【バックナンバーインデックス】



フラッシュメモリ内蔵の“新時代ラジカセ”
ラジオ予約録音の強い味方!?
シャープ「ミュージックキャリー」
6月下旬発売
標準価格:オープンプライス
実売価格:「1GBモデル」33,000円前後
       「512MBモデル」25,000円前後



■ 新時代のラジカセ

 一昔前は、外出時に聞くメディアはカセットテープやMDが主流であり、それらに音楽をダビングする役目はラジカセやミニコンポが担当していた。しかし、iPodなどデジタルプレーヤーの普及にともない、そうした役割はパソコンへと交代しつつある。

 また、部屋でじっくり音楽を聴く装置としても、HDD内に大量に音楽を蓄積できる便利さから、ラジカセやコンポよりもパソコンが使われはじめている。最近ではポータブルプレーヤーとの接続を想定したアクティブスピーカーや、プレーヤーをそのまま乗せられるクレードル型スピーカーも多数登場。ラジカセ/ミニコンポの肩身はますます狭くなるばかりだ。

 一方、次世代のラジカセ/ミニコンポを作ろうという動きも活発化。松下電気などは、SDメモリーカードスロットを備えたコンポ「D-dock」を展開。SDカードに記録した音楽をそのままポータブルプレーヤー「D-snap Audio」で再生できるという、パソコンレスのソリューションを提案。ソニーもHDD搭載コンポ「ネットジューク」で蓄積した楽曲をUSB経由で「ウォークマンA」、「ウォークマンE」などへ転送するシステムを構築している。

 ポータブルプレーヤー全盛時代のミニコンポには、パソコンに代わって音楽を購入したり、取り込んだり、蓄積し、プレーヤーへ転送する「母艦」的な機能が求められるのだろうか? シャープはそんな状況の中で、ちょっと発想を変え、蓄積したり転送することがメインではなく、パソコン内の音楽を気軽に他の部屋に持ち出し、ラジオのMP3録音もできる“デジタルミュージック時代のラジカセ”というコンセプトを掲示。フラッシュメモリ内蔵の据え置き型プレーヤー「ミュージックキャリー」を6月下旬に発売した。

 また、新しいコンセプトの機械というだけでなく、ラジオ好きにとってはサン電子の「ボスマスター」や「トークマスター」と同様、ラジオ番組をMP3などの汎用フォーマットで録音/蓄積可能というポイントも見逃せない。「ラジオ録音機」、「ラジオサーバー」としても期待のモデル。さっそく試用してみた。

□関連記事
【2004年4月9日】【デバ】ラジオ野郎の夢が現実に!?
MP3でタイマー録音、PCとも連携できる サン電子 「ボスマスター」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040409/dev064.htm


■ カセットデッキの呪縛から解き放たれたデザイン

 ラジカセっぽい形をしているが、カセットデッキは搭載していない。さらにCDプレーヤーも非搭載だ。搭載しているのはフラッシュメモリで、512MBモデル「QT-MPA5」と1GBモデル「QT-MPA10」の2機種を用意。ほかに搭載しているのはFM/AMチューナのみというシンプルな仕様。価格はオープンプライスで、店頭では1GBモデルが33,000円前後、512MBが25,000円前後で販売されている。

 いっそのことHDDを搭載すれば・・・・・・とも考えてしまうが、同社によれば「音楽サーバーではなく、音楽CDを10枚、20枚分保存できる、大容量CDチェンジャーをイメージした。価格面でより手軽に購入できるよう、コストの高いHDDは選択しなかった」とのこと。確かに、「5万円前後のラジカセ」というのも難しいだろう。

 非常に特徴的なフォルムが目を引く。筐体全体で楕円形を描いているようだ。取っ手の存在と、背面のFM用ロッドアンテナがかろうじてラジカセを連想させる。四角いカセットデッキを内蔵しなくて良いことがこれまでのラジカセデザインとの大きな違いで、全体としては「女性のハンドバッグをイメージした」という。

全体で楕円形を描くようなデザイン ロッドアンテナを伸ばすとラジカセの雰囲気になる

 据え置き型の製品であり、大容量メモリも内蔵しているが、コンセプトとしてはポータブルプレーヤーに近い。パソコンに蓄積した楽曲や有料配信で購入したファイルをUSB経由で転送。家の中の好きな場所で聞いたり、屋外で聞いたりすることを想定している。

 サイズは410×177×122mm(幅×奥行×高さ)で、重量は約2.1kg。家の中を移動するくらいならば苦にならない大きさ/重さだ。もちろん“ラジカセ”をコンセプトにしているだけあり、付属のACアダプタ以外に乾電池での駆動も可能。単3電池6本、アルカリ電池を使用した場合約9時間の連続再生が行なえる。夏休みのキャンプなどで活躍しそうだが、手持ちで遠距離を運ぶのはちょっと辛い。車での移動ならば問題ないだろう。

重量は2.1kgで、ややズシリとくる重さ。長時間持ち運ぶのは辛いだろう 操作ボタンと液晶ディスプレイ部 横から見たところ

 中央に液晶ディスプレイと特徴的な円形ボタンを装備。円形ボタンは十字入力対応で、中央が決定ボタン。決定ボタンは録音開始/停止機能も兼ねている。ほかにも、左右に電源、画面表示切り替え、再生モード切り替え、メニュー、入力切り替え、音量調整などのボタンを備えている。

 背面にはFMラジオ受信用のロッドアンテナと、付属のAM卓上ケーブルを接続する端子、ACアダプタ用電源端子、USB端子を装備。ステレオミニの外部入力端子も用意。ライン入力はポータブルプレーヤーなどと接続して、再生音をMP3エンコードし、内蔵メモリに録音する際に利用する。また、「モバイル入力」としての役割も担っており、ミュージックキャリー自体をアクティブスピーカーとして、ポータブルプレーヤーの再生音を大音量で再生できるのだ。

 単なるアナログ入力なので、ケーブルさえ用意すれば仲間が携帯電話やポータブルプレーヤーなど、異なるプレーヤーを持ち寄った場合でも、全員で音楽を楽しむことができる。まさに夏の夜にうってつけの機能と言えそうだ。なお、入力する際に、前面のスイッチでゲインが切り替えられるようになっている。LOWゲイン(500mV)/HIGHゲイン(150mV)が選択でき、携帯電話など、出力が小さい機器と接続してもしっかりとした音量で再生が可能。細かいポイントだが手抜きはなく好印象だ。

背面。両端に見える大きな穴はバスレフポート 端子部。左がAMアンテナ入力、その隣がイヤフォン出力、USB、ライン入力となっている USBコネクタはカバー付き

付属のUSBケーブルは1.7m 付属のACアダプタ 単3電池6本で駆動も可能。ACアダプタ接続時でも、時計などのバックアップ用にさらに単3電池2本を入れる必要がある


■ パソコンから転送

 さっそく楽曲を転送してみよう。付属のUSBケーブルでパソコンと接続すると、ミュージックキャリー側はストレージクラスモードに移行。本体の操作は行なえなくなる。パソコン側からはドライブとして見える。USBケーブルは1.7mと長めで、ノイズのカタマリであるパソコンの近くにミュージックキャリーを置く必要がなく、ラジオ受信の妨げにならなくて嬉しい。

 エクスプローラなどでルートフォルダに楽曲を転送しても再生できてしまうのだが、シャープとしてはWindows Media Player 9、または10の利用を推奨している。もちろん、著作権保護がかかった楽曲の転送はWindows Media Player 9/10で行なう必要がある。なお、今回試用した1GBモデル「QT-MPA10」の場合、デモ楽曲を除いたユーザー使用可能領域は約990MBだ。

パソコンと接続するとストレージクラスモードに移行。本体から操作はできなくなる ユーザーがアクセスできるのは約990MBのエリア ストレージクラスに対応し、ドライブとして利用できる

楽曲の転送にはWindows Media Player 9/10を利用する

 再生可能なフォーマットはMP3/WMA/WAVで、対応ビットレートはMP3が16~320kbps、WMAが32~192kbps。WMAのDRMもサポートしているが、DRM 10には対応しておらず、サブスクリプション形式のサービスはサポートしていない。据え置き型のプレーヤーではBGMとして再生する事も多く、パソコンと1カ月に1度くらい接続して、新しい楽曲に入れ替えて再生したいという要望も多そうだ。次のモデルではDRM 10のサポートを期待したい。

 40個のファイル、952MBを転送したところ4分28秒で転送できた。転送のストレスはほとんど感じないだろう。楽曲の削除はパソコンからのほか、本体でも行なえる。

 再生モードはアルファベットのファイル名順に「すべて再生」のほか「プレイリスト再生」、「フォルダ再生」、「リスト再生」が行なえる。リスト再生はID3タグ情報を基にアーティスト/アルバムでの再生が行なえるもの。プレイリストは「プレイリスト編集」メニューから作成。全楽曲の中から再生したいものにチェックマークを付けて保存するというシンプルなものだが、複数のプレイリストを作ることができる。

再生中の画面。ID3タグの日本語表示も可能だ プレイリスト編集画面。再生したい楽曲にチェックを付けていく ユーザーカスタマイズも可能なプリセットイコライザを用意する

スピーカーは8cmフルレンジ

 メモリ容量の問題で保存できる楽曲数が少ないこともあり、目当ての楽曲がなかなか見つからないという事は無かった。しかし、液晶ディスプレイが小さく、解像度も低いのでファイル名の冒頭しか見ることができず、プレイリスト作成時やリスト再生時の視認性はイマイチ。パソコン側でフォルダ形式で楽曲を整理しているユーザーは、そのままのフォルダ構成で転送し、フォルダモードで再生した方が便利かもしれない。せっかくパソコンと連携できるので、パソコンでプレイリストの作成/管理ができると理想的だろう。

 スピーカーは8cmフルレンジで、アンプ出力は2W×2ch(ACアダプタ利用時)。音質は見た目通りというか、良くも悪くも“ラジカセサウンド”だ。背面にバスレフポートを用意しているが低音の量感は少なく、音が全体的に痩せぎみ。音場もあまり広がらない。音量をあげていくとコンコン、カンカンと筐体が振動する付帯音も感じられる。ただ、安物ミニコンポによくある無理に低音~中音をブーストさせるような下品な音作りではない。楽曲やラジオを気軽に、BGM的に再生するには十分だろう


■ いよいよラジオ録音

 第2の魅力とも言うべき録音機能を見てみよう。録音作業は簡単で、円形ボタンの中央を押すだけで、放送中の番組を録音できる。録音フォーマットはMP3のみで、ビットレートは64/128/192kbpsの3種類から選択可能。録音中は録音可能な残り時間も確認できる。

 録音開始時にビットレートを問われることはなく、ビットレートの設定は個別のメニューからあらかじめ行なっておく必要がある。ライン入力からの録音も同じで、同モードではシンクロ録音にも対応。1秒以上無音があると自動的に録音を一時停止、再生音が入力されると次の曲として録音される。

ラジオ受信時はいつでも録音が可能。円形ボタンの中央を押せば録音が開始される 録音ビットレートは3モードから選択 外部入力モードではシンクロ録音機能も利用できる

 タイマー録音機能も見てみよう。タイマー予約は、1回かぎりの「ワンス」と、指定した曜日/時間を毎週繰り返し録音する「ウイークリー」の2種類を用意。指定方法はどちらも開始時間と終了時間を指定し、録音したい放送局を選択する。なお、放送局の指定はプリセットされた局内から行なうため、必ず放送局の登録をしておく必要がある。AM/FMともにオートプリセット機能を備えているので登録自体は簡単だ。

 予約リストは6個まで作成可能。一度作ったリストは編集したり、一時無効にしたり、再度有効にしたりなど、柔軟性の高い予約動作制御が可能だ。ただし、リストそのものの名前は録音開始時と「Preset03」などのリスト名で書かれているため、どのリストがどの番組のものかはわかりにくい。番組名の登録ができれば便利なのだが。

 あとは本体の電源を切り、スタンバイモードにしておくことで、指定した時刻になると自動的に電源が入り、録音がスタート。録音が終了すれば再びスタンバイモードに移行するといった具合だ。なお、同様の設定で「録音」動作ではなく、「再生」動作も自動化できる。特定の時間に音楽やラジオを再生し、目覚まし機能としても利用できるわけだ。

タイマー予約はシステムメニューから行なう タイマー動作は録音だけでなく再生も可能。まず、どちらの動作を行なうかを選ぶ 一回だけのワンスか、毎週行なうウィークリーかを選択

タイマー予約リストは6個まで作成できる 録音したい曜日の指定が可能。もちろん複数の曜日を指定することもできる 曜日を指定後は時間を指定する

 ラジオ録音をメイン用途と考えるユーザーには、ウイークリー機能の充実ぶりが嬉しい。曜日指定が可能なので月、火、水、木の深夜だけ、火曜日と土曜日だけなど、変則的な番組にも対応可能。深夜ラジオを毎回録音し、パソコンでライブラリ化して管理するといった使い方も便利だ。

予約リストはそれぞれに対して「設定(編集)、「オン(有効にする)/オフ(無効にする)」、「削除する」が選べる

 録音した番組のファイルサイズは、FMラジオの2時間番組の場合、128kbpsで約120MB、AMの2時間番組を64kbpsで録音すると56MB程度だ。同じ番組を3モードのビットレートで比較すると、FMの場合192kbpsと128kbpsはほとんど違いがなく、放送時とほぼ同じ音質が楽しめる。イヤフォンで聞けば高音の分解能などの違いがわかるが、ミュージックキャリー本体で再生する分には128kbpsで十分だろう。

 AMの場合は64kbpsが適している。128kbpsでは確かに放送時と同様の音質が確保できており、64kbpsに落とすと音場がグッと狭くなり、レンジも狭くなる。ただし、AMはトーク番組や語学学習、ラジオドラマなどが中心となるため、64kbpsであっても会話の内容は問題なく把握できると感じた。

 録音したい番組数やパソコンとの接続頻度にもよるが、64kbpsでAMラジオを録音する場合、1GBモデルでは16、17個程度メモリ内に保存できる計算になる。1週間に2、3個の番組を予約した場合でも、1カ月以上の番組を保持できそうだ。逆にアニメ関連のラジオ番組を大量に録音したい時や、FMラジオの長時間ライヴ番組を128kbpsで録りたいといった場合には、頻繁なパソコンでのバックアップが必要となる。価格さえ許せば1GBモデルを選択した方が無難だろう。


■ 不満点もチラホラ

 パソコンとの連携や再生機能はシンプルにまとまっており、大きな不満はない。ベッドサイドや台所など、ちょっとした場所に運んで音楽を聴くという用途では便利に使えるだろう。ただ、ラジオ録音関連ではいくつか気になる点があった。

スタンバイモードにしないとタイマー動作はしない

 それは電源とタイマー録音の関係だ。同機はパソコンとUSB接続する際は、USBポートからの給電でのみ動作でき、付属のACアダプタを接続する必要がない。これはこれで、常に設置している場所とパソコンが離れている場合は嬉しい機能だ。しかし、USB接続している際は強制的にストレージクラスモードで動作してしまい、チューナの受信や録音/再生機能など、一切の機能は利用できない。つまり、パソコンと接続している時にはタイマー録音機能も動作しないのだ。

 そこで、タイマー録音を動作させようとUSBケーブルを抜くが、それだけではタイマー動作はしない。前述の通り、タイマーが動作するのは「スタンバイモード」の時のみだからだ。つまり、USBケーブルを抜き、AC電源からの電源供給で一度電源をONにして、さらに電源をOFFにしてスタンバイモードに移行せねばならない。

 ちょっとわかりにくいが、USBケーブルが接続している限りはUSBポートからの電源が最優先され、AC電源が接続されていてもそれは無視されてしまう。そして、USBケーブルを抜いた際、AC電源に自動的に切り替わらないため「完全電源OFF」状態になってしまうのだ。それゆえ、スタンバイモードに移行するためにはAC電源から供給を受けつつスタンバイさせなければならない。また、パソコンの電源が切れていてもUSBポートからの給電は続くため、USBケーブルは必ず抜かなければいけない。これは意外と忘れがちになる。

 また、AC電源からの供給で動作している場合でも、スタンバイモードにしない限りタイマー録音は動作しない。つまり、再生モードで内蔵ファイルを聴いていたり、他のラジオを聴いていたら録り逃してしまうことになる。強制的にタイマー動作に切り替えたり、「タイマーの時間ですけど録音に移行しますか?」などのアラーム音やメッセージが表示されても良かったのではないかと思う。

 また、タイマー予約時に各予約で録音モードを変えることができない点も気になった。「この番組はFMだから128kbpsで、この番組はAMのトーク番組だから64kbpsで」と指定することはできず、全予約を3モードのビットレートから選ぶしかないのだ。

現行のファームバージョンは1.17

 録音した番組はメモリ内の「REC」フォルダに保存される。ファイル名も自動的に付与されるのだが、8文字では日時と時間を表示しきれないため、独自の法則に沿ったものになっている。1文字目はFMの場合「F」、AMは「A」になり、以降4桁は「0630」など日付が入り、残りの3桁は独自の法則にそったアルファベットか数字が入れられる。具体的には「A0625CLG.MP3」、「A06060TG.MP3」といった具合だ。

 慣れれば日付はすぐに見分けられるし、ファイルの作成日を見れば何の番組か推測できるのだが、やはりパッと見た時の識別性は悪い。できればRECフォルダ内に、予約リストの番号でサブフォルダを作り、そこに各番組を保存してくれるとありがたかった。このあたりの機能追加はファームアップに期待したいところだ。

 こうした不満は、タイマー録音やラジオ録音をどれくらい重視した使い方をするかによって評価がわかれるところ。ミュージックキャリーはラジオ録音をメインとした機器ではないし、たまにパソコンで購入した楽曲をラジカセに移動して終わり・・・・・・という使い方をする上ではまったく問題にならないだろう。


■ 今後が楽しみなジャンル

 1週間程度試用してみて、パソコンに蓄積したり、音楽配信で購入した楽曲をラジカセスタイルな機器に移動して楽しむというのは予想以上に便利だと感じた。例えば就寝時、気軽にベッドのそばに引き寄せて音楽を楽しみ、飽きたらラジオに切り替えるといったことも可能だ。

 ノートパソコンを引き寄せれば似たようなことはできるが、音楽を聴くためだけにパソコンが起動しているというのは、あまり落ち着かない。再生音もノートパソコンと比べればミュージックキャリーが数段上。ポータブルHDD/メモリプレーヤーでも代用はできるが、やはり自室にいる時くらいはイヤフォン/ヘッドフォンは使いたくないという時もある。想像以上に出番が多い機器になるだろう。

 そのため、直接的なライバルは“アクティブスピーカーなどと接続したポータブルプレーヤー”ということになるかもしれない。HDDタイプのプレーヤーならば楽曲の数は明らかにポータブルに軍配があがるし、アクティブスピーカーも最近ではお洒落で高音質なものが増えている。占有面積の狭さでも強力なライバルと言えそうだ。

MP-B200/B300はminiSDカードスロットを備えている

 フラッシュメモリの代わりに大容量HDDを内蔵し、ミュージックサーバー化。miniSDカードスロットを備え、同社製フラッシュメモリプレーヤー「MP-B200/B300」と連携を可能にするというのも1つの方向性としてアリだろう。だが、それでは価格面で“新時代のラジカセ”とはズレてしまう可能性もある。機能はシンプルなまま、手軽さを追求し、さらなる小型化や、同社ならではの機能として1bitデジタルアンプの搭載などで、アクティブスピーカーと音質面で差別化を図るのも面白そうだ。

 ラジオ録音の面だけを考えると、やはりHDDは欲しい。ミュージック/ラジオサーバー化を進めるのであれば、パソコンとの連携はUSBではなく、Ethernet端子を備えてLAN経由で行ないたい・・・・・・など、要望は尽きない。同社も「新しいコンセプトの製品なので、ユーザーの声をどんどん取り入れて、今後のモデルに活かしたい」としており、新時代のラジカセが今後どのようなカタチになっていくのか、楽しみなジャンルだ。

□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/060519-a.html
□関連記事
【6月12日】シャープ、MP3レコーダ「ミュージックキャリー」に不具合
-録音したファイルにノイズが混入。無償交換
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060612/sharp.htm
【5月19日】シャープ、1BOX型のMP3/WMAプレーヤー
-1GB/512MBメモリ内蔵で、MP3録音対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060519/sharp.htm

(2006年6月30日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

AV Watch編集部

Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.