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DMM TV2周年。新作アニメカバー率100%を維持しながら“縦型ショートドラマ”に挑む

DMM.com 村中悠介COO

DMM.comは、12月1日にサービス開始2周年を迎える定額制動画配信サービス「DMM TV」について、これまでの取り組みと実績を発表。無料トライアルを除いた「DMMプレミアム」の有料会員数が106万人を突破、主力のアニメ配信も視聴ユニークユーザーがサービス開始から約4倍に成長した。

DMM TVは、月額550円でDMMの様々なサービスを横断的に楽しめるDMMプレミアムの旗艦サービスとして展開。低価格ながら、配信コンテンツは11月時点で約20万本以上で、国内作品に限ると見放題数が業界第2位となっている。主力としているアニメは6,000作品以上を配信しており、他社独占配信作品を除いた新作アニメについてはカバー率100%で、報告会に登壇した村中悠介COOは「今後もカバー率100%を維持していく」と話した。

なお、成人向けコンテンツの「FANZA TV」については、DMMプレミアムの月額に、追加で1,078円支払うオプションの「FANZA TV Plus」が既存のFANZAユーザーから好評となっており、DMM TVとはまた異なるユーザー層に支持されているとのこと。

開始2年で430%の成長見込み。若年層の有料会員が44%に

ローンチから2年間の主なトピック

10月に累計登録者数は350万人を突破。そのうち無料トライアルを除いた有料会員数は10月末時点で106万人を突破。2025年には125万人を超える予想で、開始約2年で430%の成長を見込む。

この成長には、主力コンテンツとして注力するアニメ配信が大きく影響。DMM TVはアニメ配信に強いサービスという認知を広げることでコアファンを獲得できたこと、実写コンテンツ強化によるユーザー層の拡大、DMM×DAZNホーダイなどの協力なパートナーとの協業を通じた認知の拡大が上手く作用したことが要因という。

なお、サービス開始時に目標として掲げた「2年間で200万人」について、村中COOは「当時何を根拠として200万人と設定したのか、見込みが甘かった」と述べ、累計登録者数で達成したときの達成感は薄かったという。有料会員数として考えた場合ではまだ200万人に到達していないため、継続してサービスの向上を目指していく。

また、従来のDMM.comのメインターゲットが30代から40代であったことに対し、DMMプレミアムは10代から20代の若年層ユーザーが44%を占める。

これは、月額550円と安価であることに加えて、従来のDMM.comがPCブラウザ向けのサービスであったことに対し、DMM TVがアプリで観るスタイルであること、さらにコンテンツ内容が若年層に合致したのではないかと分析。実際、DMM TVはテレビアプリなども登場しているが、視聴環境はスマホアプリが圧倒的に多い状況という。

DMM.comのプラットフォームに初めて訪れるユーザーの割合も、DMMプレミアムをきっかけとしたユーザーが49%となっているという。村中COOは「従来からグッズ販売や電子書籍ストアなどのサービスを行なってきたが、動画配信サービスではより広い人々に認知されやすいサービスであることを実感した」と話した。

メインとなっているアニメコンテンツについては、先行配信や独占配信のスタイルはとらずに、新作カバー率100%を維持することに注力しているという。サービス開始当初には先行配信なども行なっていたが、ユーザーの視聴傾向からも、先行配信よりも話題となった作品をすぐに見つけて観られるというバリエーションの方が重視されていることがわかったという。

アニメ制作会社のDMM picturesを傘下に持ちながらアニメ作品の独占配信を行なわない理由についても、「アニメ作品をより多くの人に観てもらいたい」というDMM picturesと、より多くの作品数をカバーして、広くアニメを楽しんで欲しいというDMM TVのスタンスから「先行・独占配信にこだわらない」方針を採る。

実写コンテンツも1年で2倍に。ショートドラマ領域でさらに新規層を狙う

アニメだけでなく、実写コンテンツも堅調に推移している

2023年秋からは実写コンテンツも強化。各テレビ局発のドラマを横断的に楽しめるほか、配信ならではのチャレンジングかつハイクオリティな企画に積極的に投資し、バラエティの「大脱出」や、オリジナルドラマ「ケンシロウによろしく」など、オリジナル作品約30作品を展開。国内ドラマと邦画の視聴ユニークユーザー数は1年で約2.5倍とアニメと同様に堅調に推移する。

オリジナル作品については、アニメを観ているユーザーが観たいと思う実写作品を目指しており、全て原作がある作品をセレクト。今冬から来春にかけては、窪塚洋介・亀梨和也W主演の「外道の歌」、のんや藤ヶ谷大輔出演の「幸せカナコの殺し屋生活」、伊藤英明主演の「ドンケツ」などキャスト陣にも力を入れた新作を配信していく。

これに加えて、新たなユーザー層を引きつける国内ドラマ・邦画作品の拡充も目指していくという。

新たなジャンルとして縦型ショートドラマにも参入。1話2〜3分でスピーディに展開されるドラマで、主にTikTikやYouTube Short、専用のアプリなどで展開されている。1作品30話から50話程度で構成されているものがメイン。

国内市場では2023年から2024年の収益比較で約3,000万円から約36億円と120倍の急成長を果たし、直近数ヶ月の月間収益規模が約20〜30億円/月にまで拡大。コンテンツの発祥である中国だけで6兆円規模に到達しているという報告もあるという。

DMM TVでは、この縦型ショートドラマ領域に年間20億円規模の投資を行ない、オリジナルコンテンツの制作ノウハウと、クリエイターとの協業実績を活かして、注目度の高い国内外ヒット作品の制作・配信を目指す。まずは2025年春頃より毎月4本のオリジナルショートドラマの配信開始、年間で50作品以上のヒット作品を作ることを目指し、現在準備を進める。

村中COOは、「DMMプレミアムとDMM TVは業界最後発のサブスク動画配信サービスとしてローンチしましたが、最後発でもある程度戦えるという確信のもとで挑戦し、一定の市民権も得られたと思っています。今後も展開の仕方をどんどん変化させながら、深いエンタメ体験をユーザーの皆さんに提供できるようにしていきたいと思っています」と述べた。