デノン、4Kパススルー/Apple Lossless対応新AVアンプ

AVR-3313

　デノンは、4K映像信号のHDMIパススルーやAirPlay、DLNA、24bit/192kHz WAV/FLAC、Apple Losslessなどに対応したAVアンプ「AVR-3313」を7月上旬より発売する。価格は157,500円。

　最大出力195W×7ch(6Ω時)、定格出力125W×7ch(8Ω)のAVアンプ。サブウーファ用プリアウトを2系統備えた7.2chタイプで、独自の「D.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circuit)」の最新バージョンを搭載。サラウンド再生のための信号処理回路をひとつひとつのブロックに独立させ、32bit DSPなどを用いてディスクリート化している。24bit処理により、理想的なアナログ波形を再現する「AL 24 Processsing Plus」も搭載し、微小な音の再生能力を高めている。

　シャーシ設計でも振動の影響を徹底的に排除。ヒートシンクをフットの真下に配置し、パワートランスは高剛性シャーシにしっかり固定。内部/外部の振動を素早く排除するとともに、鳴きにくい構造とすることで、音の透明感や定位の向上を図った。

AVR-3313	前面パネルを開けると、操作ボタンやHDMIやUSB端子など

利用イメージ

　ネットワークオーディオ機能も強化。従来モデル「AVR-3312」もAirPlayやDLNA 1.5に対応し、16bit/48kHzのWAV、24bit/96kHzのFLACの再生が可能となっていたが、新モデルでは2012年夏のファームウェアアップデートにより、24bit/192kHzまでのWAV/FLACファイル、Apple Loslessファイルの再生に対応。さらに、ギャップレス再生も可能となる。

　インターネットラジオにも対応。また、iOS用のアプリ新「Denon Remote App」ではAVR-3313の操作が可能で、新バージョンでは、NAS内の音楽ファイルやネットラジオ局のブラウズを高速化している。なお、Android版は2012年夏のリリースを予定している。

　HDMI端子は入力7系統、出力3系統で、3DやHDMI CECにも対応。SD/HD映像を4K(3,840×2,160ドット)までアップスケーリングでき、4K映像のパススルーにも対応。4Kアップスケーリング対応の新IPスケーラーとハイビット処理により、奥行ある高精細な映像を実現する。また、HDMIのマルチゾーン出力にも対応し、メインゾーンと別の映像ソースをマルチゾーン出力用のHDMIから出力できる。HDMI入力の1系統は前面に備えており、ビデオカメラやゲーム機などを接続できる。

背面	HDMIは3系統でマルチゾーン出力も可能

　新たに「Denon Link HD」端子を装備。デノンの次世代Blu-rayプレーヤーに搭載予定の端子で、AVアンプのDACを動作させるマスタークロックをプレーヤーに供給し、互いに同一のクロックを共有しながら動作させることで、ジッタの極めて少ないデジタル音声伝送が可能となるという。また、Denon Link HD以外の接続でも「ハイブリッドPLLクロックジッターリデューサー」でジッタを低減。HDMIだけでなく、光、同軸デジタル音声接続、アナログ音声接続でもそれぞれに最適化したジッタ低減が可能という。

　HDMI以外の入力端子はコンポーネント×2、コンポジット×4、アナログ音声×6、光デジタル音声×2、同軸デジタル音声×2、Phono×1。出力はコンポーネント×1、コンポジット×3、アナログ音声×3、7.2chプリアウト×1、ヘッドフォン×1など。EthernetやDCトリガー、リモート入/出力、USBも装備。USBは、iPod/iPhoneやUSBメモリ内の楽曲などを再生可能。

　ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオ用デコーダに加え、Dolby Pro Logic IIzとAudyssey DSXプロセッサも備え、高さ方向の信号を出力するサラウンドサウンドが楽しめる。付属の専用マイクを使って、スピーカーの初期設定を自動で行なう「Audyssey MultEQ XT」や、音の大小をリアルタイムに調整する「Audyssey Dynamic Volume」、圧縮音楽ファイル再生時に、失われたディティールを補間再生する「コンプレスト オーディオ リストアラー機能」なども備えている。

　FMチューナも搭載。消費電力は670W(待機時0.1W、CECスタンバイ時0.5W)。外形寸法は434×382×167mm(幅×奥行き×高さ)、重量は12kg。リモコンやセットアップマイクなどが付属する。