」はファイルそのままを再生、「CLASSIC」は低音域と高音域を少し強調、「JAZZ」は主に高音域を強調し、「ROCK」は低音域と高音域も少々強調。「ULTRA BASS」は低音域のみを押し出してくる、という感じ。

 個人的には「ROCK」、「ULTRA BASS」は低音が響きすぎて、少々聞き難く感じる。ボーカル曲なら「JAZZ」か「CLASSIC」が好み。「NORMAL」はやや平板な印象だが、低音を強調するよりは聞きやすかった。

 カバンの中に入れて歩きながら1時間ほど連続で聞き込んでみたが、音飛びは全く確認できなかった。じゃあ、このまま付属のアルカリ電池での連続再生テストいってみますか。

本体上面。ボリュームの間にあるのが「NAVI」ボタン 本体裏面。裏は「ESP」機能の対応時間の切り替えスイッチのみ 「EQ」ボタンで選択できる音質「ULTRA BASS」。低音を強調


通常ユースでの再生時間は約11時間。検索機能はなかなか優秀

 焼いた音楽自体は昔から聞き込んでいたものなので、1時間も聞いているとさすがに飽きてきた。ゲームなんぞをプレイしつつ、1時間ごとに動作状況をチェック。通常のユースを考えて、たまにスキップをしたり、頭のファイルに戻しながら確認した。ちなみに、聞き始めたのは23時。カタログスペックの連続再生時間、約15時間ならば翌14時までになる。

 ゲームの方はほとんど進めていなかったタイトルなので、徹夜の覚悟で臨むことにする。結果……。朝の10時にバッテリ切れとなった。通常ユースでの再生時間は約11時間といえる。スキップなどをかけていたため、カタログスペックの連続再生とは状況が違うので、この結果は、まあ納得できるもの。

 実はこの「RioVolt」、MP3/WMAの再生時には耐衝撃機能「ESP」でデータをメモリに読み込み、ディスクの回転を止めて再生しているのだ。モーターの電力を省くことで消費電力を抑えているのだから、検索をかけると再生時間が減るのも理屈である。

 ただ、再生するファイルが変わる時点でアクセスするので、たとえ連続再生していても曲と曲の間に2秒ほどのタイムラグが発生してしまう。せめて連続再生しているときは、先読みするなどの対応がほしいところ。ま、自分としてはさほど気にならないけれども。

 再生時間はカタログスペック通りではないが、電車での通勤、通学で1~2時間使う、というユースなら1週間は持ちそうなレベル。市販の充電池には対応しているものの、本体充電機能はないけれども、自分は通常のCDプレーヤーを使っていたときも充電池は使っていなかったので、満足できる再生時間だ。うん、これなら十分使えますよ。

 再生時間は満足だけれども、次いで気になるのが大量に焼いたファイルから目当ての曲を探し出す検索性。

 大量の本体の液晶ディスプレイは、検索するのにになかなか便利だ。日本語表示には対応していないが、ファイルネームでも、ID3タグでも表示してくれる。自分が聞くの音楽は洋モノが多いので、日本語表示がなくても非常に実用的。

 特に中央部に配された「NAVI」ボタンの使い勝手は秀逸だ。これはディレクトリ画面を呼び出すボタンで、右下に配された再生/停止/早送り/巻き戻しのボタンをカーソルキーに見立ててディレクトリの指定を容易に行なえる。

 自分はWindows Meに付いてきた「Windows Media Player 7」や、ジャストシステムの「BeatJam X-TREAME」を使って、CDをWMAやMP3に変換して聞いていたので、CDとフォルダはほとんど同一の構成で保存している。階層の区切り方もアーティストフォルダ→アルバムフォルダ→曲ファイル、という構造がほとんど。CD-R/RWにもこの区切りのまま焼いてしまうので、こういったディレクトリ/ファイル指定は非常に便利だと感じた。

 ん~、なかなか使えるじゃないですか。さすがに自分が「本命の1つ」と見込んだだけのことはあるよ。

【お詫びと訂正】掲載当初、充電池には対応していないとの記述がありましたが、ソニックブルーのホームページ上FAQによると、「ニッケル水素/ニッカド充電池が使用可能」となっています。(ソニックブルーのホームページ「RioVolt」FAQ)

「NAVI」ボタンを押すとディレクトリ名がカッコ([])でくくられて表示される


それでも……。「世の中に完璧はない」

 とはいうものの、使用している中で不満点はある。その第1がリモコン。

 なんだ、この丸っこい形は! 持ちにくくて仕方ないし、上下を確認するのに時間がかかる。ステレオミニプラグを装備して、付属品以外のヘッドフォンを使えるのはとてもポイントが高いのだが、この形状になっているのが納得できない。本体の丸い印象に合わせてデザインしたのだろうけれど、使い勝手を考えなかったのだろうか?

 それに、リモコンはスキップなどの基本操作のみなのが気にかかる。本体の「NAVI」ボタンでの検索性に慣れてしまうと、1曲ごとにスキップしての検索はかなりの面倒を感じてしまう。ポータブルプレーヤーなのに、持ち運びユースに対する配慮をあまり感じない。贅沢を言えば、本体の液晶ディスプレイをそのままリモコンに欲しいところ。あの利便性を考えればリモコンが多少大きくなるのは我慢できる。

 まだ不満はありますぜ、ボリュームがダイヤル式でないこと。反応は結構早いのだけれども、ボタン式だと+/-を間違えたときに、反対のボタンを探す動作がおっくうなのだ。おまけに、あの丸いリモコンは上下を間違えやすく、すなわち+/-も間違えやすいのである。

 まだまだいくぞ~。先に触れた時曲再生時のタイムラグも、普段は気にならないが、例えば2トラックで1曲という構成の時は、たとえ2秒でも間が空いてしまうのはどうか?

 おまけに、曲の立ち上がり時に、たまに「プチ、プチ」といわゆるプチノイズが乗ってしまうことも確認できた。ディスク回転時しか確認できなかったので、おそらくメカニカルなノイズを拾っているのだろう。普段はさほど気にならないが、曲の立ち上がりが静かな時はやはり目立つ。どうにかならないものか!

リモコン。持ちにくくて検索性も低い。不満たらたら。別売で「液晶付きリモコン」を望む


不満点はあるものの、やはり「使えるプレーヤー」

 ……はあ、すっきりしました。まあ、なんだかんだ言っても不満点はある。しかし、現在の圧縮ファイルプレーヤーの状況を見てみると、まだまだ「発展途上」という段階なのだろう。

 ポータブルCDプレーヤーも、今でこそ連続再生50時間だの、CD-TEXT表示液晶リモコンだのと高機能な製品があるが、昔は連続再生6時間で騒いでいたような気がする。

 価格も21,000円となかなかリーズナブル(決して安いとは思わないが)。ステレオミニプラグ仕様のリモコンがついて、本体の液晶ディスプレイの検索性はかなり優秀。アルカリ電池使用時の再生時間も、通常のユースで約11時間。当然のこととして、音飛びは発生しない。うん、やっぱいいんじゃないの? MP3/WMA対応ポータブルCDプレーヤーとしての利点を挙げてみると、これくらいの不満は目をつぶろう、という気分になってくる。

 それに、「NAVI」ボタンの検索性はファームウェアを「1.12fpdir」にアップグレードでさらに向上した。購入時のファームウェアでは不可能だった「ディレクトリの階層表示」や、停止したところから再生できる「レジューム機能」が可能になったのだ。ファームウェアのアップグレードが可能なCDプレーヤーというのもめずらしい。

 まあ、「リモコンが持ちやすくなる」といった類のアップグレードは不可能だけれども、購入後でも機能が向上できるのは大きな利点。いや、将来が楽しみなプレーヤーですな。未完成で出荷したとも言えるけど。でも、痛い目を見た後のプレーヤーと思えば、「使えるプレーヤー」だと思います。……本音を言えば、通常のポータブルCDプレーヤーくらいのユーザビリティが今すぐ欲しいとことだけれどもね。2万円も出してるんだから。

□ソニックブルーのホームページ
http://www.sonicblue.co.jp/
□製品情報
http://www.sonicblue.co.jp/products/rio/riovolt.html
□関連記事
【2月19日】ソニックブルー、Rio初のMP3対応ポータブルCDドライブを国内販売
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010219/sonic.htm
【4月2日】ソニックブルー、「RioVolt」の新ファームウェアを公開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010402/sonic.htm

(2001年4月3日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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