気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第39回:テクノロジーを駆使した省スペーススピーカー
フラットパネルスピーカー「TDK SP-NX701」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

省スペース/低コストでもいい音を

 最近スピーカーばかり買ってますが、それもこれも貧弱なPCまわりの環境を少しでもよくしようというのがねらい。素直に「高いアンプとスピーカー」を揃えればある程度は解決できる問題ではあるけれども、もともとの環境が貧弱なので、お金をかける気にはなれないし、何よりも設置スペースの問題が頭の痛いところ。PC用の作業スペースとしているのはロフトベッド下という限られたスペース。そんな所にバッフルが豊かなスピーカーなんて置けません。邪魔です。

 これまで何度かブツを購入してきたものの、それでも完全に満足できるモノはございませんでした。まあ、自分の環境はかなり制約が厳しいから所詮は無理……。そう思っていたけれども、厳しい環境を打ち負かしてくれそうなブツが現われた模様。それがTDKのスピーカー「SP-NX701」でございます。  この「SP-NX701」、ありていに言ってしまえばフラットパネルスピーカー。フラットパネルスピーカーは前に手を出したことがあったけど、そのときは完全に満足することは出来なかったなぁ、などと思いました。当初は。

 でも、製品情報などをよくよく読んでみると、なかなか自信ありげな記述が。まず「HiFiスピーカシステム」というコピー。TDKといえば、メディアを中心に展開しているメーカーで、スピーカーを出すというのは珍しいけれども、AV関連の製品で「これは……」などというモノは出さないでしょう。MP3対応CDプレーヤーの「MOJO」もかなり満足度の高い製品だったし、期待度は高いかと。

 次いで、英New Transducers(NXT)との共同開発というところ。NXTはライセンスだけを販売する会社だそうで、フラットパネルスピーカー関連のライセンスはかなり豊富なんだとか。AV Watchのニュース記事でも、「シチズン電子とオーセンティック、音響機器事業で提携」の中で、オーセンティックがNXTからライセンスを受けた、という旨の記述がございます。つまり、元の技術自体はしっかりしているということ。だと思います。多分。

 そんなこんなで、11月21日の発売日はまだかいなぁ、と思いつつ、新宿の量販店にふらふらと顔を出してみると15日の時点で売ってました。うむ、ここは押さえておかねばなるまいて。


サブウーファがデカいんです

 というわけで、買ってしまいました。標準価格はオープンプライスだけれども、店頭でのお値段は17,800円。パッケージはアンプを内蔵したサブウーファ×1と、サテライトスピーカー×2の2.1chシステム。「NX701」と「NX501」がラインナップされているけれども、今回購入したのは「NX701」の方でございます。両者の違いは出力と、サブウーファの形式で、「NX701」の出力はサテライト18W×2、サブウーファ20W×2、サブウーファ形式が密閉型。「NX501」の出力はサテライト7W×2、サブウーファ20W×1、サブウーファ形式がバスレフ型、となっております。

 選択のポイントは、サテライトの出力。「サテライトの7W×2というのは少々迫力に欠けるかな」と思ったわけであります。けれども「NX501」の価格は、13,000円程度で、サブウーファにはバスレフポートも付いている、選択時には少々悩みました。

 けれども、買ってしまったものは仕方ない。とりあえず、内容を改めるとしましょう。パッケージは、サテライト×2、テーブルスタンド×2、ブラケット×2、サブウーファ×1、ステレオミニケーブル×1、説明書、という内容。ふむ、シンプル。

 サテライトと、アンプ内蔵サブウーファとの接続は、スピーカーから直出しのケーブルで接続。R側スピーカーにはボリューム/トレブル/バスのコントローラがついていて、接続はDIN端子。L側は通常のミニプラグとなっております。

 電源はサブウーファの背面に装備。入力もこちらで、ステレオミニ×1系統オンリー。う~ん、電源がこっちについてるとなると、設置はテーブルの上かな。それにしても、このサブウーファ、デカイっすよ。外形寸法は408×176×150mm(幅×奥行き×高さ)。重量もズンと重い約4.4kg。まあ、テーブルに載らないことはないけれども、省スペースというメリットは多少薄れるかなぁ。

同梱品一覧。なんともシンプル 接続ケーブルはサテライトから直出し

サブウーファ。サイズ的には大きめ サブウーファ背面。入力はステレオミニ×1系統のみ サブウーファ側面。両側面にウーファを配置


設置は簡単。操作性もかなり良し

 ともあれ、設置してみましょう。とりあえずはテーブルスタンドで設置かな。サテライトスピーカーの重量は約190gと軽めだけれども、キャビネットは金属製で密度の詰まった感じ。結構高級感があります。背面には「NXT」のロゴが入ってました。信頼の技術、ってとこでしょうか。

 何よりも、サイズが72×28×255mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトなのがよろしい。スタンドを付けてもコンパクト性は大差なく、角度もモニタ脇に置いたとき、リスニングポイントに向けられていい感じ。ブラケットは試していないけれども、壁に掛けたときでも奥行きが28mmと短いので壁との一体感は大きいと想像できます。

 スタンドへの設置は、非常に簡単。スタンドにある2つの突起を、サテライトスピーカーの穴に差し込むだけ。直出しのスピーカーケーブルへの配慮もあり、ケーブル周辺はスペースを確保して、スタンド下にケーブルを挟んでおけるゴムパッキンも備えております。このクラスの製品でゴムパッキンまで付けてるのは珍しいかと。ということで、モニタの脇に設置してみました。

 さて、問題はサブウーファですな。どこに置くか迷ったけれども、当初の計画どおりテーブルに設置。もちろん、作業の邪魔にならないように脇ですよ、脇に。けれども、その存在感は大きすぎます。う~ん、ま、マウスの操作スペースはあるし、ガマンできない範囲ではないからいいか。

 とにかく、電源を入れてみましょう。ほうほう、サブウーファ本体にはLEDが装備されていて、電源が入ると点灯すんのね。え~と、ケーブルを繋いで、とりあえずはポータブルCDプレーヤー「ソニー D-E700」で聞いてみますか。

 と、電源を入れてからしばらくCDプレーヤーを探していると、LEDの色が緑から赤に変わりました。「なにごと?」とマニュアルを確認してみると、パワーセーブ機能を装備しているそうで。5分間入力がないと、自動的に切り替わるそうです。いや、電源うんぬんで設置場所を選択したのは間違いだったということですな。細かいところに気を配っていると思います。

 となると、操作性で問題になるのは、ボリューム/トレブル/バスのコントロールだけ。これはR側のサテライトスピーカーにそれぞれボリュームスイッチが装備されていて、ぐるぐる回すだけでOK。スピーカー本体が小さいのに3つのコントローラを詰め込んだものだから少々小さくて回しにくいのはネックだけれども、コントロールは直感的にできて特に問題なし。操作性は良好といっていいでしょう。

 特に、自動パワーセーブ機能は便利かと。「Inspire 5.1 5300」だと、ワイヤードリモコンがついているとは言え、電源のON/OFFが面倒だったりするんですよ。やはりオートマチックですわ、オートマチック。

サテライトはモニタ両脇に設置 サブウーファはテーブルの脇に。……少々無理がありますが


価格/形状からは想像できない音

 ということで、最初はCDプレーヤーでリスニング。とりあえずは定番ということでクラシックかなぁ、と「The Best Classical Album in the World ...Ever!」なんぞを聞いてみました。

 ……びっくり。かなりいい音してますぜ、ダンナ。なにより高域の表現が豊か。バッフルがないためか、音の抜けがよく、各楽器の音が自然に響きます。特に印象的だったのが、バイオリンやチェロなどの弦楽器の音。「G線上のアリア」などのバイオリンパートは、弦の音が「震えている」という感触を受けました。鮮鋭感も比較的高く、ソースの音を存分に堪能させてくれる音質だと思います。この価格、この形状でこの音質。すいません、ナメてました。

 キャビネットの中を覗いてみると、振動ユニットがパネルに張り付いているように見えました。マニュアルの「使用エキサイタ 直径19mm」との記述がソレでしょう。つまり、振動板で平面パネルを振動させて、パネルから音を出している、という構造なのね。

 ユニットが小さければ高音域を、大きくなれば低音域を鳴らせるという特性を考えると、高音域はエキサイタで、低音域はパネルを共振させて、という原理が想像できます。それに、クロスオーバー周波数は280Hz、最高周波数は20kHz。1ユニットでかなり広い音域をサポートしているから、中高域のバランスは良好。ツイータ/スコーカ/ウーファのバランスを考えずに鳴らせるのがメリットだと思います。

 サブウーファの音は、密閉型のためかどうもこもり気味。けれども、クロスオーバー周波数が280Hzと低めなこともあり、ほとんどの音をサテライトで鳴らし、サブウーファは低音の迫力を補強する役目に徹しているような印象。テクノ系のプロディジー「THE FAT OF THE LAND」などを聞いていても、いい感じに迫力が補強されております。けれども、サブウーファの出力を高めると、迫力だけが強調されて少々バランスが悪い感じ。少々絞り気味にしたほうが好みです。

 音質は大満足。音量も我が家には十分すぎるほどの大出力でした。サテライト7W×2の「NX501」で十分だったかも。ちなみに、PCに繋げてリスニングしたところ、ヒスノイズまでくっきりと拾ってくれました。いや、それだけ基本性能が高い、ってことなんでしょうが……。


スイートスポットも驚きの広さ

 驚いたことといえば、もう1つ。スイートスポットがめちゃ広いんです。ふらふらとトイレに立った後、ふと戻ってみると、おや、真ん中にいるわけでもないのに良いバランスで鳴ってるではありませんか。

 試しに左右に移動しながら聞いてみてもバランスが変わる印象は薄い薄い。距離を置いて聞いてみてもほぼ同じ。自分の部屋は障害物が多いので、反響音で音が変わる感覚はあるものの、位相バランスはかなり広い範囲で変わりません。モニタを中心にした円で換算すると、大体100°程度は位相バランスが良好かと。距離については2~3mはなれたところで聞いてもほとんど影響を感じませんでした。

 試しに裏に回って聞いてみると、位相が逆になったり、キャビネットや障害物で音が遮蔽された印象はうけるものの、左右のバランスは前面と同様。

 こちらのメリットも、やはり1ユニットで中高域をサポートしていることに原理があると想像できます。通常のスピーカーだと、ツイータ/スコーカ/ウーファでそれぞれスイートスポットの範囲が違い、全部が聞き取れる範囲は狭くなるけれども、1ユニットで鳴らしていれば各音域の到達範囲は同じ。しかもパネルだから到達範囲も大きくなり、背面にも同様に振動する、と想像できます。ううむ、パネルを使うメリットがここにもあったわけですね。ううむ、パネルでここまでの音がでるとは、なかなか凄いテクノロジーが使われているんでしょうな。


音はよし。2chなのがもったいない

 音質は価格や形状からは想像できないくらい良好。バッフルがないから抜けもよろしく、鮮鋭感もバッチリ。ついでにPCのヒスノイズもバッチリ。ううむ、USBオーディオユニットを入れたほうがいいかな。私の環境では、5.1chは内蔵サウンドで、2chはUSBユニットで、という使い分けをしていけばよろしいかと。

 コンパクトで設置性が高いこともメリットが大きいです。サブウーファは大きめで少々頭が痛いものの、テーブル下などに置けば問題ないでしょう。満足できる音質の上に、満足のできるサイズ。製品としての満足度はほぼ満点かと。まあ、入力が1系統だったり、サブウーファがデカかったり、コントローラが小さかったりしますが、ガマンできる範囲です。

 スイートスポットの広さを活かす使い方もできそう。そうですなぁ、リビングに壁掛けして、BGM的に利用するのもありかな。大きなリビングでは出力が不足するかもしれないけれど、18Wまで対応しているから何とかなるでしょう。ワイヤレスリモコンがないから、ボリュームコントロールが面倒なのがネックになりますが。

 っていうか、これの5.1chシステムが欲しいです。マニュアルによると、サテライトスピーカーのインピーダンスは4Ω。R側はDIN端子だけれども、L側はミニプラグ。ううむ、おそらくサテライトスピーカーは「NX501」、「NX701」とも共通だろうから、「NX501」を後4台買ってきて、直出しケーブルを加工してAVアンプに繋げれば……。などという考えも浮かんできます。いや、やりませんが。お金ないし。ともあれ、クロスオーバー周波数の調節のできるAVアンプかサブウーファさえあれば、省スペースながら、かなり良好な音の5.1chのシステムが完成すると想像してみます。

 ホント、2chオンリーなのがもったいない。3万程度で5.1chシステムが出てくれれば、買いなおして見たいと思います。もしくはサテライトスピーカーの単体発売でも可。普通のアンプで鳴らしてみたいスピーカーだと思いました。

□TDKのホームページ
http://www.tdk.co.jp/
□製品情報
http://www.tdk.co.jp/tjbbe01/bbe14000.htm
□関連記事
【10月2日】TDK、フラットパネル採用の2.1chスピーカーシステム
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011002/tdk.htm

(2001年11月20日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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