2002 International CES会場レポート
~ 国内音響メーカー編:Marantzの80GB HDDレコーダ、ほか ~


Marantzの80GB HDDオーディオレコーダ「DEH9300」
会期:1月8日~1月11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Las Vegas Hilton Hotel
   Alexis Park Hotel



国内では見かけない製品も多かったマランツブース

 Marantz Americaは、2002 International CESの会場で、80GB HDDを搭載したHDDオーディオレコーダの開発機を公開した。同社では、そのほかにもマルチチャンネルSACDプレーヤーの「SA8260」や、42型プラズマディスプレイ「PD4293D」も発表した。

 また、Denon Electronicsは、DVDオーディオ/ビデオプレーヤーのフラッグシップモデルと、最新フォーマットに対応したAVアンプを発表。さらに両機種をケーブル1本でマルチチャンネル接続する「Denon Digital Link」も正式公開された。


■ 4ゾーン再生が可能な80GB HDDオーディオレコーダ

 Marantz Americaのブースで公開されたHDDオーディオレコーダ「DH9300」は、80GB HDDとCDプレーヤーを組み合わせたもの。開発機のため大々的には展示されておらず、ブース内の控え室に設置されていた。米国では2002年第1四半期に発売される見込みで、価格は未定。国内発売についても未定としている。

控え室の「DEH9300」は黒だが、プレス向け資料の写真はシルバー。どちらになるかは未定 前面パネル左側の操作部とCDトレイ。前面パネルはアルミのヘアライン仕上げ。なお開発機のため、背面の写真はとらせてもらえなかった

 HDDへの記録フォーマットは、非圧縮のPCMまたは、MP3。さらに、MP3のビットレートは、高/中/低の3種類から選択できる。PCMでCD約100枚分、最も高い圧縮率のMP3だと、約1,500時間分の記録が可能。

 オンスクリーンディスプレイ機能も備えており、PC用のディスプレイ、またはテレビにタイトル名やアーティスト名を表示可能。本体とディスプレイは、アナログRGB端子や、コンポジットで接続する。

 また、最大4系統のアナログ音声出力が可能で、DEH9300のある部屋とは別の部屋で、違う曲を再生することもできる。オンスクリーンディスプレイ用の端子も4系統ずつ備えており、ディスプレイも4台まで接続可能。さらに同社のアンプと専用のiR端子で接続した場合、アンプのリモコンを使って、別室からDEH9300を操作できるという。もちろん、iR端子も4系統装備している。

 ただし、各出力先からの操作は1度に1系統ずつとなり、複数の出力先からDEH9300を同時にコントロールすることは不可能。また、複数の出力先への同一ファイルの同時再生にも対応していない(異なるファイルなら、同時にすべての出力先へ再生が可能)。

 出力端子はアナログ音声4系統のほか、光デジタル、同軸デジタルを装備。また、背面にはアナログモデムを備え、インターネット上のCDDBに接続できる。曲データを取り込めば、タイトル名、アーティスト名、ジャンル名をキーにした抽出や、プレイリストの作成も行なえる。

DEH9300のメニュー画面。接続した4台のディスプレイに同じ画面が表示される ImergeブースでのXiVAのプレゼンテーション。XiVAにより、プレイリスト機能やCDDB接続機能が提供される。左はImergeの「m1000」。最大255GBのHDDを増設できる業務用音声サーバ

 なお、この製品のシステムコントロール部には、Imergeの「XiVA(ジバ)」というソフトウェアが用いられている。XiVAは、AV機器のコントロールを得意とするソフトウェア。DEH9300のほかにも、Imerge製サウンドサーバー「m1000」に搭載されていたのをCES会場内で確認した。


■ マルチSACDプレーヤーやプラズマテレビも出品

 Marantzブースでは、マルチチャンネルSACDプレーヤーの「SA8260」も発表になった。これは、2001年7月発売のマルチチャンネルSACDプレーヤー「SA-12S1」の下位機種となるモデル。価格は1,049.99ドルで、2002年第1四半期に投入される見込み。日本国内でも夏ごろには発売になるという。

 また、42型プラズマテレビ「PD4293D」も発表された。日本マランツはプラズマディスプレイを扱っていないが、北米では、Marantz Americaがプラズマテレビとリアプロジェクションテレビの販売を手がけている。

 PD4293Dは、42型16:9パネルを使用するプラズマテレビで、価格は9,999ドル。日本での発売は、今のところ予定していないという。

マルチチャンネルSACDプレーヤー「SA8260」 マランツブランドのプラズマテレビ。左上から50型、42型、61型


■ デノン、専用デジタル接続「Denon Digital Link」を公開

Digital Linkを訴求したDenonブース

 Denon Electronicsのブースには、「Denon Digital Link」対応のDVDオーディオ/ビデオプレーヤーと、AVアンプが揃って公開された。

 Denon Digital Linkは、ケーブル1本でマルチチャンネルのデジタル伝送が可能になるというもの。株式会社デノンがAVアンプ「AVC-A1SE」の有償バージョンアップを発表した際、そのニュースの中にはじめてその名前が登場している。

 今回発表されたのは、DVDオーディオ/ビデオプレーヤーの「DVD-9000」とAVアンプの「AVR-5803」。この2機種にDenon Digital Link用の専用端子が設けられている。発売時期はともに3月を予定している。なお、専用端子の形状は、パソコンのEthernetなどでも使われているRJ-45。

 DVD-9000は、108MHz/14bitの映像DACと、192kHz/24bitの音声DACを搭載したプログレッシブ機。シリーズ中のフラッグシップに位置するモデルで、「PureProgressive technology」というプログレッシブ化回路を搭載している。価格は3,500ドル。

DVDオーディオ/ビデオプレーヤー「DVD-9000」のカットモデル 「DVD-9000」の内部構造

 AVR-5803は、THX Ultra 2、ドルビーデジタルサラウンドEX、DTS-ES(マトリックス/ディスクリート/Neo:6)、DTS 96/24、ドルビープロロジック IIなどに対応するAVアンプ。ドルビーヘッドフォンやHDCDのデコードも行なえる。価格は4,300ドルを予定している。

 高音質化機能として、「DDSC-D(Dynamic Discrete Surround)」や、「AL24 Processing Plus」を採用。音声DACには、24bit/192kHzのものを採用している。出力は170W×7ch。

THX Ultra 2やDTS 96/24に対応した「AVR-5080」 「AVR-5080」の内部と背面。北米モデルのためかD端子はなく、コンポーネント出力はすべてRCA。4系統が確認できる

増設ボードの形状は、日本国内のA1SE用と同じものに見える

 また、フラッグシップの「AVR-5800」を、AVR-5803相当にする増設用ボードも公開された。

 米国でもアップグレードは有償になるという。もちろん、Denon Digital Linkも搭載されている。

□2002 International CESのホームページ
http://www.cesweb.org/
□Marantz Americaのホームページ
http://www.marantz.com/hifi/america/
□Denon Electronicsのホームページ
http://www.del.denon.com/
□関連記事
【2001年12月25日】デノン、フラッグシップAVアンプ「A1SE」を有償バージョンアップ
―THX Ultra 2やDTS 96/24などに対応、A11SR相当に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011225/denon.htm

(2002年1月11日)

[orimoto@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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