ソニーのBRAVIAは進化する!新機能が続々追加、Android TV機能搭載BRAVIA 注目の進化点を鳥居一豊がチェック!

フラッグシップモデルX9400C/X9300Cを始めとする、今夏発売のソニーのBRAVIA。Android TV機能を搭載することで、音声検索などのスマートな機能が盛り込まれ、テレビ放送はもちろんネットの動画やさまざまな機能をより快適に楽しめるようになっている。

そしてAndroid TV機能搭載BRAVIAのもう一つの魅力が、アップデートによって「進化」するということ。10月15日に実施された大型アップデートを皮切りに、今後も魅力的な機能追加が随時行われるという。ここでは、10月15日のアップデートでどんな点が「進化」したのか、そして今後BRAVIAがどのように「進化」していくのか、実機で体験してきたので、詳しくレポートしたい。

見たい番組をスマートに探せる。手軽で使い勝手のよい外付けHDD録画。スマホからの録画予約も

では、10月15日のアップデートの内容を見ていこう。Android OSのバージョンは、5.0.2から5.1.1へと上がる。これに伴い動作の安定性が向上したほか、数々の機能の追加が行われた。ざっとまとめると、

・外付けHDDへのテレビ録画
・番組表からのブルーレイディスクレコーダーやnasneへの録画予約
・「番組ガイド」による番組レコメンド機能の実装
・スマホアプリ「TV SideView」からの録画予約に対応
・ハイブリッドキャスト対応
・PlayStation™Now(Betaサービス)対応
・動画サービスの対応アプリ追加
・PlayMemories Online対応
・制限付きプロフィール追加

と、盛りだくさんだ。いくつかピックアップして紹介していこう。

「番組表」および「番組ガイド」から、外付けHDDへの録画予約、ブルーレイディスクレコーダーへの録画予約、nasneへの録画予約などが可能

まずは、USB接続の外付けHDDを使ったテレビ録画だ。軽く概要を紹介すると、番組表からの録画予約や、視聴中番組の即時録画といった基本的な録画機能はもちろん、ドラマなどの録画予約に便利な番組名追従録画も可能だし、内蔵の4K放送チューナーで受信したスカパー! 4Kの録画も可能だ(録画禁止設定がされている番組を除く)。このほか、テレビ視聴のための機能としては、ハイブリッドキャストにも対応となる。

外付けHDDへのテレビ録画自体は現在の薄型テレビでは標準的な機能だが、今回のアップデートではもっと便利な機能が盛り込まれている。第1に、本体番組表からブルーレイディスクレコーダーや「nasne」への録画予約も可能となった。対応するのは、BRAVIAにHDMI接続するレコーダー、ないし「ルームリンク」で接続するDTCP-IP対応のレコーダー(nasneを含む)となる。

さらに、人気の高い番組をお知らせするレコメンド機能も搭載された。これは、アップデートで新たに追加されるアプリ「番組ガイド」を使って行う機能で、インターネット上からBRAVIAやnasneユーザーの録画予約などのデータを集計し、人気の高い番組をお知らせする機能。特に見たい番組がない場合、これをチェックすればユーザーが楽しみにしている人気番組がすぐにわかるし、スムーズに録画予約することもできる。 

ユーザーのあいだで多く録画されている番組や、おすすめの番組をピックアップしてもらえる

また、スマホ用アプリ「TV SideView」を使って外出先からBRAVIA外付けHDDへの録画予約も可能となった。外出先で今日放送される番組の予約し忘れに気付いたときや、職場で話題になったテレビ番組をとりあえず予約しておきたいときも、スマホを取り出して数タップで録画予約できてしまう。もちろん、TV SideViewでも同様に人気番組やおすすめ番組を表示してくれる。

スマホアプリ「TV SideView」からの録画予約も簡単。外出先から簡単に録画予約できる

起動するたびに番組との出会いが

「TV SideView」からのリモート予約の便利さはもちろんだが、家庭でのテレビ番組の予約でも、こうしたリコメンド機能が使えるのは便利だ。テレビ放送の膨大な番組の中から自分好みの番組をどのように探すか、というのは、テレビ好きの悩みのひとつといえるが、今回のBRAVIAやTV SideViewなら、この機能を使っていつでもおすすめの番組を確認できる。「予約ランキング」では、ユーザーのあいだで予約の多い番組がリストアップされるため、映画やドラマ、バラエティなど、人気番組がずらりと並んでいるから、話題の番組の見逃しも少なくなるし、自分好みの番組と出会える機会もどんどん多くなる。外出先ではスマホで、帰宅したらBRAVIAで、リストアップされた番組をチェックするのが楽しくなりそうだ。

気になるのはBRAVIAでのブラウジング速度だが、リストアップする番組のスクロールもスムーズで、予約ランキングの番組を素早く確認できる。最近のスマホのようなキビキビとした反応で、薄型テレビにはありがちなもっさりとした動作の鈍さは感じない。テレビの録画機能としてはなかなかの充実度で、手軽にテレビ録画を行いたい人や、見たいと思っていた番組を録り逃してしまうという苦い経験を持っている人ならば、とてもありがたいと感じるはず。

協力:株式会社キャドセンター

ホーム画面の操作、オプション設定、アプリ起動など、ほとんどの場面で非常にサクサク、快適に動作

ゲームもより手軽に大画面で楽しめる! ストリーミングゲームサービス「PlayStation™Now」に対応

大画面でゲームを楽しんでいる人に注目なのが、「PlayStation™Now」への対応だ。「PlayStation™Now」はクラウドを利用した新しいスタイルのゲームサービス。一般的にテレビゲームは、PlayStation®3やPlayStation®4といったゲーム機で処理した映像をテレビに映し出すが、「PlayStation™Now」は、今までユーザー側のゲーム機でやっていたそれらの処理を、クラウド側で行う。だから、表示する薄型テレビにゲーム機のような高性能なグラフィック処理能力がなくても、迫力あるゲームを手軽に楽しめるわけだ。

ゲーム機は不要、BRAVIAだけで楽しめる「PlayStation™Now」

心配になるのは、ゲームでは特に重要になる、操作に対するレスポンス。コントローラーから送られるプレーヤーの操作が、インターネットを通じてクラウドで処理され、その結果がインターネット経由で戻ってくるわけなので、こちらの操作に対する反応が鈍くなる心配があった。だが、実際に操作をしてみると、そうした反応の遅れはほとんど感じず、今までのゲームと変わらない感覚で楽しむことができる。

「PlayStation™Now」では、接続されたネットワークの回線速度を詳しくチェックし画質を調整。回線速度に左右されることなく快適にゲームができるようにしているという。操作のレスポンスだけでなく、表示されるグラフィックスも実にスムーズな動きだ。これについては回線速度に応じて、グラフィックスの解像度が設定されるようで、動きの再現を優先したものになっているようだ。光回線など十分な速度を持つ環境ならば、動きはもちろん、高解像度の美しいグラフィックも楽しめるわけだ。コントローラーはPS4®用の「DUALSHOCK4」をそのまま利用できるのも便利。ユーザーならば新たにコントローラーを買う必要がないし、使い慣れたコントローラーでプレイしていると、普通にゲーム機で遊んでいるような感覚になる。

歴代の名作タイトルや最新タイトルなどをラインアップ

BRAVIAだけで購入からプレイまでワンストップ

ちなみに「PlayStation™Now」は膨大な数の名作ゲームが遊び放題となる定額制だけでなく、4時間だけプレイ可能な「レンタル」利用も可能。見たい番組がないときなど、ほんのちょっとだけゲームをするといった使い方もできるのだ。4時間だけのプレイでも、プレイしたゲームのセーブデータはずっと残っているので、再び「レンタル」利用をする場合は続きからプレイすることができる。

4Kを含むネット動画の対応など、驚くほどの高機能化

ほかにも、注目機能は数多い。要チェックと言えるのが、充実したネット動画サービスへの対応。今回のアップデートでは、「PlayStation™Video」や「TSUTAYA TV」、「DMM.com」などに新たに対応。もちろん、4Kコンテンツの配信も行っていることで話題の「Netflix」や、「YouTube」「ニコニコ動画」といった定番動画サービスなど、幅広い動画/静止画サービスを手軽に楽しめる。4K高画質プロセッサー「X1」でより高精細な映像再現ができるので、ネット動画サービスに多い低ビットレートの動画などもより美しい映像で楽しめる。

「X1」映像処理概念図。ネット動画で気になるブロックノイズなども「X1」で低減、高画質で楽しめる

また、リモコンにある「番組チェック」ボタンを押すと、「YouTube」や「Netflix」、「PlayStation™Video」といった動画サービスのおすすめ番組や、視聴途中タイトルのリストを確認できる。いちいちアプリを起動せずにタイトルを確認できるのはとても便利。今後予定されているアップデートでは、放送波の録画済み番組リストもピックアップされるようになるとのことで、放送、ネット動画の区別なく、さまざまな映像コンテンツをスピーディーに探せるようになる。

アプリを起動することなく、おすすめタイトルや、視聴中のドラマシリーズの次話などを表示してくれる「番組チェック」

このほか、家族で使うテレビとして欠かせない機能も強化。新たに「制限付きプロフィール」機能が追加されたことで、動画サービスをはじめとするすべてのアプリは個別に使用制限を加えられる。動画サービスの年齢による視聴制限や、子供には使わせたくないアプリを制限するといったことを細かく設定できるのは安心。このあたりの使い勝手もしっかりとアップデートされているのはうれしいところ。

リビングで老若男女みんなが使うテレビだからこそうれしい「制限プロフィール」機能

新たに登場した高輝度表示規格「HDR」にも対応

以上、10月15日に実施されたアップデート内容を見てきたが、実は将来的なBRAVIAのアップデートには、まだまだ大きな隠し球がある。それが、今年の4Kテレビでの大きな話題となっているHDR信号への対応だ(X9400C/X9300C/X9000C/X8500Cシリーズ)。

「HDR」とは「High Dynamic Range」の意味で、従来は撮影時に圧縮していた高輝度の情報をテレビでの再生時に復元し、太陽光の眩しい光や物質の輝きや艶をより鮮明に再現する技術。より高輝度な光が再現できるので、明暗のダイナミックレンジはさらに向上し、映像のリアリティがさらに高まる。HDR信号には、ブルーレイの4K規格であるUHD Blu-rayのほか、一部の動画配信サービスでも対応を表明している。

先行してHDR対応を行ったX9300Cを用い、実際にHDR映像と従来の映像を御輿の映像で比較してみたが、御輿の金の装飾の部分の輝きが際立つ。従来の映像では装飾の部分が白飛びして見えづらくなってしまうところを、HDR映像では装飾の模様を細かく描きながら、キラリとした輝きも力強く再現した。また、御輿に飾られた提灯の質感にも驚かされた。模様の描かれた和紙の質感がよく出ていて、内側にある骨組みが透けて見える感じもリアルだ。これが従来の映像だと、提灯全体が強く光ってしまっていて、和紙の質感がわかりにくいし、極端に言うとLED照明のような面白みのない感じになってしまう。

協力:株式会社キャドセンター

「X9300C」2台を並べて、HDR映像と従来映像の画質を比較

協力:株式会社キャドセンター

左が従来映像、右がHDR映像。HDRによって黄金の「輝き感」が明らかに増す

  • 協力:株式会社キャドセンター

    左が従来映像、右がHDR映像。HDRでは、鐘に映り込んだ光の階調がより詳細に描かれる

  • 協力:株式会社キャドセンター

    左が従来映像、右がHDR映像。HDR映像で際立つのは「光」だけではない。この画像では 提灯の詳細なディテールまでが浮き彫りになる

このようにHDR映像では、従来ならば真っ白になってしまうような強い光のディテールを、さらに明暗豊かに再現できる。BRAVIAでは、もともとこうした輝度ピークの高い映像を再現する技術として、独自の「X-tended Dynamic Range/X-tended Dynamic Range PRO(X9300C/X9400Cシリーズ)」を搭載してきた。これは映像に合わせてエリアごとにバックライトの発光を制御する技術に加え、輝度の高い部分ではより強く発光させることで映像の輝き感を高めるもの。だから、単純に強い光を豊かに再現できるだけでなく、黒く沈む背景部分も黒が浮いてしまうようなことがなく、明部から暗部までくっきりとしたコントラスト感が得られる。ソニーはHDR信号の登場に先駆けて「XDR」技術をテレビの高画質技術として採用してきた実績もあり、バックライトのエリア制御はもちろん、より明るい部分での階調表現や輝度ピークの表現に優位性があると感じた。

均一な白になってしまいがちな晴天の空模様に微妙な階調感、人の肌のより滑らかな表現など、HDR映像では見たままの感触に近い映像に感じられ、色の豊かさと深みも増す。UHD Blu-rayはもちろん、4K放送や4K動画では、新たな色空間の定義として「BT.2020」が採用されており、従来のHDTVの色空間定義である「BT.709」よりも大幅に広い色再現が可能になっている。BRAVIAはもちろんこうした広色域の再現も独自の「トリルミナス・ディスプレイ」技術で実現しており、高輝度だけでなく広色域の再現が可能だ。

4Kテレビも40V型を超える大画面クラスでは普及も進んできているが、今までは4K解像度ならではの高精細だけが注目されることが多かった。ソニーとしても、より高精細な映像を再現するための超解像技術「4K X-Reality PRO」で4Kテレビならではの精細感の高さを追求している。しかし、こうしたHDR映像を見ていると、高輝度や広色域といった要素が足並みを揃えたことで映像の再現力が大幅に高まったと感じる。言わば、4Kの高精細がそのポテンシャルをフルに発揮できるようになったのだ。

4K解像度でHDRの映像となると、豊かな色と輝度が揃ったことで4Kらしい高精細さがダイレクトに伝わる。今回の視聴時のように同じX9300Cを2台並べて見ているような環境でも、HDR映像を映したX9300Cの方が明らかに高精細だと感じられた。

こうした、高精細、高輝度、広色域といった映像の要素を高い次元で再現しているのが、新開発の4Kプロセッサー「X1」だ。これは、高精度に映像を解析し、それぞれの処理を行う回路と連携することで、トータルで映像の表現力を高めるもの。映像の情報量が大幅に高まるHDR時代の映像では、こうした総合的な高画質処理の実力が4Kテレビの画質の差になってくると実感できる。

大型アップデートで生まれ変わったBRAVIA

以上、これまでの、そしてこれからのBRAVIAのアップデートについて見てきたが、発売から半年近くが経過したテレビで、これだけの機能強化が行われるというのはちょっと驚きだ。従来ならば型番を変えた新モデルとして発売されるレベルと言ってもいい。そんなことができてしまうのもAndroid TV機能搭載の大きなメリットと言えるだろう。せっかく手に入れた大画面の薄型テレビをより長い間愛用できる将来性の高さが備わっている。

強化されたさまざまな機能を体験していったが、特に印象に残ったのが操作感の良さだ。番組リストのスクロール速度や操作のレスポンスは良好で、スライド操作主体で使える「タッチパッドリモコン」で快適に使うことができた。個人的にはこうしたスマホ的な操作感のリモコンは、操作のレスポンスの鈍さに違和感を持つことが多く、使い慣れた通常のリモコンを使うことの方が多いのだが、Android TV機能搭載のBRAVIAではメニューの表示や操作の素早さが良好で、「タッチパッドリモコン」の方が使いやすいかもしれない、と感じたほどだ。

薄型テレビの高機能化は以前から始まってはいたが、良好な操作感を実現したことで快適に使えるようになった。今まではあまりこうした機能に興味のなかった人でも、このサクサク感ならは試してみようと思う人も多いはず。大型アップデートで生まれ変わったと言ってもいい、新しいBRAVIAにぜひ注目してほしい。

(Reported by 鳥居一豊)