気になるグッズを衝動買い


【バックナンバーインデックス】


第1回:PS2の画質に満足してますか?
「PS2用コンポーネントモンスターケーブル」


 AV製品はピンからキリまでいろいろありますが、いわゆるメインストリーム以外にはいろんなおもしろいアイテムがたくさんあります。ここでは思わず衝動買いしたくなるけど、冷静に考えるとどうかな~? と、気になる「モノ」に積極的なアタックを繰り広げていきます。

え! あのケーブルがPS2で!?

 世界の電気街秋葉原。インプレスのWatchシリーズにはそのアキバの今を紹介する「AKIBA PC Hotline!」というサイトがあるのだが、その中の「お買い得価格情報 2001年1月27日号」に気になる記事が。

 『PlayStation2用「MonsterCable」のコンポーネント信号版が入荷』。なんと、PS2のモンスターケーブルが、しかもコンポーネント用であるのか。これはぜひとも確かめねば。というわけで、買いに行ききましたよ。モンスターケーブルのゲーム用ブランド「MONSTER GAME」の「GAMELINK 400」として発見。価格はなんと8,800円! しかも、パッケージを確認したところ、プラグは3つしかない。そう、音声プラグナシ。つまり、「音声はオプティカルから出して」ということである。

 おお、ブラボー! なんと潔いことか。当然ゲットし、比較用にとカラットのコンポーネントケーブルも買い求める。こちらの価格は税込み1,000円、その差は約9倍。この価格差が性能にどう出るのか楽しみである。

パッケージ3面。プラグが見えるブリスター

パッケージ背面に「This Cable Dose Not Carry an Audio Signal」の文字。音声信号は伝えません 比較用にカラットも同時購入。店舗によって価格差はあるが、購入店は税込み1,000円。安ぅ!


緻密な作りがモンスター

 さて、モンスターケーブルといえば高品質な作りがウリ。当然この製品も通常のケーブルとはワケが違う。まず、パッケージの体積からしてカラットのものと違う。ケーブルの長さがカラット=1.9m、モンスター=3.0mと違うのが大きな要因ではあるが、プラグ周りのケーブル直径もモンスターの方がかなり太い。接触部分は当然金メッキ。まあ、これはカラットも同じだが、モンスターの方はAVマルチ端子も大きく、コンポーネントプラグへの分岐部も同様の作り。信号をしっかり受けていそうな気がする(あくまで気分だが)。

 テレビと直接接することになるプラグの作りは普通のケーブルと大きく違う。外見上の特徴はコネクタのリング部にナナメの切り込みが入っていること。このリング部、かなりきつ目になっていて、差し込むときにこの切り込みに沿ってねじりながら入れる、という構造になっているのだ。接点をしっかりキープして信号を確実に伝えるための工夫といえるだろう。カバーはネジ止めで電線とコネクタの接点に直接アプローチできるので、万一接触が不安定になった場合も安心だ。

カラットとプラグ周りのケーブル直径比較。モンスターが圧倒的に太い AVマルチ端子側の比較。ケーブル直径はほぼ同じだが、端子自体が違う

プラグのアップ。ひねりながら端子を差さないとなかなか入らない プラグのカバーを外したところ。コネクタ部とケーブルはがっちりハンダづけ


PS2といえばゲームでしょう

 いよいよモンスターケーブルでの視聴に。使用したのは三菱のBSデジタル対応TV「28W-HR1」。これはD端子のみの対応のため、変換ケーブルを介しての接続で視聴した。まずはPS2の本分というべきゲームから、ということで「鬼武者」をプレイ。オープニングを見てみると、ううむ。確かにきれいだ。ゲーム本編をしばらくプレイしてもやはり映像自体の鮮鋭さが伝わってくる感じ。次にカラットにつなぎ変えてみると……。あれ? こっちもきれいじゃん。こちらの映像も遜色なく映像を伝えてくれている。第一印象としては両者ともにきれいだ。


納得いくまで見比べてみると

 しかし、これでは9倍もの価格差が納得できぬ。これでもか、という勢いで画面を凝視、凝視、凝視、さらに凝視、つなぎ換えては凝視、してみると、ううむ。なんとなく違いが見えてきたぞ。オープニング映像では明るい画面で違いが出るようだ。明るい背景上で人物などのモノの輪郭がはっきりしているように見える。カマキリの登場するシーンでその違いを確認できた。

 ただし、その違いはほんのわずか。よほど見比べないとわからないレベルである。ゲーム本編でも基本的に同じで、全体的にシャープになるようだ。ゲーム本編ではそのシャープさが出るのか、動きが無く、明暗のくっきりしたシーン1カ所で、明るい部分がほんの少し揺れているように感じられた(気にならないレベルではあるが)。全体的に人物が大きく映るときはシャープさが感じられる。


で、DVDではどうよ? 違いはでるの?

 次に使用頻度が高いDVDを試す。ソフトは映画「ジャンヌ・ダルク」、映画「グース」、宇多田ヒカル「Wait&See ~リスク~」を視聴。それぞれにざっと見てみる。う~ん。やはりそんなに違わないような……。双方とも十分に鮮鋭な映像を見せてくれる。

 先ほどと同じく納得いくまで見てみると、「ジャンヌ・ダルク」は戦闘シーンなどの動きがあり、引いた映像では違いが感じられないが、静的なクローズアップ映像では髪や服が鮮鋭に映っているように感じられる。

 「グース」もほとんどのシーンで違いは見いだせないのだが、ヒナ鳥のクローズアップシーンが違った。羽毛の表現がかなりシャープなのだ。モンスターで視聴した後にカラットで見てみると、ほんのかすかにぼやけているように感じる(比較級での話だが)。

 「Wait&See ~リスク~」も大きな違いは認められないが、ビルの谷間の静的なシーンで、ビルの輪郭がよりシャープに映っているように感じた。DVDでもその違いはわずかだが、静的なシーンが多いソフトを視聴するときはメリットがあるかと思う。


モンスターはさすが。でもカラットもいいんじゃない?

 モンスターケーブルは全体をシャープに表現してくれるようだ。厳密に測定すれば色の再現性なども高いのだろうが、普通に視聴する分には違いがわからないし、双方とも映像は十分にきれい。ケーブルの類はクオリティの違いが値段に正比例するものではないので、高品質をウリにしたモンスターケーブルがこの価格になるのも妥当といえば妥当。でも、全然期待していなかったカラットもモンスターに迫るクオリティ。というか、コンポーネント接続自体がすごいのか。

□モンスターゲームのホームページ(英文)
http://www.monstergame.com
□関連記事
・お買い得価格情報 2001年1月27日号(AKIBA PC Hotline)
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20010127/price.html

(2001年2月13日)

[fujiwa-y@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内AV Watch担当 av-watch@impress.co.jp

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