気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第52回:このかたちはどこかで見たような?
たまご型スピーカー「すまいる J-8902」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

「三つ子の魂、百まで」

 唐突ではありますが、自分のパソコンデビューの機体は「Color Classic(4万円の叩き売り)」。そう、Macintoshでありました。

 いいですね、Mac。当時のPC/AT環境はWindows 3.0が出てきたころだと記憶しておりますが、まさに比べるのもばかばかしいほどの圧倒的な使い勝手の良さ。「これがAppleの力か!?」と感嘆したものです。当時は。

 現在ではWindowsのインターフェイスの使い勝手が大幅に向上して、現在使用しているWindows 2000/XPなどは、当時のMac OS、漢字Talk 7.1以上の使い心地を提供していると思います。キーボードのホームポジションのポッチが人差し指なのはいまだに慣れませんが。

 それはそれとして。使い心地に問題がないのならば、価格が安いほうに消費者のカネが流れるのは資本主義の原則。自分もその大きな波に乗り、今ではすっかりWindowsに乗り換えてしまいました。だって、かかるお金が全然違うんだもの。

 「PowerMacintosh 8500」を使ってたときは、FDD、CD-ROM、そして電源が死ぬごとに秋葉原でパーツ探して交換したりと頑張ったんですがね。ついにマザーまでいかれて成仏。じゃあ、Macの新製品買おうと思ったときは、安~いPC/ATマッシーンが目白押し。おおお、ビッグウェーブですよ、これは! ああ、飲まれる、飲まれる……。え~、そういう次第でWindowsに流されたわけです。

 しかし、「三つ子の魂、百まで」ということわざがあるように、最初に触れたOSには愛着があるもの。その後もMacの新製品が出るたびに「どうすっかぁな? でも高いし」と悩みつづけておりました。「iMac」以降、新機軸のデザインを提供しているのもポイント高し。トランスルーセントのボディは魅力的に見えたものです。

 周辺機器も魅力的で、特にharman kardon製の「SoundSticks」はトランスルーセントのデザインがカッコよく、結構物欲がそそられたものです。が、残念ながらUSB接続のMacintosh専用。結局、忘れることにしたのでした。「Apple Pro Spekers」も良かったけれども、ステレオミニジャック接続とは言え、「2001年1月以降発表のPower Mac G4のみの対応」とアップル様がおっしゃっているので状況は同じ。

 しかし、最近になってその「SoundSticks」のサブウーファと「Apple Pro Speker」のスピーカーにちょっと似た雰囲気をもつスピーカーシステムが登場。それがすまいるの取り扱う「J-8902」であります。


台湾のPC関連製品は世界一

 このスピーカー、ありていに言ってしまえば台湾製のスピーカー。そのスピーカーをすまいるが輸入販売、という形式で発売しているもの。さすが台湾。魅力的な製品を作ってくれたものです。伊達に世界にPC製品供給してないよ。

 なんといっても魅力的なのがその価格。標準価格はオープンプライスだけれども、同社の直販サイトでの価格は7,480円。1万円を大きく割り込んでいるのであります。ううむ、こいつは遊びで出しても納得できる金額でありますな。じゃ、いっときますか。

 秋葉原で探したところ、取り扱っている店舗を1店だけ確認。が、しかし。価格が少々高いんじゃよ~。7,800円もするんじゃよ~。ま、直販価格に比べて320円しか変わらないんでココで買っときましょうか。「すんません、コレお願いします」。

 店頭では見本を展示してあるだけで、パッケージは確認できなかったのだけれども、店員さんが持ってきたパッケージには、台湾の繁字体漢字が満載。う~ん、予備知識があったからひるまなかったけど、もし何も知らないで頼んでたらアレだったかも。ま、安いんで納得はしたでしょうけど。

 重量は結構ありまして、パッケージの状態で大体7kg程度。自分、昔は引っ越しのバイトしてたんでなんとかお持ち帰りましたが、正直、お持ち帰りにはつらい重量ですわ。じゃ、内容を改めるとしますか。

 パッケージの内容は、アンプ部一体型のコントロールボックス、サブウーファ、サテライトスピーカー×2、ACアダプタ、ステレオミニプラグコード、という構成。ん~、正に必要最小限度ですなぁ。いやいや、「より安く」という姿勢に感心します。


それぞれの作りは結構しっかり

 サテライトスピーカーは、外形寸法103×103×80mm(幅×奥行き×高さ)、と手のひらに乗るサイズ。ま、コンパクトスピーカーとして標準的だと思います。スピーカーケーブルは直出しで、アンプとはRCAピンプラグで接続。これもよく見受けられる構造。

 サブウーファは、外形寸法250×250×270mmとさすがに大きいけれども、卵形のデザインはなかなかユーモラス。ちょっとなごむかも。で、設置は4本のスタンドで自立させ、ウーファは下向きに音を出す構造。ちゃんとバスレフポートもついてます。そうそう、こちらもスピーカーケーブルは直出しRCAでした。

 アンプ部は、トランスルーセントではないグレーのプラスチック製。スイッチ類は電源と、ボリューム/バスコントロール用のつまみをつけたシンプルなもの。で、入力端子はステレオミニ×1系統オンリー。出力はRCAで、サテライトスピーカーL/Rと、サブウーファ×1という構成。

 アンプの外形寸法は98×168×197mmと、さほど大きなサイズではない故、場所はさほど取らないと思います。でも、これだけ普通のプラスチックなんで、少々安物感が漂ってしまいますが……。

 スピーカー部はトランスルーセント故、内部構造をはっきり見て取れるのでじっくりと確認してみると、ふむふむ、意外としっかりした作りをしてるじゃないですか。秋葉原で売られている製品の中には、ボディのつなぎ目がズレていたり、はんだがダマになってるようなものもたまに見かけられるんだけれども、この製品に関してはそんなことはない様子。JAZ SPEAKERといえば台湾メーカーの中でも有名な部類に入る(と思う)ので、安心できるみたいです。

 が、マニュアルは繁字体漢字がずらずらと……。う~ん、繁字体でもなんとなく理解はできるんですが、せめて英語マニュアルが欲しいかな、と思う次第であります。

パッケージ。繁字体の中文のままで流通してます サテライトスピーカー。コーンはネットに隠れてます サブウーファ。卵型の形状が独創的ではあるものの、やはりどこかで……

アンプ部前面。パワースイッチ、マスターボリューム、サブウーファボリュームをコントロール アンプ部背面。入力端子はステレオミニ×1系統のみ マニュアル。こちらも繁字体の中文。なんとなく意味はわかりますが……


音は普通で、設置性も意外と高い

 んじゃ、設置してみますか。ACアダプタは少々大きめではあるものの、アクティブスピーカー用としてはまあ、標準的な大きさなんじゃないでしょうか。が、コンセントに直接挿すタイプなので電源タップを使っていると少々不便。ま、100円ショップで5本まとめ買いした「50cm延長ケーブル」が余ってたのでソレを使うことにしました。

 サテライトスピーカーの方は、手のひらに乗るサイズで、設置場所はどこでも良さそう。まあ、コレはディスプレイの左右で決定でしょう。

 アンプ部は、弧を描いた形状をしている故、横置き設置は難しいですが、本体は比較的コンパクトなので縦置きでも比較的置きやすい。幅は98mmですからね、約10cmの隙間さえ確保できれば置けますよ。

 で、問題なのがサブウーファ。そういえばこのサブウーファってパッシブ型で、電源が要らないんですわ。電源の確保を心配しなくていいのは良いのですが、大きさががね、やはり、ちょっと。

 「卵型」というユーモラスな形状を楽しむために、どこか目に付くところにおきたいという願望はありつつも、その大きさ故、目の付くところに設置スペースはナシ。う~ん、仕方ないのでまたテーブル下ですかね。

 が、ここで卵型の思わぬメリットが。これ、高ささえ確保できれば設置面積自体は結構節約できるんですわ。形状は円形ですが、足は4本なので設置面にある程度の正方形スペースさえあれば設置が可能。もちろん、足の安定性にも問題はなし。

 高さの確保が大変なので、テーブルトップでのユースには正直向きませんが、コンパクトなサテライトスピーカー、幅10cm未満のアンプ部、そして4本足のサブウーファと、設置性はなかなかはよろしいようです。

 んじゃ、鳴らしてみますか。……ん~、なんというか、普通に鳴ってますねぇ……。特にキャラクター性を感じるわけでもなく、音の良さにハッとするわけでもなく、逆に「なんだよこの音!」と憤るわけでもなく……。

 キャビネットの鳴りは、至って普通。音量を上げる過ぎると多少プラスチックっぽいビビリも入りましたが、あまり音量を上げることもないので、プラスチック筐体に文句をつけることもないでしょう。

 クロスオーバーも特に問題なさそう。テクノ、クラシックソースを中心に聞いてみましたが、低音の迫力は結構豊かで、どちらかと言うとホームシアター向けのサブウーファっぽい鳴り方ですな。かといって高域が不足しているわけではなく、普通に鳴ってます。テクノ系だと電子音のリバーブがいい感じに響いたり。

 当初はあまりキャラクター性を感じなかったけれども、しばらく聞いたあとの感想は、「低音豊かな鳴り」という感じ。高域の延びが多少低音の迫力にまぎれてしまうかな、と思います。が、高域の鳴りも普通ですよ。コンパクトスピーカーシステムにしては結構高いレベルだと思います。

ACアダプタ。手のひらにあまる程度のサイズ サテライト背面。パスレフポート付き。作りはしっかり サブウーファ下部。ウーファは下向きに配置


デザインと設置性を求める方に

 当初こそは「Macintosh用製品(風)」の外観にふらふらとつられてご購入したのですが、モノ自体はなかなかの実力派。まあ、コンパクトスピーカーにしては、という前提条件はつきますが。

 コンパクトスピーカーのメリットといえば、何といっても設置性の高さが挙げられるわけですが、サブウーファでそれを台無しにしてしまう製品もなきにしもあらず。しかし、この製品に関しては、サブウーファの設置性も高く、もちろん、サテライトスピーカー、アンプ部も問題なし。いやいや、コンパクトスピーカーシステムはかくあるべし、ですよ。

 音質、設置性ともにかなりのレベルにある製品と思いますが、デザインもやはり魅力的。トランスルーセントのボディ、丸みを帯びた筐体、というムーブメントを作ったのはおそらく「iMac」だと思いますが、そのムーブメントが定着したのは、やはり先進性を感じながらも親しみが持てるからだと思うわけですよ。

 で、そういうコンセプトに則ると、なんとなく「Macintosh関連製品」風になってしまうのかな、と想像してみたり。いや、単に自分が「心情的なMac派」なのだとは思いますが。

 そういえば新型iMacが発売されましたね。って、トランスルーセントじゃなくなってるし……。今度はスノーホワイトがスタンダードっすか? そのうちスピーカーもスノーホワイトになったりしますか?

□すまいるのホームページ
http://www.smile55.com/
□製品情報
http://www.smile55.com/shuhen.html#スピーカー
□JAZZ Hipsterのホームページ(英文)
http://www.jazzspeakers.com/
□製品情報(英文)
http://www.jazzspeakers.com/products/J8902.htm
□関連記事
【2001年12月17日】すまいる、卵型スケルトン2.1chスピーカーシステム
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011217/smile.htm

(2002年3月5日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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