ディズニー、「美女と野獣」をデジタルリマスターでBD化

　ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンは8日、年末にかけて発売を予定しているDVDやBlu-ray Discのラインナップや、マーケティングプランなどを販売店向けに説明する「2010 SUMMER ブルーレイ・DVD CONVENTION」をベルサール汐留で開催。ディズニーの名作アニメ「美女と野獣」を10月9日にBlu-ray化する事を明らかにした。

　既発売の「白雪姫」のように、“不朽の名作を次世代へ残す”ことをテーマに、過去の名作を最先端のデジタルリマスター技術で修復。豊富な特典を収録したBD用のブランド「ダイヤモンド・コレクション」のラインナップとしてBD化されるもの。音声も7.1ch化されている。なお、価格はディズニーのBDの新価格である3,990円でのリリースとなる。また、DVD版も2,940円で同時発売される。

　さらに、この「美女と野獣」が3D化。「美女と野獣 ディズニー デジタル3D」として、BD/DVDの発売と同じ10月9日から、全国のTOHOシネマズ、シネマイクスピアリなどで3D限定公開される。上映と同時のソフト発売はディズニー史上初の試み。なお、BD/DVDに収録される本編は2Dのみとなる。加えて、本編のVOD配信も予定しているほか、7月11日からは劇団四季の「美女と野獣」ミュージカル東京公演が15年ぶりに開始。さらに、「美女と野獣」が主題となる「ディズニー・オン・クラシック ～まほうの夜の音楽会2010」が10月8日から全国31会場38公演(予定)で開催予定。 

美女と野獣 ダイヤモンド・コレクション ※ジャケットは変更になる可能性があります (C)Disney	ソフトやVOD配信、劇場公開と、各プラットフォームが連動する「美女と野獣」の戦略

　BD/DVDの本編はスペシャル・エディション(約92分)、オリジナル劇場公開版(約85分)、ワーク・イン・プログレス版(約85分)の3種類を収録。2002年に発売されたDVDの特典に加え、新たにミュージッククリップや、制作の舞台裏、未公開シーン、「ファミリープレイ:ブロードウェイでの始まり」などを収録。BD版にはゲームの「お城のみんなは どこ?」も収めている。

　なお、10月9日にはディズニープリンセスの作品をまとめたDVD-BOX、「ディズニープリンセス コンプリートBOX」も発売。「シンデレラ」、「リトル・マーメイド」、「眠れる森の美女」、「アラジン」、「白雪姫」、「美女と野獣」の6枚をセットにしており、価格は12,600円。

■ ウォレスとグルミット

　また、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー提供作品として、アードマン・アニメーションズのクレイアニメ「ひつじのショーン」と「ウォレスとグルミット 3クラッキング・アドベンチャーズ」が10月20日から順次BD/DVD化される。

　「ウォレスとグルミット 3クラッキング・アドベンチャーズ」は、発明家のウォレスと、主人より賢い(?)忠犬グルミットが織り成すコメディシリーズで、'89年の作品「チーズ・ホリデー」(約23分)と、'93年の「ペンギンに気をつけろ!」(約29分)、'95年の「危機一髪!」(約31分)をデジタルリマスターでBDにまとめたもの。

　アードマン・アニメーションズは、宮崎駿監督ら、スタジオジブリと交流があることから三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーとしての発売となり、ジブリこだわりの新日本語吹き替え版と、新字幕を収録。ウォレスは津川雅彦が演じている。

　なお、「ウォレスとグルミット」シリーズは、新作の「ベーカリー街の悪夢」が既にDVD/BD化されているが、「3クラッキング・アドベンチャーズ」の初回限定特典として、「ベーカリー街」のディスクも一緒に収納できる「コンプリートBOX」が付属する。

ウォレスとグルミット 3クラッキング・アドベンチャーズ ※ジャケットは変更になる可能性があります (C)Aardman Animations Limited 2006.	ひつじのショーン 第1巻 ※ジャケットは変更になる可能性があります (C)Aardman Animations Limited 2006.

　「ひつじのショーン」は、「ウォレスとグルミット」のスピンオフ作品として生まれたもので、好奇心と想像力にあふれた、いたずら好きの羊・ショーンが、牧場の仲間の羊達を巻き込み、様々な騒動を巻き起こすという物語。2007年に英国や日本でテレビ放送が開始された。

　そのシリーズを、三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー作品として、新たなパッケージデザインでソフト化。さらにBD版も同時発売される。10月20日の第1巻には、1話～20話までを収録。1話7分で、収録時間は約140分。DVDは2枚組となる。2巻は11月17日発売で、21～40話を収録する。

■ 「続々とBlu-ray 3Dをリリースしていく」

　ウォルト・ディズニー・ジャパンのポール・キャンドランド社長は、3月に実施した組織改正について改めて説明。映画配給などを行なうウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズと、Blu-ray/DVDなどの販売を行なうウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメントを統合させ、新組織ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンが設立されたという。

　これにより、変化の激しい消費者のライフスタイルに合わせ、「映画からDVD/Blu-rayなどのパッケージ・メディア、さらにはビデオ・オン・デマンド(VOD)などの展開を、一貫してサポートできる」（ポール社長）と説明。その代表的な展開となる「美女と野獣」の紹介へと繋げた。

　ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンの塚越隆行ゼネラルマネージャーも、今後の取り組みとして「消費者の皆さんの変化に対応して、より魅力ある作品を新しい視点で、フレキシブルにプランニングできる環境を作っていきたい」と抱負を語った。

　さらに、マーケティング エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏は、既報の通り、8月4日に発売予定の「アリス・イン・ワンダーランド」のBD/DVDを例に挙げ、劇場公開に向けて話題を高めるプロモーション展開を積極的に行ない、BD/DVD化発表後には、劇場公開のテレビCMの中でBD/DVDの発売も告知するなど、新たな試みも実施している事を紹介。「美女と野獣」でも前述の通り、劇場公開とBD/DVD、VOD配信などのクロスシナジー展開で積極的に展開していくことを説明した。

　また、ディズニーでは、同社初のBlu-ray 3Dとして、今冬に「クリスマス・キャロル」を発売することを発表している。高橋氏は「Blu-ray 3Dへの期待が高まっている」と語り、同作品をアピールするとともに、「その後も続々とBlu-ray 3Dをリリースしていく」と語り、ディズニーとして積極的にBlu-ray 3Dに取り組んでいく姿勢を強調した。

ウォルト・ディズニー・ジャパンのポール・キャンドランド社長	ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンの塚越隆行ゼネラルマネージャー	マーケティング エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏

■ そのほか

　ほかにも、数量限定で販売していた3DCGアニメ「ファイアボール」のDVDを、通常のDVDと同様に常時購入できる形に移行。9月22日にDVDを再発売するほか、DVDとmicroSD版をセットにしたものも用意。さらに、microSD版と各種特典をセットにした、数量限定生産の「ファイアボール モバイペリオン・パッケージ」も同時発売する。価格はDVDが3,360円、DVD+microSDが4,935円、モバイペリオン・パッケージが4,935円。

　モバイペリオン・パッケージは、microSD版に加え、金属製のキーホルダー型microSDケースと、つやつやデコシールをセットにしたもの。さらに、携帯用のサウンドファイルや、待ち受け画像、着ボイスなどのダウンロード権も特典として付属する。

ファイアボールのDVD+microSDセット ※ジャケットは変更になる可能性があります (C)Disney	女児を中心に人気のスティッチ! 新シリーズが7月から放送されているが、「いたずらエイリアンの大冒険」 DVD-BOX2も10月20日に発売される ※ジャケットは変更になる可能性があります (C)Disney