Zenverge、HD映像を4ch同時AVC録画可能なトランスコーダ
-BDレコーダなど想定。DLNAサーバー、3D映像向け機能も
10月29日発表
米Zenverge(ゼンバージ)は29日、マルチフォーマット対応のフルHDトランスコーダLSI「ZN200」と「ZN100」を発表した。日本での販売はイノテック株式会社が行なう。
ワンチップで映像と音声を高速/高品質変換するトランスコーダLSI。上位製品の「ZN200」は、MPEG-2とMPEG-4 AVC/H.264の相互変換を4ch同時にリアルタイムで行なえ、Blu-ray DiscレコーダやHDDレコーダにおいて、デジタル放送の長時間録画が4ch同時で可能になるという。
また、MPEG-2やAVCの複数ファイルのエンコード/デコードは、ハイビジョン画質で2ch、SD画質で8chまで対応。さらに、ハイビジョン映像の4倍速変換や、ポータブル機器向けのSD映像の10倍速変換なども行なえる。AVCのデュアル1080/60pデコーダを内蔵し、3D-MVC(多視点映像符号化規格)の再生もサポート。Blu-rayでの3D映像再生にも対応できるとしている。
DLNAサーバー機能に必要な、様々なクライアントに適したファイル形式への変換も可能とし、ビデオ配信に必要な最大24ストリームのQoSコントロールに対応。コンテンツ保護の面では、Multi2や、Marlin、SAFIA、DTCP-IP、WM DRMの各方式をサポートする。インターフェイスはPCI、PCI Express、USB2.0 OTG、SPI、シリアルTS、パラレルTS、HD/SDビデオ入出力に対応。
BDレコーダやDLNA機器以外の用途としては、パソコン上でのAVCHD編集を高速化するアクセラレータ、CATVや衛星放送など既存のMPEG-2対応STBにおいてMPEG-4 AVC/H.264の放送を受信可能とする外付けアダプタ、ポータブルメディアプレーヤー/携帯電話向けの外付け変換アダプタなどでの利用を想定している。
「ZN100」は、ZN200の約半分に機能を制限したという製品で、組み込み型の製品に、コプロセッサとしてトランスコード機能を追加することを想定。ハイビジョンの2ストリーム分の処理能力を持ち、インターフェイスの限定化とパッケージの小型化により、ZN200に比べ低価格で変換機能を提供できるとしている。
(2009年 10月 29日)
[AV Watch編集部 中林暁]