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MPEG-2映像をIEEE 802.11bで伝送する20型液晶テレビ
東芝 液晶“FACE”ワイヤレス「20LF10」
発売日/11月10日
価格/オープンプライス(実売価格23万円前後)


■ 主な特徴

 東芝の「液晶“FACE”ワイヤレス」は、映像をMPEG-2に変換し、IEEE 802.11bで無線伝送するワイヤレス液晶テレビ。オプションでワイヤレス化するシャープ、アイワの製品とは異なり、ワイヤレス伝送ユニットを標準で装備するのも特徴。ラインナップは20V型と14V型の2種類で、実勢価格はそれぞれ23万円前後、16万円前後となっている。今回はこのうち、20V型の「20LF10」を試用した。

 製品構成は、ディスプレイ部と、地上波チューナおよび送信部の「ワイヤレスステーション」とに別れたセパレートタイプ。ディスプレイ部に映像ケーブルを接続する必要がないため、ベランダなどアンテナ線の引き込みがない場所や、1階にワイヤレスステーション、2階にディスプレイといった設置も考えられる。

 加えて、液晶テレビだけに筐体が薄く、総じて設置の自由度は高い。また、本体が約6.4kgと軽い上、ディスプレイ後ろにキャリングハンドルを装備するのも特徴。20V型と比較的大きな画面サイズのため、「さすがに片手では持ち上がらないだろうと」と試してみたら、あっさり持ち上がった。大画面と可搬性のバランスを考えると、ワイヤレス液晶テレビでは20V型程度がぎりぎりの大きさなのかもしれない。

ディスプレイ部はチルトが可能。フレームやスタンドは樹脂製 ディスプレイ側の送受信ユニットは、裏面に一体化されている ディスプレイ上部の操作スイッチ。ビデオ3入力への切り替えはここでしか行なえない

 ディスプレイパネルの解像度は640×480ドット。松下電器製の液晶AI搭載機と同等の応答速度16msを実現し、業界トップクラスとしている。また、上下左右160度と、たいていのリビングでは十分な視野角を確保。輝度も業界最高の450cd/m2で、最高輝度時の明るさは、液晶テレビとしてはかなり明るく感じた。

 映像入力は、ワイヤレスステーションに2系統(ビデオ1、ビデオ2)、ディスプレイ部に1系統(ビデオ3)を搭載。映像端子はいずれもS映像/コンポジット。なお、ディスプレイ部のビデオ3は、ワイヤレスステーションを介さない入力系統となっている。このため、ビデオ3を使うことでMPEG-2圧縮のない、ディスプレイ本来の画質を確認することができる。

スピーカー部はディスプレイ部と一体化している。スピーカーユニットは5cm径のフルレンジ2個を搭載 背面にはキャリングハンドルを装備。第2関節程度までしか指が入らないが、片手で十分持ち運びできる

ワイヤレスステーションの前面下部には、電源ボタンと伝送レートの選択スイッチ(画質1/2/3)を備える ワイヤレスステーションの背面


■ 画質

 伝送レートは3段階で、ビットレートは「画質3」が6Mbps、「画質2」が4.5Mbps、「画質1」が4Mbps。切り替えはワイヤレスステーションで行なう。最大ビットレートの画質3の場合、ワイヤレスステーションからの映像を映すのに10秒ほどかかった。今回はディスプレイとワイヤレスステーションを30mほど離して設置したが、各ビットレートとも映像取得後は目立ったコマ落ちもなく、滑らかに表示された。

 プリセットの画質モードとして、「あざやか」、「標準」、「映画」、「お好み」の4種類が用意されている。このうち「お好み」がユーザー設定。「あざやか」と「標準」は、店頭で良く見かけるギラつき気味の調整で、輪郭に不必要な太い線が出るなど、本格的な映像観賞用には向かない。液晶ディスプレイにありがちな輪郭のくずれも目立つ。しかし、「お好み」でユニカラー(コントラスト)、色の濃さ、画質(シャープネス)を下げることで、階調が豊かになり、輪郭も落ち着いた。ユーザーが調整を重ねることで、絶対輝度は下がるものの、DVDビデオなどの表示にも耐えられるポテンシャルは持っている。

 液晶特有の残像ぶれについては、画面全体が動くシーンでもほとんど確認できなかった。また、調整次第では黒浮きや白とびも抑えることができる。液晶テレビの弱点が、ここ1年ほどで徐々に改善されているのがわかる。

 ワイヤレスステーションを経由した映像は、伝送レートが低くなるごとにモスキートノイズとブロックノイズが多くなる。とはいえ、最もビットレートの高い6Mbps(画質3)なら、平坦な部分だけにブロックノイズを感じる程度。直接入力のビデオ3に比べると劣るとはいえ、十分実用的な画質だと感じた。静止画のサンプルを下に掲載したが、一時停止した状態では、直接入力(ビデオ3)とワイヤレスであまり違いが感じられない。

画質設定項目。ユニカラーはコントラスト、画質はシャープネスに相当する 受信レベルをOSDで確認することも可能

【20LF10の静止画サンプル】
(c)CREATIVECAST Professional
転送タイプ 転送レート 解像度 サンプルファイル
ビデオ3
(直接入力)
画質3 6.0Mbps 640×480ドット
画質2 4.5Mbps 640×480ドット
画質1 4.0Mbps 640×480ドット
編集部注: DVデッキ「WV-DR5」で再生したCREATVECAST Professional(カノープス株式会社)の映像をRF経由でワイヤレスステーションに入力し、一時停止した映像をデジタルカメラ「D100」で撮影した。D100の設定は、色温度を晴天(約5,200KB)にしている。撮影後、画面部分を640×480ドットにリサイズし、サムネイルを切り出した。各サムネイルは640×480ドットの画像にリンクしている。


■ まとめ

付属のリモコンは透明ボタンを配した特徴的なデザインを採用。ただし各ボタンは硬い。このほか簡易リモコンも同梱される
 「液晶テレビをワイヤレスで使用する」という提案は以前からあるが、20LF10ではデジタル伝送ユニットを標準で装備するところがポイント。パネル解像度が640×480ドットなのでハイビジョンは非対応だが、地上波やアナログBSを使用目的に据えれば問題はない。

 残像ぶれの少ないディスプレイ、実売23万円前後の価格、ワイヤレスを生かせる可搬性などは、大型のハイビジョンモデルにはない魅力。キッチンなど設置スペースが小さい場合は、14型の「14LF10」という選択肢もある。


【20LF10の主な仕様】
液晶パネル 20V型(480×305mm)
パネル解像度 640×480ドット
受信周波数帯域 VHF 1〜12ch、UHF 13〜62ch、CATV C13〜C38
スピーカー 5cm径×2
入出力 映像入力 S映像/コンポジット×2系統(ワイヤレスステーション)
S映像/コンポジット×1系統(ディスプレイ)
映像出力 S映像/コンポジット×2系統(ワイヤレスステーション)
音声入力 アナログ×2系統(ワイヤレスステーション)
アナログ×1系統(ディスプレイ)
音声出力 アナログ×2系統(ワイヤレスステーション)
ヘッドフォン×1系統(ディスプレイ)
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
モニタ 493×198×523mm(スタンド含む)
ワイヤレス
ステーション
45×202×226mm(スタンドを外した状態)
重量(スタンド含む) 約6.5kg

□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2002_09/pr_j1903.htm
□関連記事
【9月19日】東芝、MPEG-2無線伝送に対応した液晶テレビ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020919/toshiba1.htm

(2002年12月9日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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