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デノン、新DAC+デジタル回路改善した中級AVアンプ

ネットワークや4K対応「AVR-X4000」。157,500円

AVR-X4000

 デノンは、新24bit/192kHz DACを搭載し、デジタル系信号処理回路の見直しを図ったミドルクラスのAVアンプ「AVR-X4000」を6月中旬より発売する。価格は157,500円。

「D.D.S.C.-HD」や新DACで音質改善

筐体内部

 定格出力125W×7ch(8Ω)のミドルクラス7.2ch AVアンプ。デノン独自の回路技術「D.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circuit)」の最新バージョン「D.D.S.C.-HD」を搭載。サラウンド再生のために必要な信号処理回路を一つ一つのブロックに独立させ、32bit DSPなどを用いてディスクリート化。全チャンネル同一レスポンス、同一クオリティを念頭に構成し、オーディオ回路などに厳密なチューニングを施すことで、「ピュアオーディオに匹敵する高音質再生を実現した」とする。

AVR-X4000前面
前面パネルを開けたところ
デジタル回路を見直し

 デジタル回路を徹底的に見直し、新型の24bit/192kHz DACを搭載。入力回路の電源部にハイパフォーマンスコンデンサを採用し、新DACとともに周辺回路を大幅に改善したことで、サウンドステージの安定感やフォーカス感を向上した。全チャンネルで理想的なアナログ波形を再現する「AL 24 Processsing Plus」も搭載する。

 筐体設計においては、共振の影響を徹底的に排除した「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」を採用。ヒートシンクをフット真上に配置し、パワートランスをシャーシにしっかり固定することで、内部/外部の振動発生を抑え、また振動を伝え難い構造とし、画質向上や音の透明感、定位向上を図った。

自動音場補正の強化やUI改善。ネットワークも強化

 スピーカーの初期設定を自動で行なう「Audyssey MultEQ XT32」を搭載。付属マイクによりスピーカーの有無やサイズ、距離音量などの基本的な調整値を自動的に設定。さらに、最大8カ所の測定データを解析することで、512倍のフィルタ解像度で部屋の反響音などによる悪影響の要因を取り除き、多人数で映画を見る場合でも理想的なサラウンド環境を得られるよう調整できる。

 ドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなどのデコーダに加え、DTS-Neo:X9.1やDolby Pro Logic IIzとAudyssey DSXプロセッサも備え、高さ方向の信号を出力するサラウンドサウンドが楽しめる。音の大小をリアルタイムに調整する「Audyssey Dynamic Volume」、圧縮音楽ファイル再生時に、失われたディティールを補間再生する「コンプレスト オーディオ リストアラー機能」なども備えている。

 DLNA 1.5やAirPlayに準拠したネットワークオーディオ機能も搭載。最高24bit/192kHzのWAV、FLACや、24bit/96kHzまでのApple Losslessファイルのネットワーク再生に対応する。FLACやWAVはギャップレス再生に対応。インターネットラジオ機能も備えている。

 スマートフォンアプリの「Denon Remote App」はiOS/Android版を用意。多様なモバイルデバイスで操作が可能となっており、8つのショートカットキーに好みの操作を割り当てられる。パソコンやNAS内の音楽ファイルブラウズも高速化した。

背面

 HDMI端子は入力7系統、出力3系統で、3DやHDMI CECにも対応。SD/HD映像を4K(3,840×2,160ドット)までアップスケーリングでき、4K映像のパススルーにも対応。新IPスケーラとハイビット処理により、高品位な4Kアップスケーリング出力が可能という。

 また、HDMIのマルチゾーン出力にも対応し、メインゾーンと別の映像ソースをマルチゾーン出力用のHDMIから出力できる。メインゾーンの2系統は4Kアップスケーリングやパススルー、ARC、CECに対応。マルチゾーン出力は4Kパススルーに対応する。

 HDMI入力時に、メイン画面に小さなサブ画面を表示し、HDMI1-6までに接続している複数のHDMI機器から入力された映像信号を同時に確認できる「InstaPrevue(インスタプレビュー)」も搭載する。

 HDMI、光、同軸デジタルで入力されたデジタル音声信号を、AVR-X4000のDACで変換し、メインゾーン以外の機器にオーディオ配信できる「ゾーン機能」も搭載。メインゾーンを5.1ch構成している場合、サラウンドバック用の内蔵アンプをゾーン2、3用として活用できる。

 また、「Denon Link HD」端子を装備。デノンのBlu-rayプレーヤー「DBT-3313UD」と組み合わせることで、AVアンプのDACを動作させるマスタークロックをプレーヤーに供給し、互いに同一のクロックを共有しながら動作させ、ジッタの極めて少ないデジタル音声伝送が可能となる。これにより、音の定位の明確化や立体的な音像を実現できるとする。また、Denon Link HD以外の接続でも「ハイブリッドPLLクロックジッターリデューサー」でジッタを低減。HDMIだけでなく、光/同軸デジタル音声接続、アナログ音声接続でもそれぞれに最適化したジッタ低減が可能という。

 HDMI以外の入力端子はコンポーネント×2、コンポジット×4、アナログ音声×6、光デジタル音声×2、同軸デジタル音声×2、Phono×1。出力はコンポーネント×1、コンポジット×3、アナログ音声×3、11.2chプリアウト×1、ヘッドフォン×1など。EthernetやDCトリガー、リモート入/出力、USBも装備。USBは、iPod/iPhoneやUSBメモリ内の楽曲などを再生可能。

 ユーザーインターフェイスはオーバーレイ表示可能な日本語対応GUIで、入力切替やステータス情報、セットアップ画面などをコンテンツの画面にオーバーレイ表示しながら利用できる。初期設定をガイダンスするセットアップアシスタントも搭載している。

 スピーカーターミナルは横一列に配置し、ターミナルをカラーリングすることでチャンネル識別可能とした。FMチューナも搭載。消費電力は670W(待機時0.1W、CECスタンバイ時0.5W)。外形寸法は434×379×167mm(幅×奥行き×高さ)、重量は12.3kg。リモコンやセットアップマイクなどが付属する。

(臼田勤哉)