新発売のAV機器をいち早く紹介 |
シリーズ最軽量のメガネ型ディスプレイ |
オリンパス Eye-Trek(アイトレック) 「FMD-220」 |
11月1日発売 価格/56,000円 |
正面 | 上から見たところ | コードは装着した状態で左側から出ている。なお、メガネのツルに当たる部分は折り畳める |
シンプルなコントローラ | 液晶ディスプレイ部と鼻当て | 鼻当ては伸びる |
■ 主な特徴
オリンパスがFMD(フェイス・マウント・ディスプレイ)と呼ぶ、メガネのようにかけて使うディスプレイ。シリーズで最軽量の重量約85g(本体のみ)を実現している。電池での駆動は不可能だが、対応ポータブルDVDプレーヤーとの組み合わせなら、DVDプレーヤー本体から電源を受けることができる。
ディスプレイには18万画素のアスペクト比4:3の0.55型TFT液晶パネルを採用。これを2枚搭載し、プリズムで屈折させることで画像を生成している。ディスプレイが眼球の近くに位置するため「2mの距離から52型の画面を見ているのに相当する」という。なお同社では使用上の注意として「16歳未満の子供には使用させない」、「心臓疾患、高血圧、視野異常、目の動きの異常、像が二重に見える方は使用前に医師に相談すること」を挙げている。
DVDプレーヤーなどの再生装置とは、コンポジット、アナログ音声(L/R)の3本を束ねた、専用のAVケーブルで接続。オプションの「ET-MC30H」(3,500円)を使えば、S映像入力も可能になる。また、ディスプレイ本体には、インナーイヤフォンが接続され、ツルの側面に収納されている。
DVDプレーヤーなどと接続するピンケーブル | 左のケーブルのコントローラ接続コネクタ部 | ACアダプタ |
イヤフォンはツルに収納されており、使用時には外して使う | 本体とイヤフォンはカールコードで接続されている |
本体と再生機器との間には、ジョイスティック付きのコントローラがあり、画質、音質の設定を行なうことができる。コントローラの重量は約37g。設定メニューはFMD-220のディスプレイに映し出される。
設定可能な項目は、映像はコントラスト、ブライトネス、色合い、色の濃さの4種類。それぞれ±8段階でコントロール可能。音声はバーチャルサラウンドのON/OFF、低音・高音の調節、音量制限の3項目となっている。低音・高音はOFFから+3までの4段階。
また、別売の「ダイレクト接続ケーブル」(標準価格3,500円)を使用すれば、松下電器株式会社やパイオニア株式会社、株式会社東芝のポータブルDVDプレーヤーのほか、プレイステーション 2とも、ケーブル1本で接続できるようになる。対応プレーヤーは下表を参照。
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シリーズの発売当初に比べると「ずいぶん軽くなった」というのが最初の感想。85gという軽量化により、装着感も特に悪くない。眼鏡の上から装着してみたが、鼻当てを調節することで思ったより良い装着感が得られた。しかし、風邪気味だったせいか、しばらくするとメガネがくもってしまった。 ディスプレイは、かなり微妙な色みまで表現できるようになった。画質設定をこまめに行なうことで、ローコントラストな映画視聴向けの画面もちゃんと得られるようになっている。液晶ディスプレイとしては予想以上に実力派だ。設定を保存することもできて便利。 ただし、相変わらず走査線のような白い横線が視線の方向によって現われる。個人的にはこれが非常に気になった。それと、解像感はやはりそれなりのもの。字幕も見づらく、文字の周りには偽色ノイズが多少目立つ。 イヤフォンでの音声再生も、あまり高品質とはいえない。解像感がうすく、SN比も低めだ。とはいえ、他の機器で再生した音をヘッドフォンで視聴するとなると、遠くから伸びるコードが邪魔になる。 オリンパスのいう「2m先に54型の大画面」とはどうしても思えないが、大画面の代わりというより、モニタのないところでも映像を楽しめる製品と考えればかなり面白い製品。仰向けに寝転んだまま映画を見られるし、調整次第では、ある程度まで画質を追い込める。好みのうるさいAVファンでもそれなりに楽しめると思う。 |
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ただ、輝度やコントラストなどはかなり自然に感じられるようになっている。明るさは十分で、コントラストもかなり自然。視聴に問題を感じることはなかった。 感心したのは、装着感の良さ。重量が85gと、100gを大幅に切っている。自分はメガネは使っていないが、サングラスをつけている時と感触はほぼ同じ。長時間つけていても疲れを感じないだろう。 装着時も回りの景色を確認できるのも意外。目線を下や左右に向けると、かなりの視界を得ることが出来た。それでいて前に視線を移せば、モニタをはっきりと確認できる。外を歩くのは無理だが、「リモコンを探す」程度の視界はあると思う。 視界がひろいため、装着してすぐは没入感が薄いのだが、10分もすると思っていたより「大画面」の感触を得ることができた。30分も視聴していれば、画面以外の視界は気にならない。より没入感を得たいのならば、別売の「パーフェクトバイザー」を装着することで解決できるだろう。 操作面では、電源を入れたあとで注意書きとパスワード入力画面が必ず表示されるのはうっとうしさを感じる。しかし、カーソルキー状になっているボタンでのメニュー操作はやりやすい。まあ、あまり設定できる項目はないのだけれど……。 ツルの部分にイヤフォンを収められるアイディアはなかなか良い。コードも電話の受話器のようにカールしていて、収納時でもそれほど邪魔ではない。それなりに歴史あるジャンルの製品だけに、こまかな部分は非常によく気遣われていると感じた。
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が、今回FMD-220を見てみて、かなり画質が改善されており認識を新たにした。もちろん、画素数は同じ18万画素なので高解像度というわけではないが、実用上問題ないレベルにある。 画面サイズは、理論上では2メートル先に52型相当の大画面映像得られるとのこと。しかし、実際には「箱庭にある大型画面を外からのぞいている」という感じで、本当の大画面のように映像に囲まれているという感じはしない。とはいうものの、しばらく見ていると結構映像に没入できた。 操作部は、コントローラに搭載している電源ボタンと、エンター機能付きジョイステッィクのみと、非常にシンプル。Eye-Trekをつけたままでも操作できるという点では優れているが、音量までメニューに入らないと調整できないのは面倒。せめて音量ぐらいはダイレクトに操作したいところ。 また、バーチャルサラウンド機能を実際に使ってみると、この種の機能にありがちな、不自然さがほとんどない。というよりも、サラウンドONとOFFで目立った違いがなく、その効果がわからなかった。
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【主な仕様】
□オリンパスのホームページ
http://www.olympus.co.jp/
□製品情報
http://www.olympus.co.jp/LineUp/HMD/FMD220/index.html
□関連記事
【10月10日】オリンパス、眼鏡型ディスプレイ「Eye-Trek」に最軽量85gモデル
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011010/olympus.htm
【10月17日】広野忠敏のおとなのおもちゃ さらなる進化を遂げた オリンパス「Eye-Trek FMD-220」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/toys/0,1622,6357,00.html
【5月15日】オリンパス、松下製ポータブルDVD専用Eye-Trek接続ケーブル
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20010515/olympus.htm
(2001年11月22日)
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